※公演は3/13~17までで既に公演終了しております。
ちょっと日付は遡りますが、久々に舞台観賞のレポートでも。
色々多忙だったのもありますが、今年は3月にして初の舞台観賞となりました。
昨年が1月から舞台を観に行っていたのに対し、結構スロースターターになりましたね(笑)
そんな訳で拝見した舞台は劇団RIZEの旗揚げ公演「主役」という舞台になります。
まずこの劇団RIZE、一体どんな劇団かというと、芸能事務所「ライズプロダクション」を母体とした劇団……。
ぶっちゃけ事務所が舞台をやるための団体となります。
そうなるともちろん今回出演される役者の皆様も、この「ライズプロダクション」に所属しているタレントが大多数となる訳です。
(ざっとパンフレットの出演者を拝見した限り、今回客演はいなかったように思います)
事務所のバックアップが良く分かる出来事として、当日パンフと一緒に挟まれていたのが、このプロダクションが売り出している新人アイドルグループのフライヤーだったりして(笑)
また他の劇団の公演のチラシ等が一切無かった事から、完全に事務所オンリーの公演というのが分かります。
そんな旗揚げ公演に今回誘ってくれたのが、この【舞台観賞】レポートシリーズではお馴染みになりつつある長井柚嬢です。
彼女自身、昨年4月から「ライズプロダクション」所属となり、今回の旗揚げ公演に携わる事となった訳です。
そういう訳で行って来ましたが、私が観劇に行ったのは3/15。
会場は中野のウエストエンドスタジオ。
……ここで奇妙な偶然に遭遇するのですが、それは最後にちょろっとお話しましょう。
公演終了後につき簡単なあらすじ。
なおこの公演トリプルキャストにつき、劇中の役者名は私が観劇した「Cチーム」のキャストで紹介します。
部屋に倒れ込んでいる少年・太郎(大橋篤・以下敬称略)の元に、全身白いつなぎの怪しげな男(高橋政裕)が現れる。
勝手に部屋に上がりこまれた太郎は、男に対して警戒感を示す。
太郎の何者かという問いに対して男は、あやふやな返事で正体を誤魔化す。
やがてかかってきた一本の電話に反応し、男そっちのけで自分の部屋を出た。
太郎の部屋を物色する怪しげな男。
小学生時代の彼のアルバムを見るが、学芸会ではとことん脇役に徹する彼の写真ばかり。
男は太郎が倒れこむ直前の言葉「主役になりたい」という言葉を思い出す。
そして物語は太郎の過去、小学生時代へ遡っていく……。
そこで男は小学生時代の太郎(竹中涼乃)と出会い、彼を変えていこうとするのだが……。
果たして男の正体は何者なのか?
微妙に変わっていく過去を経て、太郎は「主役」になれるのか?
そして最後に待ち受けていた太郎の運命とは……?
そんなあらすじ。
物語自体はそんなに捻っていないので、分かりやすい。
気になる男の正体も、後半にかけてなんとなく察しはついてくる。
なので物語のあらすじでモヤモヤしたり、消化不良を起こす事は無いと思う。
話の筋についても、現代と過去を行ったりきたりする話で途中までは丁寧に交錯されていて、非常に分かりやすかったです。
でもそれまで丁寧に進められていた話が、終盤でごっちゃになって非常に残念。
現代と過去のキャラが(脚本上、男の手違いで)一堂に会してしまってからが、もうゴチャゴチャ。
更にオチは申し訳ないけど弱いし、何か心に残るような物があったかというとあまり残らない。
恐らく全登場人物を一堂に会したのは、ラストのダンスシーンのためだったんだろうけど、あのオチどうだったかなぁ……。
それまで目立っていなかった登場人物が、結論を無理矢理まとめちゃった感が否めない。
ただ今回の舞台の性質を考えると、物語の筋って二の次だったのかなぁ……と思える。
途中、場面転換でも挿入歌が流れるけど、恐らくその歌もフライヤーが配られていた新人アイドルグループの楽曲。
登場人物の多さ、トリプルキャストという観点からも、今回は事務所の「お披露目」的な意味合いが強かったようにも思えます。
それが一番如実に現れていたのは、各出演者の演技のレベル。
正直に申し上げましょう。今回は評価は致しません。
評価する段階に至っていない、出演者が多いという事です。
明らかに経験がある人と無い人に差があります。
素人目に見ても、それは分かります。
だから今、この段階で演技のレベルを評価する方が間違えていると思います。
でも通常、劇団としてやっていくのであれば、目が肥えている人から見ても最低限観れるレベルにまで引き上げてから見せるのが普通だと思います。
それがなされていない、もしくはそのような姿勢が見えない時点で、今回の公演があくまで「お披露目」言い方は悪いけど「発表会」のレベルで止まっていた原因だと思います。
だから今回は純粋に物語を楽しみに舞台観に行った方(が仮にいたとするならば)は、面喰ったと思います。
だけど自分の関係者が頑張っている姿を目当てに観に行かれた方は、満足できたのでは無いでしょうか。
どちらかというと私は今回、後者にあたります。
ただ今回、出演した方の中から、将来、舞台の道に進んでその道で生きていけるような人材が一人でも、二人でも輩出できたなら、今回の舞台はやった意味があると思います。
そういう意味では将来の才能の原石を垣間見た瞬間と割り切れれば、悪くない舞台かもしれません。
特に低年齢層の子役たちは、これから幾らでも才能が開花する可能性はあるのだから、これをキッカケに頑張ってくれればと思います。
……でもやっぱりテレビで出てくる天才子役と言われる子達って凄いんだなと思う(笑)
そんな中で数少ない気になった出演者ですが、怪しい男を演じた高橋政裕氏は普通に上手かった。
ただ彼が他の出演者と比べても、演技が一段上のレベルだったので、今回の舞台では浮いてしまったのが残念。
別の舞台で拝見したい方です。
また母親役の三人、臼田雅代嬢、神代リカ嬢、島田未来嬢は普通に面白かった。
特に絡む事が多い臼田、神代両嬢の掛け合いは、実はこの舞台、一番の見所だったかもしれない(笑)
今回は子役も多かったから、母親役なんでしょうけど、このお三方は他の役柄になったらどうなるのか拝見してみたいですね。
最後にお目当ての長井柚嬢について。
今回のCチームで演じた役柄、当日パンフには「男2」とある(笑)
でもあれは便宜上与えられた役名が「男」であって、男には見えなかった(笑)
立ち位置的には「男1」こと高橋政裕氏の後輩ポジション。「男3」を演じた鈴木みつき嬢を常に従えての登場となる。
まず彼女の演技に関しては、毎回そうなんだけど、本当に楽しそうに演技しているのが特徴的。
コミカルな役柄が多いのもあるけど、本当に楽しそうに演技するのが印象的です。
(それ故、昨年の舞台で怖い女子高生を演じた時なんかはちょっと驚いたけど)
彼女の演技を観ていてストレスというか、そういうものを感じた事は全くありません。
今回「男1」の高橋氏が上手さ故に浮いてしまったのと比較しても、柚嬢はうまく世界観に溶け込んだと思います。
共演者のレベルに左右されず、舞台の世界に溶け込む術は本当に上手いと思いますし、彼女が誇れる長所の一つでは無いでしょか。
良く考えれば、初見の時は小学生を演じていて、あまりにも違和感なく演じていましたからねぇ(笑)
恐らく今回、小学生時代の太郎たちを演じた子役たちよりも、上手く小学生になる事は出来るでしょう(笑)
与えられる役柄も彼女に合っているものが多いとは思いますが、それに応える彼女は素晴らしいと思います。
そういう意味では今回、Bチームでは母親役を演じていたので、今更ながらそれも拝見すれば良かったかなぁ……なんて思います。
ただ今回は舞台経験が少ない共演者が多い中で、経験者としての苦労も多々あったと思います。
でも今まで「若手」に分類される事が多かったはずなので、これから彼女が舞台を続けていく上で今回の経験が活きてくる場面は必ずあると思います。
どうかこれからも可能な限り、舞台を続けて欲しい。そう思います。
なお上演時間は約60分と短め。
ただ今回の舞台の背景……特に子役が多かった事を考えると、集中力持続の観点からしてもこれが限界だったのかな……なんて思います。
それで料金設定は若干高め……と思いましたが、お目当ての素晴らしい演技と、若人たちのこれからの飛躍に対する先行投資と思えば、まぁいいでしょう(笑)
さて私事ですが、この舞台観賞が33歳ラストの舞台観賞でした。
なお33歳最初の舞台も同じ会場で、やはり長井柚嬢出演の舞台でした。
・【舞台観賞】「na na na... What we call LOVE」(テンダーシアターscene one)
http://ameblo.jp/hitode0014/entry-11198582339.html
確かこの時は柚嬢にとって、前の事務所最後の舞台でした。
この時も誕生日プレゼントをいただいて、そして今年も一日早いけどいただいて(笑)
本当に柚嬢には節目、節目に立ち会っていただき感謝の言葉がいくらあっても足りません。
33歳の最初と最後に、素晴らしい舞台を見せてくれた事、本当にありがとうございました。
同郷出身という縁もあるので、これからも応援していきたいと思います。
頑張れ、長井柚!
それと頑張れ、ライズプロダクション!(笑)
ライズプロダクション・公式サイト↓
http://rizepro.net/index.html