【舞台観賞】「誰かの星空」(冬の公会堂企画) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

さて新年開けて早半月。
遂に2012年初の観劇と相成りました。

今回観劇したのは「冬の公会堂企画」による「誰かの星空」という作品です。

その前に「冬の公会堂企画」とはなんぞや?という方のために説明から入ると……。
簡単に言ってしまえば「プロデュース公演」。劇団ではありません。

そして今回が初の公演になるのですが、その記念すべき「冬の公会堂企画」最初の公演に選ばれた作品が、今回の「誰かの星空」
作・演出はジャングルベル・シアターの主宰でお馴染み、浅野泰徳氏。
この作品はかつて2002年にジャングルベル・シアターで公演した作品です。
その後も様々な劇団で上演されている模様ですが、今回、浅野氏の手によって再び上演される運びとなりました。

こうして作・演出が浅野氏という事で、ジャンベルファンの皆様なら嫌でも期待してしまう条件が揃っています。
更に出演者にはジャンベル所属、野上あつみ嬢、升田智美嬢をはじめ、かつてジャンベル作品で客演された皆様の名前もチラホラ……。
裏方も衣裳に塚本善枝嬢、極めつけは制作に昨年限りでジャンベルを退団した阿部美和子嬢の名前が……。

もうこれだけでジャンベルファンならお腹いっぱいです。
……が、これだけでは終わりませんでした。

いざ会場に到着してみると……スタッフも殆どジャンベル劇団員(笑)
会場前で案内をしている福津屋氏、チケットをもぎる大塚氏、物販ブースの塚本嬢(衣裳兼任)、クローゼットの受付の西村氏、フライヤーを配る本多氏、席案内する松宮かんな様(やっぱり松宮さんだけは特別扱い・笑)
……確か昨日も観劇した方の情報だと、この日いなかった神田、竹内両氏もいたそうな(笑)
極めつけは客席に鈴木雄一氏、元劇団員の村井みゆき嬢……(笑)

変な感じだった。いつもは舞台の上で見慣れている皆様が、あちこちにいる図が(笑)
確かに今回はジャングルベル・シアターの公演ではありません。
でもちょっと趣向を変えた「ジャングルベル・シアター」の公演だと思えば……客席に福津屋さんが見える位置にいたって気にならない……はず……(笑)

……という事で、いつまでも周囲の状況を語ってもジャンベルのファンじゃない方にとっては面白くないので、きちんと本編についても語りましょう。



例によってネタバレしていい範囲のあらすじから。
まぁ公式サイトやフライヤーに載っている範囲なら大丈夫でしょ?(笑)

星野初音(七瀬美菜・以下敬称略)は生まれつき耳の病気を患っている小学4年生。手術を受けるために入院する事になる。
そんな彼女の楽しみは海外に住んでいると言われている父親からの手紙で、いつか会える日が来るのを信じて毎日を過ごしていた。
ある日の事、同年代の入院患者の女の子たちとふとしたキッカケで探偵まがいの行動を取る事になる。
他の入院患者たちや、兄・光一(仁田宏和)を巻き込んで行動していると、記憶を失った男性(鼓太郎)と出会う。
彼が言った3つのキーワードが彼の記憶を戻す鍵と思い、探偵まがいの行動を続ける初音たち。
一方で彼に会ってから、何か釈然としない兄・光一。
果たして男性の正体は?
そして初音の病気は治り、父親に会えるのだろうか……。

……ちょっとフライヤーより詳しく書いちゃったかな?(笑)
でもネタバレしていない範囲だよね。きっと(笑)

ストーリー全体を通して、ジャンベルでもお馴染み浅野節が炸裂の作品となってます。
前半は腹の底からとことん笑わせてくれます。
病院を舞台にした、ドタバタ劇というかコントにも近いというか……。
しかし中盤のあるワンシーンをキッカケにして、一気に緊迫した後半になだれ込む流れ……終盤に至っては、きっと涙無しでは語れないストーリーになってます。
特に同じ年代の子供を持つ親御さんなんかは、涙腺緩む事必至ではないでしょうか?

若干、ストーリー全体で説明がつかない部分があるにしろ、それを問いただすだけ愚問だと思います。
ちなみに展開的にはオチは何となく想像はつくんですけど、そのオチの付け方、表現の仕方が本当にうまいというか、そんな良作に仕上がってます。



さて気になった出演者でも。

主人公・初音を演じた七瀬美菜嬢。
キャリアはそれなりに長いと見受けられますが、幼い顔立ちで見事に小学4年生の女の子を演じていました。

続いて兄・光一を演じた仁田宏和氏。
設定は中学生。妹のために奔走するいいお兄ちゃんを演じていました。
そして彼も実年齢を確認すると今年で30歳……見えない(爆)

これに初音と同学年の入院患者コンビを演じた相沢美衣嬢、野上あつみ嬢も実年齢を忘れさせる(失礼)好演を見せてくれていました。
ちなみに野上嬢については突っ込みどころが一点あります(笑)
過去のジャンベル作品観ている人なら「あぁやっぱり?」と思います(笑)

でもむしろ今回は脇がしっかり固まっている印象はありましたね。

個人的にツボだったのは、榎木園郁也氏。
正直、彼の役回りはストーリー全体においてズルいし自由すぎる(笑)
かつて「河童の水際」で見せた天升教授の奔放さを超えてました(笑)
野上嬢と絡むシーンでは、天升、諸子コンビの再来とばかり笑いをこらえるのに必死(笑)
ちなみに気になって2002年、ジャンベルで演じた時の配役を見たら、浅野氏が演じていました(笑)
……色んな意味で納得(笑)

後は横道毅氏の役柄は好きだったなぁ。
彼の演じた役はネタバレすると医者なんですけど、こういうお医者さん本当にいそう(笑)
「サラマンドラの虹」の巨勢教授とは同一人物とは思えないくらい、人当たりがいい医者を演じてました。

同一人物とは思えない……と言えば、鵜飼真帆嬢の今回の役は新たな発見だったかもしれない。
昨年彼女の舞台は3回拝見しましたが、今回の役は私が今まで観た中では一線画していました。こういう役も有りだと思う。

少ない出番で頑張っていたのは升田智美嬢。
多分、今回の劇中で圧倒的に出番が少ないはずなのに、強烈な印象を残していった点は評価出来ます。

これ以上挙げるとキリが無いのですが、最後に一人挙げるなら鼓太郎氏。
今回のキーパーソンです。
実はこの人がいなかったら「誰かの星空」は完成しなかったかもしれない。
今回の作品は実は彼のためにあった作品かもしれない……そう思えます。

ここに挙げなかったけど、本当に他の出演者もしっかり役にハマっていたし、素晴らしかったですね。
もう一回観に行けるなら、多分、ネタバレ完全有りモードで延々と語れるんだろうけどねぇ……。



後は今回、出演者以外のところでも挙げたい人がいるので語ります。
衣裳に回った塚本善枝嬢ですね。まぁ自分の推しなんですが(照)

今回彼女は「衣裳」としてこの作品に関わりました。
所属劇団では衣裳班として動いているそうですが(ジャンベル色が強いとは言え)初の外部での衣裳としての仕事。
多分、今までとは勝手が違ったと思います。
でも衣裳一つ一つに彼女のセンスを感じました。本当に頑張って考えたんだろうな……と思いながら、今回は衣裳にも注目しながら観ていました。
個人的には入院患者たちのパジャマのデザインがとても素敵。
初音たち女の子3人のパジャマはもちろんですが、個人的には岡元のパジャマのセンスに脱帽(笑)
とにかくこれからこの作品を拝見する方は、衣裳にも注目してください。
そして観劇後は物販スペースにいるであろう塚本嬢を誉めてください(笑)
いい仕事しています。



大体、こんな感じでしょうか。
上演時間は1時間30分と短め。
しかし短い割りに非常に良くまとまっており、浅野氏の描きたかった優しい世界観が滲み出ています。
特に子供を持つ親御さんにオススメかもしれません。

そんな訳でこの「誰かの星空」22日まで公演中です。
本日20日からは1日2公演ですので、お時間がある方は是非足を運んではいかがでしょうか?
(詳細は下に貼った、公式サイトのリンクより)

ちなみに自分は……本日・仕事、21日・AnB(しかも自分にとってかなり重要)、22日・仕事……。
本当に行けないんです(汗)
許して!帰り際に「もう一回~」と言っていた、あつみ嬢(笑)

冬の公会堂企画・公式サイト↓
http://www.kokaido.info/index.html