0504、日本語の問題「重複する」「上書きされる」 | ひたすら楽して日本国民2

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いい世来いよと人の云う
お前のことが好きだった

「重複」は「ちょうふく」と読むはずなのだが、

近年では「じゅうふく」でも通じる・・・ということになっているが、

ちょうふくと読まない人を見ると、どうしても「は?????」という反応が出てしまう。

 

普通に(受験社会ないしまっとうな教育環境内で)生きてたら、

どうあがいても「ちょうふく」としか読まないからな。

 

まあ、それはいい。

 

この言葉の問題は用法、意味のほうなんだ。

 

 

 

まあ一番よく使うのはゲームだろうからゲームの話をするんだが、

自分の攻撃力が100あるとして、

攻撃力+50のアイテムと、攻撃力+50%の魔法と、攻撃力×1.5のスキルがあるとして。

 

そもそもここで問題が起こる。

+50%ってのは、50%加算するのか、現在の値を1.5倍するのかってこと。

それも基礎値(100)に50%を加算するのか、あれこれ補正した最後に50%加算するのか。

 

まあここではアイテムが基礎値に加算→魔法とスキルが同じ優先順位だとしよう。

で、魔法かスキルかには関係なく、

「+X%」は「先に加算」、「×Y%」は「最後に乗算」だとしよう。

 

つまりまず100+50で攻撃力150になり、

そこへ150の50%(75)を加算するので225になり、

最後に225×1.5で、攻撃力は337.5ということになる。

 

・・・・・・・・この場合、効果は重複している=複数の効果が重なっている。

 

んだけど、なんか違う使い方してる人がいるんだよな。

 

重複ってのは複数が重なってるって意味だから、

重複する=重ね掛けができるってこと。

ドラクエでいうとスクルトは重ね掛けができるから、効果が重複する。

 

SFC版DQ3の効果だと元の守備力の50%を加算し、上限1023まで効果が重複可能だ。

つまり重ね掛けを繰り返せば最大で255ダメージ軽減できる、ということ。

 

で、これがもし「重複しない」のなら、

一度スクルトを唱えて元の守備力に+50%したら、もうオシマイだ。

 

なんだけど、

ここで「重複する」の意味を、

「重なってしまうので意味がない」という使い方で喋ってる人がいるんだよな。

 

だから「スクルトの効果は最大1023まで重複する」といったら、

「え?スクルトって重ね掛けできるでしょ?」と聞き返してくる。

 

ここで先述の例に戻るのだが、

アイテムで+50、魔法で+50%、スキルで×1.5だとして、

「アイテムの効果」と「特殊能力の効果」が1つずつしかない場合を考える。

 

アイテムの+50はそのまま乗るが、

魔法とスキルはどちらも特殊能力だから片方しか意味がない。

なので+50してから+50%して225までしか上がらない。

 

しかも「効果が大きいほうが優先される」と、

「後から効果を発揮したほうが優先される」とでは全く意味が違う。

まあ、この場合は数値としては同じだけどね。

 

もし魔法が+100%、スキルが×1.5、かつ「後が優先」だったら、

スキル→魔法だと225→300になって有益だけど、

魔法→スキルだと300→225で損をする。

 

「効果の大きさで決まる」だったら魔法の+100%が常に優先される。

 

この場合、「効果は重複した」とは言わないはずなんだよな。

片方しか出てないのだから、複数が重なってるわけじゃない。

 

だから「効果が上書きされた」とは言う。

 

「効果量がデカいほう」「に」上書きされる

 

でもこういった、

「重なった場合ひとつを除き他が消える」場合を、

「重複するから消える」って表現する人がいる。

 

「重複してないから消える」んですけど・・・

 

それは「上書き」。

 

 

 

 

 

赤い折り紙に白い絵の具を塗ると白い紙になる。

これは上書き。

 

赤い絵の具を塗ったばかりの白い紙に白い絵の具を塗るとピンクの紙になる。

これは重複。

 

 

 

 

スマホで予約したのと電話で予約したのとが重なってしまった。

これは重複。

 

スマホで予約したのを忘れて電話で予約しようとしたので被り、予約済みだと言われた。

これは上書きの防止。

 

予定変更があって、先にスマホで予約した内容を変更して、

後から伝えた電話の予約内容を優先してもらった。

これは上書き。

 

 

 

 

室温が低い場所に置いておくと保冷効果がある。

 

そこから一度冷蔵庫に移すとさらに冷える。

これは冷却効果の重複であり、上書きでもある。

 

逆に室温が高い場所で持っていくと、保冷効果がなくなりぬるくなる。

これは冷却効果とは普通言わないし、温度という点では上書きになる。

 

でも「冷やしたい」という話をしているのだから、

ぬるくなってしまう場合は「上書き」とは言わないし、

その場合、温度変化が重複するとは言わない。

 

なぜなら最終的に温度は1つになるからな。

冷却したいならより大きく冷却する方向にのみ重複するし、

加熱したいならより大きく加熱する方向にのみ重複する。

 

 

 

 

 

・・・・・・いやだって、高校で「重複順列」ってやったじゃん?

 

被ってもいいよ=重複を許可する

 

重複って言葉自体にマイナスイメージ(無駄である)って意味はないわけじゃん?

 

同じファイル名をつけるわけにはいかないから、

「重複が無効」になって「上書きを確認」されるわけじゃん?

 

「兜と鎧と盾による防御力の加算」は「重複する」。

 

重複しなかったら困るよな。

 

でもここを「兜と鎧と盾による防御力の加算」は「重複しない」って表現する人がいる。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

重複=無駄になるという場合と、

重複=複数有効であるという場合と・・・・

 

 

 

 

 

まあ、考えるだけ無駄だとは思うけどね。

 

どれか一つしか許されない場合は重複せず上書きが必要になる。

 

複数個同時に存在できる場合は重複するし上書きはされない。