エグゼクティブクラスの方はとにかく多忙です。私の上司も多くの仕事をこなし、全国を飛び回っています。今日も台風が近づく中、関西に移動して行きました。出張も多く、体調管理は気がかりなところです。上司は秘書である私について、「自分の身体を気遣ってくれて助かる」と言ってくれますが、私から見ると、「気遣っている」というよりは「共感している」という言葉が近い気がします。

 

夜遅くに出張先から帰宅し、翌朝も早くから次の移動。移動中は原稿執筆などこなして、到着したらすぐに講演やお客さま訪問等々。もし自分だったらと考えると、「身体がつらいなあ」「元気が出ないなあ」「ここは休みたいなあ」「できれば前日入りしたいなあ」と思うスケジュールがたくさんあるのです。この「自分だったら」は重要なキーワードです。

 

自分に置き換えてみると、つらいかもしれない、難しいかもしれない、と思うスケジュールは、それを回避したり緩和したりする手段を講じておこうと配慮することができます。早朝移動を伴いそうなスケジュールに関しては、前日から移動できるよう、前日午後のスケジュールを空けておく、ホテルを押さえておくなどの対策が取れます。原稿の締切日までに執筆できる時間が取れるよう、急ぎでないスケジュールは後に入れておくことも考えられます。

 

荒天や台風などの天候状況にも対応できるよう、天気予報を睨みながら、プランB、プランCを用意しておくこともあります。もし飛行機が飛ばなかったら、路線を変更して対応可能なのか、新幹線なら移動可能なのか。宿泊して、翌日移動しても間に合うのか。今日も新幹線が止まった時の対応方法を打ち合わせて、上司を見送りました。

 

講演や研修に行く際にも、「自分がそこに行く立場だったら」という観点で見直すと、用意すべきこと、上司に伝えるべきポイントが見えてきます。例えば行き先も○○ビル何階、○○ホテルだけではなく、到着したらどこへ行くのか、誰を訪ねるのか。担当者と行き違いがあった場合は、どこに連絡すればよいのか。次の移動の時間や移動手段等、自分だったらその場で困るであろうことを、予め用意してあれば、上司を困らせることもありません。「気がきく」とは、自分に置き換えて想像することから生まれてくるのでしょう。

 

「共感」は相手を理解し、思いやるための重要なスキルです。共感力が高いからこそ、相手の気持ちを敏感に感じ取り、相手が求めていることを、言われずして察することができます。一方で相手もまた、自分とは違う別な人間であり、感じ方もそれぞれです。「私だったら」を活かして想像することはできても、それが絶対ではないことを肝に銘じておかなければなりません。決めつけは禁物なのです。