著者:村上龍

出版社:講談社

個人的評価:★★☆☆☆

感想:

まったく良さがわからなかった。
つまらなくはないですが…。

そもそも芥川竜之介の素晴らしさがわからないから、芥川賞作家の良さも私にはわからないのでしょうか。

それとこれとは違うか。

以前「ノルウェーの森」という本が大ベストセラーになったとき、興味を持って読んでみたのですが、そのとき持った感想と似ているかもしれない。

世の中ではこーゆー本が支持されているのかぁ、ベストセラーってつまらんなぁ。

みたいな感じで。



小説の場合は「わかりやすさ」=「良さ」じゃないとは思うけれど、ドラッグとか乱交とか暴力とか死とか、色々と詰め込まれている割には刺激が少ないなぁというか。

あまり情緒的だと思った描写もなかったしなぁ。

この頃はこういうテーマの小説って少なかったんですかね。

だから話題になったというのもあるのかな。



とりあえず似たようなテーマ(?)なら、花村萬月の「ぢん・ぢん・ぢん」のほうが百倍おもしろかったです、私は。

登場人物の魅力、惹き付けるパワー、抽象的な描写、狂気への共感、性的興奮。

判定だったら、10対0で花村さんですな。
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)/村上 龍


著者:オリヴァー・サックス


出版社:ハヤカワ文庫


概要:

すべてが白黒に見える全色盲に陥った画家、激しいチックを起こすトゥレット症候群の外科医、「わたしは火星の人類学者のようだ」と漏らす自閉症の動物学者…脳神経科医サックスは、患者たちが抱える脳の病を単なる障害としては見ない。それらは揺るぎないアイデンティティと類まれな創造力の源なのだ。往診=交流を通じて、不可思議な人生を歩む彼らの姿を描か出し、人間存在の可能性を謳った驚きと感動の医学エッセイ。

(Amazonより抜粋)


個人的評価:★★★★★


感想:

いやぁ、おんもしろいです。

久々の大ヒットだったのですが、ずっとレビュー書くのを忘れていました…。


「レナードの朝」の著者であるオリヴァー・サックス(脳神経外科医)のエッセイであります。

同映画が好きな方なら問答無用で見るべきでしょうし、脳のお話に興味のある方も読んで損はなし。

自信を持ってオススメします。




こういう書物を読むと、いつも思い出す言葉が「事実は小説より奇なり」。

イチバン不思議でイチバン謎めいていてイチバン奇怪なものは、この世の中であるんだなぁと。

ここに描かれている世界は、決してつくりものではない。


すごく色んなことを感じたり学んだりした作品なのですが、感想を書くことがなかなか難しいです。

なんというか、この感情を表現するのは極めて困難。

「おもしろい」とか「興味深い」「考えさせられる」など、どうしてもありきたりな言葉しか浮かびません。




作品自体の感想ではなくなりますが、いつも思うのは、「自閉症」という病名はいつになったら正しく認識できる病名に変わるのだろうということ。

誤解を与えすぎる。

まぁ、ここで私なんかがほざいていても仕方のないことですが…。


私個人の意見としては、「レナードの朝」にしてもそうだけれども、学校の授業なんかで子供たちに見せるべき作品なんじゃないのかなぁと。

この書籍は、高校生の夏休みの読書感想文の宿題にするとかさ。

小説もいいし福祉の話もいいかもしれないけれど、事実のみを知ってそこから自分で思考を広げることも大事だと思うのです。


それをしないから、ネットで検索して出てきた記事を、自分で何も調べもせず鵜呑みにするようなアホが増えてるこんな世の中になっているのではないでしょうか。


火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)/オリヴァー サックス

出演:ラーメンズ、アルファルファ、オークラ

個人的評価:
★★★★☆

感想:

2000年に惜しまれつつ解散された、史上最悪のアイドルユニット(自称)チョコレイトハンターの解散ライブ。

このライブはDVD化されておらず、コアなファンが多いラーメンズファンの間では、お宝映像になっているそうです。

ちなみにアルファルファに角田氏が加わって現「東京03」なわけでして、オークラ氏は元芸人で、今は構成作家です。
オークラ氏はバナナマンの全ての単独ライブに携わっており、そのハイクオリティな映像やセンスには興味津々だったので、初めて拝めて嬉しかったです。



舞台や映像に凝った演出も見所の一つということで、途中ミュージカル調になったり、ダンスがあったりと、個人的には興味深く楽しめました。

欲を言えば、もっとその部分を全面に出して欲しかったなぁと。
「笑い」の要素が少なくなったとしても、エンターテイメントの一環として充分楽しめたと思うからです。

まぁ小林賢太郎さんは舞台をやったりもしてるので、私は拝見したことがないのですが、それは別枠でやってるのかもしれませんが…。

しかしコバケンは、ある意味完璧ですな。
脚本から映像から演技から何から、全部できちゃうんだからスゴイです。

常識人でも凶器じみた人でも、どっちも完璧に演じられる役者さんって尊敬しちゃいますね。



そして、絶対に外せないキャラ「半平太」を演じたアルファルファの飯塚氏。

あそこまでアホキャラを完璧に演じる役者さんを見たのは、バナナマン設楽さん以来でした。
アドリブも最高で、飯塚氏の魅力満載な作品になっている気がします。



オークラ氏は、あのダラダラ感と憎めないキャラ的なところに好感が持てました。

この人があんなシュールなネタを書いたり、あんな素晴らしいセンスの映像を撮るなんて、なんだか信じられない…。
そのギャップに感動しました。



というわけで、商品化はされていませんが印象深いライブを見たので、勝手にレビューを書かせていただきました。

なんか、この作品は後からジワジワきますね。
見終わった瞬間はそこまで思わなかったはずなのに、後から思い出してもう一度見たくなる。

映画でも小説でも、良くも悪くもどれだけ記憶に残るかが大事だと私は思うので、個人的には好きな感じです。

コバケンの「かんじった」が、超かわいかったです。

著者:村瀬明道尼

出版社:文芸春秋

概要:九歳で親元を離れて仏門に入る。
三十三歳で味わった禁断の恋。
不慮の事故で瀕死の重傷を追い、右半身不随となるも、残る左手で作る手料理で
「精進料理の明道尼」の名を得るまでに。
(表紙帯より引用)

感想:

買って良かったと思える本でした。
時間が経てば、きっとまた読み返したくなるでしょう。

仏教にも尼にも興味がない私が、村瀬明道尼を知ったきっかけは、とあるテレビ番組でした。
それも見たくて見たわけではなく、ただ何となくつけていたテレビ番組をたまたま見て、画面の中にいた彼女の人柄にひかれていったという感じです。

私は高野山の胡麻豆腐が大好きで、初めてそれを口にしたときは「これが豆腐?」と、驚きと感動を覚えました。
明道尼は毎日早朝から胡麻豆腐を手づくり、しかも事故で不随になった右半身は動かないので、左手のみで作っています。
その胡麻豆腐は「天下一」と称賛され、有名料亭の料理人が師匠と仰ぐほど。
ちょうど精進料理にも興味を持っていたときだったのですが、それ以上に明道尼の料理に対する心意気が素晴らしく、私はテレビに釘付けになりました。


人から愛されるお坊さんや尼さんの特徴として、宗教や性差を超越した人格の素晴らしさが挙げられると思います。
その宗教や思想よりも、その人自身が魅力に溢れ、人間性に惹かれていく人が多いのではないでしょうか。

明道尼は、言うなれば「不良尼」です。
ステーキも食べるし、チキンも食べるし、お酒も飲む。
しかも年齢は今82歳です。
そんな破天荒さを持ちながら、天下一の胡麻豆腐を作るのだから、呆気に取られてしまいます。
でも、料理一つを例に挙げても、明道尼の最大の魅力がここにあるのです。


物語は戦時中から始まるのですが、私のような平和ボケ世代にはイマイチ想像しきれない部分も確かにあります。
でも、知ることは大事なことです。
その壮絶さや悲惨さは、体験した人にしかわからないでしょうけれど…。
少なくとも、知ろうとする努力はするべきじゃないかと思うので。

野生児みたいな子供だった彼女は、本当に純粋でひたむきで正直でした。
ご自分では謙遜されていますが、やはり様々な面において優秀な人であったことに変わりはないと思います。
その証拠に、料理、書道、裁縫においてすべてプロ顔負けの才能をお持ちです。

そんな彼女がご法度とされている「恋愛」という罪を犯してしまうのですが、こんなにも純粋に誰かを思うことがなぜ罪なのか?と思わずにはいられませんでした。
でも、それが仏門に入るという意味なのです。
何を言っても、すべてが言い訳になってしまいます。
それくらい厳しい世界なのです。


そして彼女の人生最大にして、最悪の出来事。
交通事故で生死の境をさ迷った末に、右半身不随という後遺症が残ります。

半身不随、しかも右手が使えないという致命傷を負いながらも、彼女は負けません。
何十年もかけて取得した、料理・裁縫・書道、すべてがゼロに戻りました。
新たなスタートをきり、新たな発見や感動に出会い、人生の再スタートをはかるのでした。



この本には、思わず赤線を引きたくなるような、ノートに書き写していつまでも覚えておきたくなるような、そんな言葉がたくさんあります。

読んで良かった一冊でした。


村瀬 明道尼
ほんまもんでいきなはれ

出演:バナナマン


概要:人気お笑いコンビ・バナナマンが2004年8月に行った単独ライブの模様を収録。

「お笑い界の革命児的存在」と評判の彼らが、現実と非現実の挾間をシュールな着想と堅実な演技力で、独特の舞台を演出する。(アマゾンより引用)


個人的評価:★★★★★


感想:

確か、初めて買ったバナナマンの単独ライブのDVDがコレでした。

見終わったときにはもう、笑いを越えて感動すら覚えていました。

こんなコント、見たことない。

こんなお笑い、初めて知った。

そんな感動。

まさに「お笑い界の革命児的存在」という形容がぴったりです。


最初のコント「タダシ」は、大爆笑という感じではありません。

むしろちょっとスローテンポというか、人によっては入り込みにくいかも。

でも、なんか見ちゃいます。

続きが気になります。


そこから先はもうノンストップ。

バナナマン単独の特徴とも言うべくスロースターターな感じが、魅力の一つだと私は思います。

作品の一つ一つが、それぞれ全部素晴らしい。

完璧としか言い様がない。

これ以上どこをどうイジることもできない、というか…まさに完璧なのです。


彼らのスゴイとことろは、やっぱりあの中毒性。

一度見たものを、また見たくなる。

何度も見たはずなのに、また見たくなる。

もう暗記しちゃってるくらいなのに、また見たくなる。

そして、見るたびに笑える。

笑った後は、なんとも言えない幸福感に包まれます。

これこそがお笑いの価値だと私は思います。


中でも、最後のプーケットのネタは秀逸。

もう何を取ってもただただ感心するだけのクオリティーの高さ。

ちょっと鳥肌が立ちます。


バナナマンに出会えて良かったなぁ。

知らなければ、人生の23%くらい損をした。


テレビでしか彼らを知らない方は、ライブを見たら目からウロコですよ。


ユニバーサルミュージック
bananaman live Elephant pure