毎年必ず「桜の開花予想」が発表されますが、そもそも「桜」って、どれだけの種類があるのか、皆さんはご存知でしょうか?。
今回様々な資料から、調べてみました。
〜基本野生種〜
実は日本には、なんと600種類以上もあるとされており、分類方法の違いもあり、正確には数えられないそうです。
これだけの種類がある桜も、元を辿ると11種類の「基本野生種」から生まれています。以下、記載します。
・ヤマザクラ(山桜)
・オオヤマザクラ(大山桜)
・カスミザクラ(霞桜)
・オオシマザクラ(大島桜)
・エドヒガン(江戸彼岸)
・チョウジザクラ(丁字桜)
・マメザクラ(豆桜)
・タカネザクラ(高嶺桜)
・ミヤマザクラ(深山桜)
・クマノザクラ(熊野桜)
・カンヒザクラ(寒緋桜)
桜は突然変異しやすく、挿し木などで新種を作りやすく、また野生でもしばしば交配が起こります。
尚、下の写真は年に50種類の桜が咲く京都の平野神社です(真ん中は菜の花)。
〜『ソメイヨシノ』と『染井吉野』の違い〜
上の11種類の基本野生種のうち、「エドヒガン(下の写真上側)」と「オオシマザクラ(下の写真下側」を掛け合わせた"雑種全般"を「ソメイヨシノ」といい、この中の1つが全国に広がった「染井吉野」なんだそうです。
全国の「染井吉野」は全て同じ遺伝子を持っています。すなわち"クローン"なのです。「桜の開花予想」が可能なのは、このためです。
「ソメイヨシノ」の始まりは、江戸時代末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋が「吉野桜」として売り出したと伝えられています。
1900年に植物学者の藤野寄命(ヨリナガ)により、「染井吉野」と名付けられました。この「染井吉野」は地域限定ではなく、全国幅広い環境で生きられる「強さ」と「美しさ」を持っていたのでした。
〜お花見の始まり〜
古くは平安時代の貴族が桜を見ながら歌を詠んだり、蹴鞠(けまり)をした行事が始まりでした。その後、農民の間でその年の豊作を願って宴会をするようになりました。
江戸時代の1660年代になって、庶民もお花見を楽しみ始めました。当時は、神社の境内に咲く桜の鑑賞でしたが、八代将軍吉宗が、飛鳥山(後々、渋沢栄一が邸宅を建てた場所)や隅田川堤(現在の東京スカイツリーがよく見える場所)、小金井堤などに数千本の桜を植えてお花見を推奨し、庶民にもお花見が定着しました。
〜600℃の法則〜
東京都の「染井吉野」に関しては、『600℃の法則』というものがあります。秋から冬の休眠から目覚めて、2月1日の「休眠打破」以降の日中の最高気温の合計が600℃に達すると、開花するのです。
過去の開花日を検証すると、合計600℃になった日から長くても3日前後の誤差しかありません。東京都に関してのみ検証されていますが、全国の染井吉野が同じ遺伝子である以上、おそらく全国にも『600℃の法則』が当てはまるのかもしれません。
2024年は1月から例年以上に暖かく、かなり開花の早かった2023年よりさらに早くなりそうでしたが、ここに来て冬の寒さに戻り、結局開花予想は例年より少し早い程度になりそうです(追記、その後も気温の上昇がなく、平年より開花が遅くなりそうです)。
〜開花宣言の目安〜
東京都の場合は、靖国神社にある「桜の標本木」が有名です。気象庁は染井吉野の開花を5〜6輪以上咲いた状態を「開花」と定めており、この時期になると、東京管区気象台の職員が靖国神社に赴き、花の咲き具合を確認します。
ちなみに染井吉野の寿命は平均60年とされており、現在の靖国神社の標本木は観測が始まってから50年は経っており、おそらく寿命に近いと思われます。ただし、小まめな手入れによって寿命を延ばす事は可能のようで、青森県の弘前城の染井吉野は100歳にもなるとされています。
さて、いよいよ2024年の染井吉野が開花しますね。
皆さんは、どちらへ花見に訪れるでしょうか?。私も色々と出かけて、直接見に行けない人へも画像をお届けしますね🌸