あなたは世田谷公園の密集でどれだけの人が感染すると思いますか? | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。

下の写真をご覧ください。

ネットで度々使用されている世田谷公園の休日の写真です。ただしベンチとベンチの間隔が狭そうで、例によってメディアの望遠レンズを使った印象操作もあるかもしれません。

 

仮にこれが望遠レンズを使わないで事実だとします。皆さまはこの写真を見て、どう思われますか?

おそらく95%くらいの人が、『うわ~、怖い、こんな所にいたらコロナに感染してしまう。』などと思った事でしょう。

 

 

落ち着いてください、決して怖くはありません。

この中で新型コロナに感染する人は、おそらく1人もおりません!!

 

仮にこの空間で感染したとしたら、何か特殊事情があるか、感染に対する抵抗力が元々落ちていたと考えられます。

ではなぜ、そのように断言できるのか?

 

ここで、コロナ感染の基本に戻ります。

 

 

上の画像は、もはや誰もが見た事があると思います。

 

皆さんは、「三密」の条件をすべて避けなければいけないと思っておりませんか?

それは大きな間違いです。「三密」の内1つでも条件を減らすだけで、感染のリスクは大幅に減少します。

 

ちなみに、あなたの職場のオフィスは「三密」になっていませんか?

そもそも今までのニュースで、一般の「オフィス内クラスター感染」のニュースはなかったはずです。

 

仮に「三密」になっていても、「三密」の中で最も警戒しなければならない「密閉」に対し、換気を十分に行なうだけでも感染のリスクは減ります。

あなたのオフィスにも、コロナと診断されなかった症状の軽かった人がいたかもしれません。窓を開けられない冬シーズン、皆さんのオフィスでクラスターが発生しなかったのは、エアコンなどによる十分な換気があったからと思われます。

ちなみに感染者の8割が他人に感染させていません。

 

 

そして、公園内の開放空間は「密閉」にはなっていません。それどころか太陽という大きな武器があります。

私もブログで何度も書いてきましたが、新型コロナとインフルエンザは紫外線と湿気に弱いのです。

 

ようやく大きな記事が出てこちらに添付しましたが、紫外線があるだけでウイルスは急速に死滅します。

⇒ 『新型コロナウイルス、太陽光で急速に不活性化 米研究

 

 

新型コロナの感染経路として最も多いのが「接触感染」、具体的には咳やクシャミを手で隠し、ウイルスが付いたその手でトイレのドアノブや洗面所の蛇口を触る事で、次の人に感染していくのです。それ故、咳エチケットが大切なのです。

 

また「接触感染」より感染頻度が落ちる「飛沫感染」は、少しでも飛沫によるウイルスをもらっただけで感染するわけではありません。ある程度まとまったウイルス量が必要になるのです。

最近、『濃厚接触』の定義が変更されましたが(下1枚目の画像)、ある程度まとまったウイルス量が感染に必要であるから『濃厚接触』という概念があるのです。この「まとまったウイルス量」は個人差があります。普段から病気に抵抗するための身体作りが必要になります。

 

尚、公園のように太陽の光が当たっている所では、仮に感染していた子供が遊具やベンチにウイルスを付けたとしても、ランニングしている人が飛沫をばらまいていたとしても、紫外線がすぐに死滅させてくれます。

ランニングしている人もマスクを付けた方が無難ではありますが、そこは重要なポイントではありません。また子供はマスクの装着が上手ではないので、感染者以外はマスクをしない方がいいと考えます。尚、子供は他人に感染する確率は高齢者に比べて大幅に低いです。

 

ちなみに「空気感染」は医療行為という特殊事情以外では、滅多に発生しません。紫外線により「飛沫(飛沫感染)」の水分が蒸発し「飛沫核(空気感染)」になると(下2枚目の画像)、感染力を急激に失います。

 

皆さまがもし不安になったら基本にお戻り下さい。

健康知識があるだけでは健康になれるとは限りませんが、コロナの正しい予備知識があれば、大幅に感染する確率は減ると思います。基本は外出先での小まめな手洗いです。

 

 

そもそも、皆さんはコロナの情報をどこから取り入れていますか?

テレビやメジャーなサイトあるいはSNS上の過激な発信を鵜呑みにしていませんか?。だから、必要以上に恐れてしまいメンタルまでおかしくなり、口撃しやすいところにコロナネット警察団の一員として同調圧力をかけてしまうのです。そして気づいたら、感染対策の基本を忘れてしまうのです。

 

これまでも何度も書いてきましたが、それらは一切鵜呑みにすべきではありません。感染症専門医や免疫学専門医の発信を参考にすべきです。

 

小池都知事の会見もどんどん自粛を強めていますが、彼女は感染の可能性が低い事でも、立場上「自粛」と言わなければならないのです。

彼女が仮に公園は紫外線が当たるから感染しないなどと言おうものなら、今より更に公園は密集して、「stay home」が成り立たなくなるわけですから。

 

 

最後に・・・

あなたのお子さんあるいはお孫さんは、2月から今までずっと自宅で我慢してきましたか?・・無理ですよね。

ですので、私個人としては近所の公園くらいは自粛を緩めてもいいと思います。100%の自粛なんて、子供はもちろん大人だって絶対に無理です。

 

ただし、現段階では公園の利用はあくまで近所の人だけにしてもらい、紫外線がある開放空間は安全だからと言って、遠くからはるばる公園やパワスポなどに移動するのだけは見合わせて頂きたいです。

遠くに行くという事は、「ついで」が出てきます。「ついで」の場所で感染者が発生するかもしれません。ただし、こちらも段階的に自粛を緩めていくべきだと思いますが。

 

また、あなた自身が自粛を厳密に守っているとしても、我慢の閾値は人によって大幅に違います。レールを外した人に対するお怒りはごもっともだと思いますが、コロナネット警察団と共に口撃しないで、せめて独り言だけに留めてほしいと思います。

少しでもレールを外した人に対し同調圧力をかけても、限界のある人を抑え込むのは無理ですし、限界を超えた人がDVや最悪犯罪を犯す人まで出てくる可能性もあります。現実にDVに関する電話相談も多くなっているようです。

 

あなたたちが粛々と我慢してくれるだけでも、欧米と違って日本人の死亡率が低い事に貢献しているのかもしれません。尚、今後はコロナと闘いながら経済を回す事も考える必要があります。

 

最後の最後にもう一度書きます。

不安になったら基本にお戻り下さい。三密を1つだけでも減らす事と小まめに手洗いをするだけで、大幅に感染リスクを減らす事が可能です。

 

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