学校などで講演していて、最後の「質問タイム」で
たまに聞かれる質問。
『冒険・旅をしていて「危ないめ」にあったことありますか?』
基本的に「危ないめ」に遭わない行動をしているつもりですが、
思い返すと、いくつかあります!
この写真はネパールでヒマラヤ山脈を
1週間ほどトレッキングした時に撮ったものです。
一緒に写っているのは
『反政府勢力のマオリスト』と呼ばれる人達です。
ネパール内戦は「政府軍」と「反政府勢力のマオリスト」の間で
約11年間、繰り広げられました。
私が「反政府勢力のマオリスト」と出会ったのは
ヒマラヤトレッキングを開始した初日のことです。
人や、荷物を運ぶロバがやっと通行できる狭い道に
突然、現れた関所のような場所。
ゆっくり近づくと、
「ライフル銃」が立てかけてあるではないですか!」
さすがにちょっとビビりましたが、冷静なふりをしました。
マオリスト、「何日間、山に入るんだ?」
私、「7日~8日だよ。」
マオリスト、「だったらここで8ドル払え」
私、「なんでだ、いやだ!」
マオリスト、「払わないと、駄目だ。」
しばらく、このやり取りをしたのですが、
「反政府勢力のマオリスト」の意思は固く、
何度拒否しても、、
「払わないと、駄目だ。」の一点張り。
「反政府勢力のマオリスト」はライフル銃を持っているので
相手を刺激しないように交渉を続けましたが、私の負け。
結果的にお金を払いました。
「たったの8ドル(1000円前後)払えよ。」
と思うかもしれませんが、
私が、ネパールを訪れたのは、
オーストラリア一周ツーリングを終え、アジアを放浪(合計1年半)した
最後の国でお金がありませんでした。
しかも8ドルあると、宿代(100円)、食事代(1食100円)を合わせて
2日間の生活費に相当します。
当時の私にとって大きなお金だったのです。
「8ドル払え」、「払わない」のやり取り(コミュニケーション)の中で、
心を許してくれた「反政府勢力のマオリスト」は
最後に写真撮影を快く引き受けてくれたのが、
印象的でした。
この写真をネパール人に見せたところ、皆ビックリ。
『よく、写真撮ってくれたな~』と!!
※本物の「反政府勢力のマオリスト」は外国人に対して、
必要以上の危害を加えることは無かったようです。
理由は、観光業が「外貨獲得」の手段なので、
外国人観光客を大切にします。
しかし、「反政府勢力のマオリスト」の偽物が存在し、
持ち物、全てを取られる外国人もいたという話を聞きました。
そのような集団は、だだの「山賊」ですね。
色んな背景があるのでしょうけど・・・