地平線まで果てしなくまっすぐに伸びるアスファルトロード。
左右には見渡す限りカラカラに乾いた砂漠。
体を切り裂いていく風。
心地の良いエンジン音。
そして自分の意志通りに転がり続けるタイヤ。
今まさに、その全てが、私の人生のストーリーを描いていた。
人とのコミュニケーションがほぼなくなってから既に数日の時が過ぎた。
人間、一定の極限を迎えると
人が恋しくなると知ったのもこの旅のおかげだ。
そうなると若さが有り余っていたあの頃の私の頭の中は、
ドンドンとピンク色に染まってイクより他無かった。
不意に次の段階が訪れ、
今まで何とも感じなかったエンジンの振動までもが
ピンク色と化してきた。
いよいよ股間が疼いてきて私は迷わずバイクを停めた。
日本の遥か南の地上に立ち、絶景が織り成し、
この世の神秘が凝縮している天国のような景色の一方で、
煮え滾る大地の釜と、一面がカラカラに乾いた飢餓状態の土に
地獄を思わせる怖さを感じる光景。
その雄大さと恐怖を全身で感じつつ、
『ここに俺は生きている。』
存在意義を示すかのように、
地球に抱かれながら俺は大地に射精した。
人類史上最大級の開放感ある自慰行為を味わった私は、
水分を欲するあまり勢い良く精液に群がっていく蟻達に驚愕しながらも、
しばらくそれを眺めていた。
20代前半、
オーストラリア大陸をバイクで一周する旅に出た時の
旅の思い出の一つだ。
はじめに断っておくが、この物語は決してエロい物語では無い。
つづく
『ヒサオ先生ストーリー』オーストラリア編 第2話 を読む
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