タイトルから懐かしの名作劇場のイメージがありましたが、滝沢馬琴の物語です。
滝沢馬琴が士分であったことは知っていたのですが、そこにこだわりを抱き続けていたことは知りませんでした。
通常ならば三男坊。どこぞへ養子の口に出る立場から、生計を得るために町人になるのもやむなしと思うものもいたと思うのですが…。
馬琴の妻が悪妻なのも知っていましたが、最初は義母の方が曲者でした。
口述筆記に至るまでな、涙ぐましい「南総里見八犬伝」にかける意気込み。
そして心の慰めが庭仕事。
時代が大きく動いて、「大塩平八郎の乱」まで出てきます。
それでも書いて書いてという馬琴の姿勢が、あの作品を生み出したのだなぁと、また読んでみたくなりました。