ゴールド・ボーイ | 図書館司書の読書日記

図書館司書の読書日記

こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 スクリーンに「黄金少年」とタイトルが出た時には、クラシックな感じがしましたが、舞台の沖縄の様子がひと時代前のようで…。

 岡田将生さんの知的で見た目もいいのに底意地の悪い感じが、役柄にぴったりハマっています。

 岡田将生さんがおじさんと呼ばれてしまう本作ですが、破滅型のストーリー。

 それでも彼は所詮2番手のシルバーボーイ。

 ゴールドボーイは嫌味なまでの礼儀正しさを見せる13歳の中学2年生。

 北村一輝と黒木華を親に持つ彼はサイコパス的賢しらさで大人を翻弄します。

 親に恵まれない少年少女の鬱屈とした夏休みの出来事と、島特有の血縁姻戚関係の濃さ。

 警察ですらコネに配慮して真実の公表を控える始末。

 抜け出したいと足掻いた先が破滅なら救いがないと思えてしまう。

 持たざる者が何かを得ようとすることは悪いことではないけれど、なんとも後味が悪いです。

 棚ぼたで事件が解決されそうですが、主人公がこだわった13歳という年齢の壁がどうなるのかは描かれずに終わります。
 エンドロールの後に「ゴールド・ボーイ2」と出て⁈と思いましたが、「2」が「?」に変わったように見えたのでどうなるのでしょうか…。