猫弁と鉄の女:大山淳子 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 猫弁さんは母親と別れて養護施設で育ちました。

 元々少し変わった子どもだったようで、親のいないさみしさを超越していたみたいです。

 普通の親子、普通の家族のことはわからないけれど、持ち前の頭脳明晰さで埋め合わせようとしています。

 そんな猫弁の母親は実は国際スパイ。

 現在は金沢の刑務所に収監されているそうです。

 結婚を約束している女性と面会に行こうと計画する度に熱を出してしまう猫弁。

 生育歴から母親に会うことがストレスになっているのかと思いきや、結婚を約束した女性とのお出かけがワクワク過ぎて発熱していたことが判明。

 そんな少しズレた猫弁が、花粉症撲滅を公約に掲げる二世議員の顧問弁護士に。

 花粉症の大元と考えられる杉林を一斉伐採するために行動する議員と、杉林を守る謎の木こり。

 いろんなことが繋がっていることを理解すると無駄なことは何もないと気づくことができる。

 それには回り道が必要だし、一生懸命なひたむきさが心を打つ作品です。