悪の五輪:月村了衛 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 戦後の復興を象徴するように開かれた東京オリンピック。

 戦争の悲惨さを記憶する人々が、ある意味前向きに生きていく指針にもなった大会といえるのかも。

 その大会の舞台裏にあったこと。

 「オリンピック記録映画」があることは知っていましたが、その背景について書かれたこの作品は、あの時代の熱を感じさせます。

 フィクションですから、実在の人ばかりではないのですけど、戦後のフィクサーや、大物映画監督、当時は駆け出しの俳優。六本木野獣会も出てきます。

 綺麗事ばかりでは済まないことを、知ってしまってからも、それでも今回のオリンピックよりは純粋にその開催を望んだ人々の希望を感じました。