七夕 天の川物語 11 | 長澤まさみ 七夕 天の川物語 

七夕 天の川物語 11



「ここに置いていきます」「はい ありがとう竹」竹と松が田の氏が持ってきた米俵を

台所に運んだ

田の氏は、門の氏と同様、町の商人、米屋を営む者である ここ陸前国は、全国でも

有名な米所である 緑がふんだんにあり田畑が、どこまでも続く平野が広がっていた 

土地、そのものが柔らかく田んぼや畑の農耕に非常に適してる環境でもあった


陸前国の左に位置する山形国があるが国の境には、蔵王山脈が連なってある この蔵王

山脈には冬に、途轍もない雪が降り積もる 

そういった冬山の蔵王には豊富な雪が降り積もるが毎年のように記録的な積雪だ そして

冬にはやはり広大な樹氷パノラマ絶景が楽しめるが不思議に一瞬、この世は真っ白い世界

なのかと思わずにはいられない 実際に白い世界に包まれていて、その場に立つと不思議な

感覚に陥る ある意味 幻想的な世界だ それが全くとめどなく素晴しい


時が過ぎ、暖かい季節が到来し 春に向かう頃には、雪は徐々に解け出して行く 山々から

解け出した雪は透き通る水に変わる その冷たい水は沢に流れ天の川に滾滾と流れていく

そして季節は、すっかり春になった頃、桜のつぼみが咲き始める 咲いた桜の花びらは

とても綺麗で美しく人の目を麗せる 春爛漫を迎えると次に田植えが始まり水田を作る

天の川は山の雪解け水をどこまでも枝分かれに広げ陸前の平野にドンドンと水をもたら

して行く 平野全体を隅々水を流し込め浸透させる その頃になると今度はあちこちから

蛙が息を吹き返し鳴き始める 蛙の大合唱である 


農家大家族で田植えが終わると、真夏の太陽の季節を迎える 

稲は、暑い太陽の光線を浴びガンガン成長して行き 田んぼは青々と緑一色に変わる

収穫された米は人の口に入り人々の力と変える それは人々にお利益を持たせる ここの

陸前の地には米は無くてはいけない大事なものだった


その大事な米を販売しながら管理をしていたのが田の氏だった