七夕 天の川物語 14 | 長澤まさみ 七夕 天の川物語 

七夕 天の川物語 14



天様と山様が玄関のよしずをくぐり中に入った 二人が屋敷に入ると台所から女四人が声を

出しながら料理を運んでいた 「帰った」「おかえりなさいましー」全員が土間を通りながら

挨拶した 「おお慌てるな慌てるな ぶつかる ぶつかる」女四人は息がぴったり ぶつかり

そうになると瞬時に左右にどける「息がぴったりじゃのー」織姫が来た 前で止まった

「父上様おかえりなさいまし」「んー 何じゃそれは」御盆の上にあるものを見た「父上様

の好きな物」「好きな物、、、おでんか」「違います!白玉団子ーッ!」「ぁ、、、」

「また負けたのー」「、、、」


天様は一人娘の織姫には弱かった 織姫は幼い頃からこんな感じで最後にはタジタジで

お約束どうりで負けた 織姫も相変わらず父には強かった 思った事は隠さずに何でも言う

天様はそう言う娘を大切に思い 大事に育ててきた 二人は本当に仲の良い親子だった


としが来た「これとし」「はい」「山様のも頼む」「はいざます」台所へ行こうとした「これ

としや」山様が止めた としが台所の前で止まった「はい」「一杯もらえんかのー」「は 

分かりました ご祝儀ざますね 天様 ご一緒におもちしますか」「ん、、、」山様を見た

「じゃわしも一杯もらおうか」「はいざます」



「いただいきまーす」夕食の準備ができて頂いた 茶の間には食卓用の大きなテーブルが

中央に置かれてあった もうそのテーブルの上には美味しそうな料理が並んである 「美味

しそう」「そうだよねー」テーブルの座席には、それぞれ座る人が決まってあった 

奥の中央から天様、山様が並んで座り 左の列に光、典が座る その右の列にとしが座ると 

天様の右の列に織姫が座っていた「お待ちどうさまざます」としが冷酒を持って来た 典が

受け取り光に渡し山様に渡した「おお ありがとう」山様がもう一つ天様に渡した「ん 

ありがとう」