求められる同一労働同一賃金への対応の遵守 | 静岡県三島市の社会保険労務士 ひるみ人事サポート 蛭海直隆

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同一労働同一賃金の対応を求める改正パートタイム・有期雇用労働法が全面施行されて3年が経過しました。施行のタイミングで各種待遇の見直しを実施した企業もあれば、検討が進んでいない企業もあるかと思います。今年度(令和6年度)、労働行政において同一労働同一賃金の遵守徹底を図る動きがあることから、徹底が求められる事項と、企業に求められる対応をとり上げます。

 

1. 地方労働行政運営方針

厚生労働省は毎年、地方労働行政運営方針(以下、「運営方針」という)を策定しており、今年も、令和6年度版が公表されています。この運営方針の中で、同一労働同一賃金の遵守の徹底という方針が掲げられています。

具体的には、労働基準監督署の定期監督の際に、パートタイマー・有期雇用労働者などの待遇の確認を実施し、その結果をふまえて、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が報告徴収または指導監督を行い、是正指導の実効性を高めるとしています。

また、基本給・賞与について、正社員との待遇差があり、その理由の説明が不十分な場合、労働基準監督署から点検要請を集中的に実施するなどして、企業の自主的な取り組みを促すとしています。

今回の方針は、本来であれば都道府県労働局がパートタイム・有期雇用労働法等を扱うところ、労働基準監督署において同一労働同一賃金に関する相談をする労働者も多いことから、労働基準監督署でも対応をすることとして示されたものです。

 

2. 求められる企業の取り組み

同一労働同一賃金への対応が十分にできているかを確認するため、以下の①~③に沿って点検してみましょう。

③で説明ができない場合、待遇の違いが不合理であると判断される可能性があるため、不合理な待遇の違いの改善に向けて取り組みが求められます。なお、待遇差が不合理か否か、説明の方法や内容が適切であるか否かについては、最終的に司法により判断されます。

 

パートタイマー・有期雇用労働者などの処遇改善の取り組みを行う企業を支援するものとして、キャリアアップ助成金が設けられています。この助成金は、中小企業だけでなく大企業も対象とされています。受給のためには取り組み実施日の前日までにキャリアアップ計画の作成・提出が求められます。待遇の見直しと併せて助成金の活用を検討される場合は、助成金の内容についても目を通しておくとよいでしょう。