財務省は、いかにして野田首相を支配掌握したか | 「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!
前回は、財務省をはじめ、官僚一般に見られる仕事観を、植草一秀さんによる『日本の再生』を通じて確認しました。
http://ameblo.jp/hirumemuti/entry-11147032768.html
今回は、「財務省は、いかにして野田首相を支配・掌握したか」という事について、もうすこし掘り下げて、理解を深めてみたいと思います。
まず、つぎに引用する文章を、お読みいただきます。
これは、1974年8月当時、アメリカのCIAが、来たるべき世界食糧会議に向けて、作成した秘密報告の結論部分の文章であります。
「近い将来、穀物不足が深刻化することが予想されるが、こうした状況は、アメリカに、これまで持ったことのない力をもたらす事になるだろう。この力はおそらく、第二次世界大戦直後におけるよりも、大きな政治的・経済的な支配力となるだろう。・・・凶作の年には、アメリカ政府は、食糧を求める多数の者に対して、生殺与奪の力を持つことになり、・・・・貧しい低開発諸国ばかりでなく、大国も、少なくとも部分的には、アメリカからの食糧輸入に依存することになるだろう」
つづいて、1957年にアメリカの上院議員のハーバート・ハンフリー議員による発言であります。
「私は、多くの人々が、食糧のために、我々(アメリカ合衆国)に依存するようになる、という事を聞いた。・・・・私にとっては、すばらしいニュースだった。何故ならば、人は、何かをやろうとすれば、まず食べなければならない。そして、誰かの手が必要で、その人を、自分に依存させようとするならば、食糧で頼らせるのが、一番だからだ」
「他者に対する支配の要領の一つとして、他者を自分に依存させる事がある」という事が、こうした発言から窺(うかが)う事ができます。
今回のテーマ、あるいは、今回のブログで お伝えしたい要諦(ようてい)は、「依存化をもっての他者支配」であります。
財務省による菅直人首相(当時)支配や野田佳彦首相支配には、こうした支配手法が、窺えます。
こうした支配手法は、対人関係や国家間にかぎらず、さまざまな場面で、使われてきました。
たとえば「緑の革命」では、第三世界の農民に対して、先進国のアグリビジネス多国籍企業が、自社の資材商品を購入し続けなければ、農業を続けることが出来ないような「依存支配」状況をもって、第三世界の農民たちを食い物にしてきました――アグリ企業にとっては、半永久的な「販路創出(はんろそうしゅつ――商品の売り先をつくること)」状態を、享受(きょうじゅ)することができます。
TPPに大きく関係している、悪名高き<モンサント>の「遺伝子組み換え作物種子」の、別名「自殺する種子」は、その作物が育つのは、一代かぎりである為に、農家は、作物を生産するには、「モンサント」からの供給に「依存」しなければならなくなります。http://kamawada.com/~mashttp://kamawada.com/~masanori/blog/2010/01/post_1007.html
しかも、その「遺伝子組み換え作物」を育てるには、さらに、そのアグリ多国籍企業が生産している「(生態系を破壊しつくす)除草剤」も買いつづけないと、農業を続けることが出来ない、という地獄が待っています。
むしろ、かつての軍需企業である<デュポン>や、ベトナム戦争で”枯葉剤”をベトナムの戦地に供給した<モンサント>など、アグリ多国籍企業は、そうした「化学・遺伝子工学的な除草剤」を売りたいが為に、その除草剤とセットとなっている「遺伝子組み換え作物」を、開発したといっても、過言ではないでしょう。
(モンサントの悪魔ぶりについての参考ページ)
<30分に1人が自殺:借金と新自由主義改革に苦しむインドの農民たち~>http://democracynow.jp/video/20110511-3
<インド綿花生産者の自殺とモンサントの戦略>
http://oka-jp.seesaa.net/article/179770444.html
以下に、本題テーマの引用文を引用掲載します。
----------------------------------------------------------Electronic Journal (EJ第3175)
「財務官僚に牛耳られている日本」より
http://electronic-journal.seesaa.net/article/233893535.htmlより
「現在の野田政権は、典型的な財務省主導内閣であるといわれています。ある意味において、これほど財務省主導が剥き出しの内閣は今までにはないとさえいわれています。
野田佳彦氏は、財務副大臣のときから一番熱心に財務官僚のレクを聞く優等生であるといわれていた人です。財務相として、菅首相のやり方を見ていて、財務省のいうとおりにやっていれば首相にもなれるし、内閣もうまくやっていけると確信したのです。
震災直後の3月のことです。菅政権当時の官邸では、10兆円を超える復興財源を「日銀の国債引き受け」で賄うことが検討されていたのです。
このとき、財務省のボスである勝栄二郎事務次官は、これには財務相として国会で反対するよう進言し、野田財務相はそれを受けて、3月25日、衆議院財務金融委員会において、自民党・山本幸三議員の質問に対して次のように答弁しているのです。
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日銀の国債引き受けは財政法で禁止されている。したがって、 検討していない。
──野田財務相(当時)
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この答弁を受けた山本幸三議員はさらに次のように質問してきたのです。山本議員は財務官僚OBなのです。ここで野田財務相は大恥をかいたのです。
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山本:日銀が毎年、相当の国債を直接引き受けていることを、ご存知ですか。
野田:直接?あの─、まぁ、日銀のやっていることは金融政策の、その・・・
山本:知っているのですか、知らないのですか。
野田:いや、その、知りません。
──「週刊ポスト」2011年10月07号
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確かに財政法は、第5条で日銀の国債引き受けを禁じているのですが、特別の事由がある場合は、国会の議決を受けた範囲内で引き受けを認めているのです。実際に毎年、10兆円以上を日銀
に引き受けさせているのです。野田財務相は、そのことを知らなかったのです。
これには、さすがに温厚な野田氏も委員会後に激高したそうです。「なんで教えてくれなかったのか。悔しい!」と。菅首相もやられましたが、これは財務省が大臣にいうことをきかせるようにするショック療法のひとつなのです。
民主党の幹部議員である野田佳彦氏は、当然民主党として国民と約束したことを実現する使命感を持っているはずです。しかし もし財務省のサポートがないと、自分が大臣としてやっていけない現実を知ると、そういう使命感は捨ててしまったのです。野田氏は財務副大臣になる前は増税論者ではなかったからです。おそらく財務副大臣時代にすっかり洗脳されてしまったのでしょう。
今や財務省は、政・官・司・財・報のすべてを牛耳るマンモス的存在になっています。並みの政治家ではその権力に逆らうことは困難であるといえます。」