キノコ | 新宿 鼠通り

新宿 鼠通り

逃れよ…強壮な風の吹くところへ…



「センパイ…これから…行っていいっすかぁ…」



「おいで…でも夜は…忘年会だから…6時までだよ…」





以前勤めていた会社の…後輩は…



律儀に…年末の挨拶に来てくれる…



時間や仕事に…追われていようが…三平に連れて行って…



2人だけの…小さな忘年会…



「…今年は…端…をたくさん経験したよ…」



後輩に…この1年を語るとき…毎年ちょっと緊張する…



センパイ…サラリーマンのほうが良かったんじゃないの…なんて思われたくない…



胸を張って…振り返ることができるよう…



ついつい…たくさん話してしまう…



会社を辞めたあとの…僕のゆくすえは…



後輩の…今後の進路にも…多少は影響を与えているかもしれない…



「ふーん………すごいっすね…」



「そんなことないの…いつも必死なだけ…」



「センパイ…眠そうっすよ…次…あるんでしょ…大丈夫っすかぁ…」



「う…うん………」



「センパイ…もう…時間ですよ…」



ぼんやりしているうちに…



後輩が支払いを済ませていた…



なんだか…たくましくなったな…



後輩に…気持ちよく…ごちそうになれたことが…



なによりも嬉しかった…






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「ひるまさ~ん…大丈夫?…大変そうだから…顔見に来た…」






翌日の土曜日…



仲良しのお友だちが…事務所に寄ってくれた…



「はい…メリークリスマス!スタッフみんなにも買ってきたわ…」



かわいいキノコの置物を…人数分…



身体も…仕事も…ボロボロだけれど…



小さな…丸いツリーは…癒される…



ありがたいな…優しいな…とっても嬉しい…



こうして…なんとか…1日が…過ぎてゆく…



あと少し…ふんばらなきゃ…



今年は…珍しく…



なんだか暖かい…クリスマス…



どうぞ…みなさま素敵な…イブを…