顧 問 | 新宿 鼠通り

新宿 鼠通り

逃れよ…強壮な風の吹くところへ…







「…それで…ひるまさんは…弊社のデザイン顧問を…お望みですか…」











東京の中心の…中心…



超一流企業へ…たった一度の…プレゼンチャンス…



このクラスになると…



どんなビジネス話法や…プレゼン技術を使おうが…



相手の感情は…ほとんど見えない…



無反応に…焦り…とまどい…さらに言葉を重ね…



手探りで…突破口を探し…足掻く…



気がつけば…1時間…喋りに…喋った…



僕なんかを…相手にしてくれる企業ではない…



格が…違いすぎる…



でも…健闘できたんじゃないかな…



力を出しきれたことに…満足していた…



「…検討させてください…」という言葉のあとに…



冒頭の…顧問…という言葉を聞いた…



椅子から…ころげ落ちそうになった…



海のものとも…山のものともわからない…



胡散臭い…貧乏デザイナーに対しての…



敬意が…感じられた…




「滅相もありません…どうぞ御社で…ご判断下さい…」




それでも…わからない…



上品に…美しく…交渉を進めることなど…



お手のものだろうし…



なんせ…格が…違いすぎる…



こんな場所で…プレゼンできただけで…



いい経験をさせていただきました…



楽しかったです…



チャンスを頂き…



本当に…ありがとうございました…







新宿 鼠通り-1






こんな立派な場所で…



仕事をしているひとがいて…



新宿の…ゴミ溜の中で…



仕事をしているひとがいる…



両者は…決して交わることはない…



…わけでは…ない…



…かもしれない…



そう…思えたことが…



明日への…希望…