なかなかチャンスに恵まれなかったのですが、ヒルと魚との関係について調べる機会が訪れました。
いままでから考えてはいたのですが、私たちの生態研究の中では繋がりがなかなか見えてこなかったのです。
5年前、いなべの釣り師に渓流釣りに連れて行ってもらい、初めて研究員は渓流釣りを体験しました。もう、高2,3になっています。
そのとき、ヒルで魚を釣るという体験をさせてもらい関係はあったのですが、そのあたりで研究は留まっていました。
昨年入ったE研究員は、暇があると釣りの話をするので、何とかこの研究員の力を合わせられないかと思案していました。
以前から在籍のF研究員も釣りが好きな子で、家で魚を飼っています。3ケ前から自分が釣って来た魚に餌としてヒルを与えているとバクバク食べるという。
動画なので、ここでお見せすることは出来ませんが、岩陰からヒルが落ちてくるのをねらいすまして食べる魚の様子が映っていました。すごい。とてもクリアーに映っています。
ヒルを餌にできるらしいということで、しばらく給餌してもらうことにしました。
この二人は山から川の方にだんだん下ってきたヒルが最後どうなるかという話をよくしていました。
今年入ったT研究員も加わって妄想を膨らませていました。
昔は、一つの説として渓流釣り場に集まっているヒルは、シカが広めている。1日に1回水を飲まないとシカは死んでしまうので、必ず水場に来る。そこでヒルを落としていく、というような説明がなされていました。
僕たちはシカだけのせいでヒルが広まっているという考え方には疑問を持っています。
だから渓流釣りの水場iにヒルが集まっているのは水の働きに寄ることが多いと考えています。そのことを実証できそうな川と谷がつながっている場所が近くにあるので行ってみることにしました。
その場所は宮妻峡カズラ谷です。
この谷は、宮妻峡の中では一番ヒルに出会う確率が高い登山コースです。
ヒル捕りによく行きました。ここなら、すぐそばに内部川の支流があり山も迫っているところです。
そして、岩がゴロゴロした川になっているので、魚が棲むにはいい場所だと思うのです。私は魚のことはよくわからないので、いいところかどうかはよくわかりません。
久しぶりに行ったのですが、登山道はきれいに整備されてヒルはほとんどいません。
いつもなら、ヒルがニョキニョキ首を上げて・・・・というショーが見られるところなんですか、今日は息を吹きかけても静かです。
ここしばらく雨が降らず高温状態が続いていたので、ヒルはどこかにお隠れあそばしたようです。
目を凝らして探すも、例年の様にニョキニョキとは出てきません。
何とか、ある一角だけヒルがたまっていました。大きいヒルを数匹捕まえ、後は小さいヒルを釣りの餌用に10匹ほど確保しました。
これだけです。付近を探しましたが、ヒルのいる形跡はありません。どこに行ったのでしょう。
昼少し前、6年生くらいの子を連れた親子が通りかかり
「何してるの」
と声を掛けられました。
ヒルを捕っていますというと、ヒルなんか捕って何するのと聞かれました。
F研究員が、ヤマビルの生態研究ですと説明すると、頑張ってと言って鎌が岳山頂に向かわれました。
まだ、ヒル研のことを知らない人たちもいるんだね。
結局午前中のヒル捕りは、大数匹と中十数匹とっただけで、川に流れこむようなヒルを実感できるほどは捕れませんでした。
みんなのモチベーションはがくんと下がってしまいました。
気を取り直して昼食を食べて、午後は釣り糸を垂れます。
海釣りは経験があっても川釣りはほぼ未経験。
釣り堀は経験していても、どこに魚がいるかわからない場所での釣りは初めて。
最初は大きな岩の下あたりをさがしていましたが、まったく当りなし。
1時間くらい経って来ると退屈してきて、たも網で川の中を探し始める研究員も出始め、今日の実験からずれていることを指摘しました。
やがてサワガニに興味が移る子ができて、ヒル研→さかな研→カニ研と興味は移っていきました。
予定の昼も魚も不漁なので仕方ないかと、研究員のモチベーション消滅を認めざるを得なかったです。
今日の現地実習はさんざんたる有様となりました。これでは、肝心のヒルの数が足りないので、宮妻峡を30分早く切り上げて帰り道に田光のヒル捕り場に立ち寄りました。
こちらは、いつもの通りのヒルのお出ましでした。30分ほどで20匹ほど大きいものを捕って研究所に戻りました。
今日は消化不良の一日でした。こんな日もあるさ、と。研究っていつも思い通りに行くものでないし、気分の切り替えも大事です。もっと、カズラ谷に魚かいるかどうかを事前調査しておくべきでした。
でも、田光でヒルを確保できたので、来週の実験は続けられるから大丈夫です。
夕食を済ませて今日の振り返りを書きました。
入浴迄夏休みの課題について話し合いをしました。
<疲れたのでお休み>