今日一番びっくりしたのは、ヒルがいないということです。
いつものヒル捕り場に行きましたが、完全に藤原の林道は乾燥していて、少々足で土や落ち葉を蹴散らしてみてもヒルはいません。土は乾いています。これではいないなあ、と半分あきらめムードです。
今日はF研究員と二人です。頑張って探しましたが、小さなものが少し見つかるだけ。とても研究をするほどのヒルは捕れません。
いろいろな場所を探し回りましたが、いません。もう、ヤマビルは絶滅危惧種になるのではないかと思うほどです。
山中の沼のようなを場所で探していた時、泰然と構える大きなカエルをF研究員が見つけました。多分アマガエルだろうと思うのですが、とにかくでかいのに驚きました。これを使って、カエルとヒルのバトルの検証をしようと連れて帰りました。
午後も田光に出かけてさがしましたが、発育測定実験と解剖実験に使えるような大きさのヒルは全く捕れませんでした。
4時前、疲れだけため込んで帰って来ました。
小休憩の後、前回捕獲しておいたヒルを使って、とにかく吸血したヒルを確保することにしました。
成長実験用のサンプルになります。小さいもので、精密天秤で測れる限界付近のサイズのものばかり付けました。
すぐに付くのですが、30分もすると満腹なり落ちてきます。でも、ちょっと興味深かったです。来週の発育測定結果が楽しみです。
夕食を済ませてホタル観賞に出掛けました。前回より1時間近く早く見に出かけたのですが、他の観賞客のマナーが悪く雰囲気もぶち壊れで帰りました。
2日目の朝は、雨の中の目覚めでした。
今日の中心は今までの吸血したヒルのその後の身体測定や脱皮するかの観察をじっくりすることにしました。
先ず、前回からの瓶の観察ですが、今回も脱皮と思われる皮を見つけました。指の先にぶら下がっている白いひも状ものです。
もう、いくつか見つけて標本を作っています。アップの写真もいくつか撮りました。
でも、この動画撮影に手を焼いてます。ヒルが皮膚を脱いでいる映像が撮りたいのです。零細研究所には高度なカメラはありませんので、いろいろなものを駆使して頑張っています。まだ、撮れていません。
先々週セットした脱皮観察用のセットは5検体だったのですが、残念ながら途中で死んだものがあり、本日確認したのは3検体。何とか産卵まで頑張ってほしいと願っています。
5月の中頃から吸血させにかかったものの中で、特定のケースの中だけ死亡するケースが見つかりました。ケースごと全滅というものです。理由が分かりません。5〜6匹入れいるケースなので、何らかのウイルスか細菌が原因なのかも知れません。一昨年は糸状菌が原因でしたが、今回はまだその兆候はなさそうです。
原因を突き止めてみようと、F研究員はメスを持ちました。
もう、かなりの腕前になっていますので、黙々と2時間くらいかけて3匹の解剖をしました。
チェックの重点は嗉嚢と嗉嚢盲管辺りです。臭いもかなりきついですが、頑張っていました。
とても丁寧にオペをこなしています。私にはできませんねぇ。
腹の中に溜まっていた血液が流れだしてくるのでいつもの解剖のようにはいきません。何度ティッシュでぬぐって確かめながら切っていました。
3つの検体を並べて比べてみました。どの検体も、上半身は特に問題はなさそうで、嗉嚢と嗉嚢盲管辺りがぐちゃぐちゃになっている。吸血液の処理がうまくいかなかったのではないか。多分吸わせすぎだろうとということになり、次回の吸血から1時間程度に縮小しようということになりました。
その様な解剖結果と気付きを書いてまとめていました。死体検案書みたいですね。
午前中、昼食も忘れて頑張っていました。
しっかり消毒して何度も手を洗ってうがいをして、昼食はそうめんでした。
午後は1時半ころから、吸血サンプルづくりをしました。昨日捕獲ゼロだったので、今までに捕獲してある大きいヒルを6匹探し出して、吸血させることにしました。
もう手慣れたもので、30分もかからずに吸血開始、1時間で止めるのでいつもより負担が減り、楽になりました
去年までは、とにかく産卵するヒルがほしかったので、大部屋に入れていたのですが、いまは、身体測定が目的なのですべて個室です。そうしないとヒルには名札がつけられないので混ざってしまうからです。
この方法も板について来て、棚には日付別にキムチの空き瓶が並んでいます。
この二日間で、研究材料が思うように集まらない経験を通して、何とか研究を進める工夫を凝らすF研究員もすっかり研究者らしくなってきましたね。たのしみです。