今年の夏は、3つも生命誕生にかかる事象に遭遇出来ました。
S研究員が、ヒルの産卵シーンを捉えたケーブルテレビのインタビューで「このような場に立ち合えて光栄ですね」
と、5年生らしからぬ発言をしていましたが、真にそのような夏でした。
<その1> ヤマビルの産卵シーンに出会えたこと。
長年追い求めていた産卵の瞬間をカメラにおさめることができた、これは世界初の撮影である。
<その2> 鶏の産卵シーンを見たこと
別に世界初ではないけれど、中々産卵シーンなんて見れるものではない。偶然にもヤマビルの産卵のための吸血実験中に起きた出来事である。いつも、食卓でお世話わになっている卵が、どのように鶏の体から出て来るのか、研究員にとっては初めてのことでワクワクドキドキの瞬間でした。
<その3> 蝉の羽化シーンを見た
7月末の神奈川県秦野市の秦野っ子×ヒル研の交流イベントの時のことです。
私たちは2泊、東丹沢野外活動センターでテントに泊まりました。初日(28日)の夜、沢山のセミの抜け殻を見つけて、食べてみたいとF研究員。
29日の朝4時ぴったりにヒグラシが一斉に鳴き出し、それは凄い音量でした。約1時間鳴き続けてピタリと止まりました。
今夜は、セミの羽化が見れるかもしれないと話し合っていました。夕食を食べてテントに戻るや否や、昼間抜け殻を見つけた所をF,S,M研究員は集中的に捜していました。
いました、幼虫が出て来てロープに整列していました。羽化の準備が始まったのが20時ころでした。
何度もその場所に足を運び羽化を待っていました。
夜も21時30分ころ、背中を割って羽化が始まりました。あまりにも感動の瞬間だったので、シャッターを押すのを忘れたそうです。
丁度その頃、私たちのテントでも羽化が始まっていたようです。
観察していたのは、M,F,Sの三人の研究員でした。大きい組はもうテントの中でウトウトしていました。
自然といつも向かい合って注意深く観察しようとする力が、研究員たちに身についてきています。ただ、ぼーっと見ているだけではこのような場面には出会えません。元々計画していたものでもありません。普通に遊んでいて、偶然出会えたことなのです。突然思いついて外遊びをしても見つかりません。絶えず自然と触れ合う中で醸成されて行く能力なのです。
テント泊をしながら自然の中にどっぷりつかって、このような生命の息吹を感じ取り秦野市での交流会ができたのは、この上もない幸運も重なり、子ども研究員にとって素晴らしい財産となりました。
前日の夜は、この三人は星空を眺めてロマンを語る練習をしていたようです。星ってこんなにきれいなんや、というFの一言に心が痛みました。都会の便利さの中に、きれいな星空を子どもたちに与えられないふがいない大人たち。何とか少しでも美しい星空を後世に送りましょう。すべての命あるものが、この世で自分らしく生きていける世の中になりますように…。
この様な収穫が番外編にありました。ありがとうございました。主編は、まだ整理中です。