うわぁぁぁぁぁ、産んでる産んでる | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

他のブログを書きながら定時のヒルチェックに行ったところ、想定外のケースに見慣れぬ動き発見。

時刻は15時ちょうど。

もうすでに泡を吹いて産卵が始まっていました。ヤッター、これはいけるぞ。カラーで動画が撮れるぞ。

大慌てて、カメラやパソコンを用意して撮影開始。

パソコンにつないで撮影できるカメラを使って、ビデオ撮影に挑みました。

今回は、昼間だしラプスタイム撮影ではなくビデオ撮影なので思う角度でカラー撮影できました。

ここでは、動画は1時間も続くのでその時々のカットを載せます。

15:05頃の映像です。親は、しっかり吸盤で壁に付いて自分の体を支えて、体をひねって透明の泡を沢山き出しました。その泡は、直径3cmくらいまで広げていました。そして、周囲のいろいろなものに張り付けるようにしてこの泡を固定していました。

15:20分頃の映像です。最大限体をねじって首を泡の中で振って産んでいました。ヒルの頭の部分の周囲とは違う丸いものが作られています。これが、卵塊の中心部分だと思います。

白い塊が、今産み出されている卵塊です。その下に色が少し茶色味がかったものがありますが、実は後で分かったのですか、1個目の卵塊でした。白い方が2個目ということになります。

16:00頃産卵は終了して、親は離れていきました。相当しんどかったようで、体のあちこちが変な膨れ方をしていました。瓶の壁を上ったり苔の上を走り回ったり10分位暴れまわっていました。やがて静かになり、産後の休息に苔の中にもぐっていきました。

上の写真は、泡が徐々に収まり卵塊の周囲のひだになって残るようで、その全体としての塊は小さくなり始めました。二個、卵があるのがはっきりわかります。

18:00頃の写真です。泡が塊り、いつもの卵塊の周囲のひだにほぼなっていますね。

 

数時間のドラマでした。いまから、動画の編集作業をして世界初のヤマビルの産卵動画にまとめます。

 

今日は梅雨の真っ最中、雷雨注意報が出ている嫌な天気で気分も優れなかったのですが、15:00~もうアドレナリンが出っぱなしの状態になりました。この瞬間誰かに知らせたくて、携帯で動画を撮りながら、今まで一番見たがっていたU研究員に知らせました。彼は学校帰りので電車待ちだったようで、とても喜んでいました。ジョニーさんにもすぐ報告しました。

なぜかも他人に知らせなければという思いで、手が震えていました。一晩経っていま冷静に撮れた写真を見直していると、よくぞピンぼけせずに撮れたなあと、自分をほめてやりたい気持ちです。

 

研究員達は、学校に行っている時間なのでこの瞬間に立ち会ったことはだれもいません。留守番役のわたしの特権でした。

早速研究員にはこのニュースを届けました。

今週末の研究日にゆっくり動画を観て感動を味わいたいと思います。

 

今年4月に開催された京大の「屋久島いきもの調査隊」の総括会議で、U研究員が是非来年は産卵の写真を撮ってここに持ってきます、としゃべったのですが約束を果たすことができました。あとは、このデータを彼がどのように整理して、みなさんに発表するかです。

 

今年是非したかったことが、前回のラプス撮影に続き今度はビデオ撮影と続きました。まだまだ、産卵予定のヒルは順番待ちしている状態なので、この撮影は、更に良いものを求めて続いていきます。みなさんありがとうございました。