コロナ禍でぐちゃぐちゃになってしまったが、過去には研究のタイムテーブルがはっきりしていた。それに合わせて、いろいろ実験の準備や計画を立てていた。
5月から実験が始まり7月末までで一応予定したことを終える。
8月は、夏休みの宿題の自由研究をまとめたり、地域の研究発表会に出す準備をした。
10月になると、藤原岳自然科学館の発表会があり、それに向って夏までに蓄えたものを吟味して足りないところを補充して、研究発表としてまとめ上げていく。ここは、かなりレベルが高く生物地学関係の専門家の先生が指導員審査員としておられるので、子どもたちの発表を適切にご指導いただける絶好の場である。
年が明けて2月には、三重生物の発表会と屋久島いきもの調査隊の総括会議があり、発表の場がある。
これをみていると、一年の半分は研究のまとめというか原稿を書いている感じになる。
しかし、この原稿を作成する時間がとても大事な時間なのだ。
研究発表会の意義は、いうまでもなく今まで取り組んできたことをまとめて分かるようにみんなに伝える粉とだだ。
発表にはいろいろ制約がある。例えば、発表時間は10分とする。また、要旨提出はA4一枚というようなものだ。
研究員は、自分がしてきたことを全部聞いてほしいという気持ちに駆られる。そうなると、時間が全く足りない。聞いている人もだらだらと何が言いたいのかよく分からない。
そこで、10分以内という制約がかかり言いたいことを整理していくことになる。本人でどうにもならないと同僚からこれはいらないのじゃないというようにカットされていく。それでも手に負えないとコーディネータが大鉈を振るう。そこまで行くことはめったにない。
言いたい中身が決まると、最終論旨が通っているか、相手にわかりやすい提示になっているか、などいろいろな段階のチェックを経ていく。みんなで最終案の吟味をする。小4の研究員も、ここのところが分からないと言うように自分の目の高さで指摘をしていく。かくして出来上がると、次は発表要旨の作成となる。A4一枚という制約がついたりする。
A4一枚という制約は、
かくして、晴れの発表舞台に上がることになる。何年も繰り返している研究員は当たり前のことであるが、初めての研究員は先輩の姿を見て少しでも近づこうとする微笑ましい関係が生まれてくる。
研究発表会は、このように研究員を育ててもらえる機会となる。他人の釜の飯を食わせるということなのかもしれない。
そして、発表会の後審査員の先生から適切な評価を頂くと、更に次へのエネルギーとなる。
今年は、その三重生物の発表会が対面で3年振りに開かれる。どんな成長がみられるか楽しみである。
そのあと、大学の先生や院生、研究者が集まる屋久島いきもの調査隊の総括会議で発表して今年の行事が終了する。
研究員の成長を見守っていく。