ヒルvsカエルのバトル その後!! (第4回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

乾燥続きの5月でしたが、やっと雨らしい雨が6/4に降りました。この湿りで、ヒルは出やすくなっているだろうと、心躍らせて計画の練り直しをしました。コロナと天候のせいで、なかなか私たちの思い通りには研究をさせてくれません。

 

今年は、できることから始めようと、東京農工大の森嶋さんの論文をきっかけに、「動物に出会えないヒルは餓死するのか」という一昨年からの課題に対して、カエルを宿主にしているというヒントをもらい、今その追究をしています。

動画を容量の都合でお見せできないので残念ですが、その激しい戦いぶりを解説していきます。

ここまでの実験方法を振り返ってみます。

最初、トノサマカエル1匹とヒル6匹のセットを作りました。ヒルが、カエルに向って激しく攻撃します。カエルの呼気を察知して近づいていきますが、大きなトノサマガエルなので、一蹴りで飼育ケースの反対側に逃げます。また、その方向に6匹のヒルは向きを変えて攻撃していきます。と、先に到着したヒルがカエルの足にからもうとすると、飛び跳ねて逃げます。この繰り返しを1週間頑張ってカエルは逃げ切ることがてきました。それで、今度はカエルが逃げにくくしてヒルとの出合を増やすために、カエルを7匹とヒルを14匹に増やして密な状態をつくり試してみることにしました。

アマガエルは吸盤を持っているので、上の方に逃げています。

ただ、カエルもじっとしいる訳でもなく下に降りたり、ヒルがケースの壁を上ったりして攻撃していました。

その結果、一匹のアマガエルがやられました。写真中央に白く映っているのが犠牲になったカエルです。

このカエルの足の水かき部分に、ヒルが吸いついていました。(写真は、グロイので掲載しません)

この2週間分の観察で分かったことは、

①カエルはヒルを襲わない。つまり、餌として食べない。

②ヒルは、カエルを絶えず攻撃する。その察知方法はカエルの呼気の可能性が高い。カエルは変温動物なので、体温を察知することはできない。だから、二酸化炭素が唯一の察知手段と考えられる。

③24時間攻撃しっぱなしではない。主として夜間の時間帯に攻撃が激しくなり、昼間は両方とも静かに休んでいるようだ。T研究員の考えでは、カエルは夜行性で夜8時ころから大合唱を始める。つまり、活動が激しい時に二酸化炭素が多く排出されるので、ヒルも活発になる。この時間帯と動画の時間帯が一致する。

 

気のせいかカエルが痩せてきたので、ヒル地獄から救出して餌を与えて休ませることにしました。バッタやダンゴムシなどを入れて慰労しました。

子どもたちの観察では、ヒルが少し太った感じがすると言っています。長時間カエルに取りついて吸血する様子は、まだ動画には写っていないです。が、少しは吸っているのかなと想像しています。ちなみに、カエルは少々痩せた感じがします。

1分単位でシャッターが切れているのですが、その様子を見る限りヒルがとり付いて吸血している写真は撮れていません。

昨年、偶然カエルの顎に取りつき吸血している写真が撮れましたが、毎回そう簡単には吸血できないようです。もう一週間カエルくんには頑張ってもらって、ヒルに吸血される様子を撮りたいと思います。協力したください。

 

あと半分のプログラムは、今度7/4に延期した自然観察指導員研修会の下見に行きました。

久しぶりの宮妻峡で、遊びながら誰がどのあたりでどのような説明をするのかを、心づもりしました。

ここは、ジョニーさんのヒル捕り場です。まだ、乾燥しているので、あまりいません。20匹捕まえました。

半年前、ジョニーさんがナイトスコープの番組に出て、水野さんとヒルは木から落ちて来るか来ないかを勝負した場所です。

もちろん木から落ちてくるようなことはなく、ジョニーさんの勝ちでした。「ヒルは木から落ちて来ない」と、結論が放送されました。

しばらく宮妻峡の河原で、水遊びをして帰りました。

 

楽しい一日となりました。帰ったら、ヒルを飼育瓶に移し替えです。例によって、ある特殊な技法で10分位で完了です。

現在のヒルのストックは、この瓶に入るだけです。去年の1/10ですね。貴重品です。