続いて産卵とはいかなかった (第20回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

梅雨末期の豪雨予報が出て、活動計画も自由に立てられずに、朝までもやもやしていました。

武漢発のコロナも、第2波が来ているようで、油断できない毎日です。

幸い、ヒル研の子どもたちは元気で、雨の中定刻にやって来ました。

早速今日のプログラムから開始です。

それは、前回の研究日に産卵していた続きが生まれてないか、という観察から始まりました。残念ながら、太ったヒルは、殆ど動かず、トドのような感じで横たわっています。ピンセットでつつくと、いやそうに動きます。生きてはいるけれど、臨月状態でしょうか。

 

前回生まれていた卵塊を飼育瓶から出して、幼生が出でくるところを撮影したいと思っています。、写真撮影しやすいように、シャーレや浅い瓶に分けて移しました。

 

でも、今観察する限り特に変化はありません。ミミズの場合、産卵後1週間で幼生が生まれるようで、ヒルも期待しています。

 

明日、再度鶏から吸血させてもらえることが出来て、その実験を考えるとき、今回の結果をしっかり反省することとしました。

前回は、8セット作った中で、産卵したのは、1セット。しかも、複数個も産んでいるのに、他の瓶は、今の所その兆候はない。どうしてか、という核心部分の話合いをしました。

二つの瓶を比べてみると、どうも、腐葉土のかさが違うようです。生まれた方は、腐葉土がたっぷりありました。多分、安全な場所として砂とか落ち葉では、適当ではないということでしょう。

明日の実験では、腐葉土の量を多くして、布団のような感じにすることとしました。

 

雨が小やみになったので、ヒル捕り場を見に行くことにしました。

ヒル地獄と呼んでいる駐車場から観察しました。上の方から水が流れ込んでくる、駐車場の片隅から調べ始めました。

もう、大きなヒルはあまりいませんが、小さなヒルが沢山足元から上がって来ます。よく見えないので、しらない間にカッパの中に入り込まれたりしました。

水が落ち込んでくるところ以外では、ヒルはほとんど見られません。

距離をとって調べてみても、水の落ち込んでくるところ付近だけ、ヒルがいます。

 

そのあと、ヒル捕り場に向いました。途中林道上でも、小さなヒルが足に上がって来ます。

ヒル捕り場でも、同様で、大きなヒルは30匹ほどで、後は生まれたてや1年生くらいのちびビルばかりです。

そして、ヒルスポットに上がりました。

この左上かヒルスポットですが、さすがここには、たくさんいます。大きめのヒルが、ちょっと立ち止まると次々上ってきます。

ヒル捕り場に出ると、こちらは、小さいヒルが沢山上がって来ます。確実に、ここでヒルが増殖されています。でも、卵塊は見つからないですね。流れていくのかな。

ヒルスポットに作ったヒルヒルズという石で囲った中に、下から持ってきたひるを意図的に放して、ヒル密度の高い所を作っています。

ここに息をふきかけると、真ん中の部分から、ヒルがにょきにょき出できます。明らかに、この石垣の外とは、ヒル密度がちがいます。

葉っぱが減っていたので、少し入れて快適なヒルヒルズにして帰りました。<ごめんなさい>

 

雨なので、仕方なく研究所に戻り昼食にしました。

午後は、明日の実験装置を作りました。今回の装置は、U研究員の発案です。吸血させたヒルを、御在所山の環境を模したエリアと、藤原岳の環境を模したエリアに分け、吸血させたヒルをそこに入れようという作戦です。45cm×30cmの塩ビのケースの半分に仕切りを入れて、御在所側は花崗岩の砂と落ち葉、腐葉土をいれます。藤原側は、石灰岩の砂と落ち葉と腐葉土をいれます。その真ん中にヒルを放してみようという作戦です。もちろん、スプレーもそれぞれで取って来た水を使います。

この装置は、一昨年度、ヒルはどちらが好きかという投票をさせた時の応用です。でも、今回は、吸血してあまり動かないヒルが、どの環境を好むのかを調べるものです。もちろん、産卵も期待しています。

仮説に、花崗岩層の山では、産卵がしにくいのではないか、だから生まれて間もないヒルはいなくて、大きなヒルばかりいるのだと考えています。そして、花崗岩帯のヒルは、そこで産まれたものではなく、他から動物に付いて運ばれてきたものだと考えています。その証も見つけられたらラッキーです。

 

夕飯は、U研究員の力作の焼肉定食でした。おいしかったです。

ご馳走様でした。