大興奮の研究会 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

それは、第3-4回の合宿研究会の出来事です。

 

今回は、気象条件があまりよくなく、地面は乾燥していて、気温もヒルの活動限界温度・湿度です。道路の電光表示は、15℃。2週続けて、低温状態です。しかも、雨が降りそうな曇なので、気温も上がらず、ヒル捕りの条件は大変悪いです。

 

まず、先週の高台の民家のヒル調査でカメラを仕掛けることになっていたので、立ち寄りました。一応、前回もヒルはいなかったけれど、念のため探しました。前回と違って、庭の草がきれいに刈り取られていて、乾燥した地肌が見えていました。ヒルの姿は全く見られませんでした。でも、調査なので、一応監視カメラを仕掛さてもらいました。

何が写るか、色々空想しながら、帰りました。明日の午後引き上げに行きます。

そのあと、近くの青川峡にヒルが多いと聞いているので、調査に出掛けました。キャンプ場はコロナで閉鎖になっていましたが、その奥の渓谷に行ってみました。

 

小さいのが1匹みつかっだけで、キャンプ事務所が開いているときによく聞いて再度出かけようと思いました。

 

昼食後、研究所に戻り、食餌実験の計画を立てて、実験装置を組み立てました。

昨年度まで、ヒルはそれほど沢山の動物に出会えないのに、どうして飢死せずに生きておれるのか。ミミズの仲間なので、きっと腐葉土を食べているのだろう、という仮説で、食紅を使っていろいろ実験してきました。でも、食紅でヒルが死んだり、夏の暑さで実験中のヒルが死んだりと、うまくいきませんでした。

京大の霊長類研究所の半谷先生から、ヒルは血液しか吸わないと思う。理由は、あごの構造が、個体を咀嚼できるようなになってないから、とアドバイスいただきました。

それで、いろいろ話しあった結果、食べるものを探すのは大変なので、逆に血を与えなかったら、早く死ぬか衰えていく様子を調べてみることにしました。餓え死にさせるのだから、少々残酷な気もするのだが、研究のためだから犠牲になってもらおう。これは、T研究員の口癖です。

 

ということで、話し合いの結果、血は与えずに、①石灰石の中に置くもの、②砂と落ち葉の中に置くもの、③既に腐葉土になっているものの中に置くもの、と3つの環境を用意しました。その理由は、

①石灰岩の山の方にヒルが沢山生息していて、花崗岩の山にはあまり棲まない。だから、石灰岩の砂の中に入れておく。

②石灰岩だけでは、隠れるところもないし、乾燥もしやすいので、2年前から水槽の中で飼育している方法だから。

③腐葉土は、ヒル捕り場でも最初に行って調べる場所で、ヒルの棲み処となりやすい所だから。

この3つの環境の中に、3匹ずつヒルを入れて、その様子を観察していくことになりました。少々息の長い実験になります。途中で、死なないように気を付けないといけないのですね。

 

夕食の時間になり、今年初めての合宿なので、ある程度の割り当てをして、シェフをしていくことになりました。夕食は、YとTシェフです。

もやしとベーコン炒め定食、という感じです。なかなかいい味て仕上がりました。合格。

 

夕食後は、昨年ヒルの解剖練習したものが、乾燥して干物になっているので、ラミネートをかけて、サンプル化しました。顕微鏡で観ることが出来る教材です。内臓がよくわかります。夏山フェスタの時希望者に差し上げていました。

 

東京農工大の森嶋さんから、ヒルの吸血した血液からカエルのDNAが確認されて、カエルがヒルに吸血されていることを示された論文をいただきました。それで、研究所の前の田んぼにたくさんカエルが鳴いているので、それをつかまえてきて、ヒルの瓶にいれようということなりました。全員長ぐつを履いて、懐中電灯を持ち8時ころから捕獲に出掛けました。カエルの行動を注意深く観察して、ねらいを定めて捕りました。30分ほどで、あぜ道で5匹捕まえて帰りました。

帰ってすぐに飼育瓶にカエルをいれました。

1分も経たないうちに、R研究員が、ヒルがカエルの鼻の中に頭を突っ込んでいると叫びました。みんな小さな飼育瓶を覗き込み、もう大騒ぎ。少しすると、カエルのあごの下に吸盤をしっかりつけて、頭は、カエルのおなかの真ん中に吸いついて吸血体制になりました。スマホで盛んにシャッターを切っていました。30分くらい吸いついていました。その間、カエルはじっとしていました。

一番きれいにとったY研究員の写真をアップします。

興奮冷めやらない中、入浴タイムになり、11時になるので、急いで眠ることにしました。

 

朝は、6時15分。ヒル研流起床法で全員起こされ、朝食当番はT研究員で、ウインナー、キャベツの油いため、シリアルというメニューです。

8時から、今日のプログラム。ヒルの解剖実習です。

最初にチスイビルの解剖図を参考にして、どこをどのように切るかをよく考えて、練習することになりました。

Y研究員の指導で、

初体験のR研究員は、熱心にやっていました。なかなか器用で、いい解剖が出来ていました。

昼食は、Y研究員のケチャップライスをご馳走になりました。これは、とてもおいしかったです。また、作ってね。

 

3時になったので、昨日仕掛けたカメラを回収に行って、チェックしました。残念ながら、住人以外何も写っていませんでした。

勿論、木の下にもヒルはいませんでした。

 

ということで、今回は盛りだくさんの内容になりました。ぐったりして、4時半のお迎えを待ちました。お疲れさま。

それにしても、カエルにヒルが吸いついたのには、びっくりでした。

だって、今まで、。ヒルは、大型哺乳動物にしか付かないと言われてきたからです。大発見。