夏休みも終わりに近づき、ヒル研も、ここらで反省会をしようと考えました。振り返れば、今年は、大変大きな発見の連続で、研究員もかなりつかれています。それで、懐かしい研究場所であった宮妻峡に出かけて、水遊び兼ヒル研をしました。
朝10時に行くと、河原には人影はまばら、貸し切り状態で遊び始めました。
1時間ばかり石を集めて水をせき止めることに集中して遊んでいました。
弁当を食べて、懐かしいカズラ谷口のヒル捕り場に出かけました。
足を踏み入れると、すぐヒルは出てきました。2年前まで、私たちは根気よく来てヒルを捕ったので、あまりいなくなっていました。
今日も、様子を見ていると、昔ほどではなかったものの、ヒルはいました。でも、時期としては、生まれたての小さなヒル1cm程度がかなりいました。私も、油断していて、足を2か所もやられました。その付近で卵塊を探しましたが、今日も見つけることはできませんでした。
カズラ谷の登山道(林道)を少し上ると、結構ヒルはいました。でも、よく見ると、ここは、人も通るし雨になると水も流れるし、ヒルはその道にたくさん見かけます。広げているのは、案外登山客ではないかと思います。
実験で飼育していたヒルが、猛暑のため全滅したので、40匹ほど大きめのヒルを捕って帰りました。
採集してきたヒルを、飼育水槽に入れるために、水槽のそうじをみんなでしました。
もしかすると生きているかもしれないと、静かに入れてある落ち葉を取り除きました。葉っぱには、一匹もいませんでした。
3月のこともあり、もしかすると砂の中にいるかもしれないと、慎重に砂を調べました。まず、花崗岩の砂はいないと思うので、水槽から取り除くことにしました。砂をすくおうとしたとき、U研究員が砂の中にヒルを発見しました。(左上のところ)
にわかに色めきだってみんなが水槽をのぞき込むと、なんと花崗岩の砂に何匹もいるのを見つけました。拾い上げてみると、みんな冬眠状態のような感じで固まってあまり動こうとはしません。片っ端からひろいあげると、こんなにたくさんいました。
ほぼ全部生きていたようです。石灰岩の砂の中にもいました。
でも、圧倒的に嫌いなはずの花崗岩砂の方にいたのが、驚きでした。
これは、砂が1か月ほど乾燥状態のまま放置されていたので、砂も乾いていました。水素イオン濃度は、その岩石を構成している物質が水に溶けてないと、酸・アルカリの性質は出で来ないので、乾燥している石の上では、花崗岩も石灰岩も同じという結論です。ですから、生きるために砂の中に潜り込んで、暑さや寒さをしのいでいることがわかります。
その暑さと言えば、わが家の一番涼しい家の裏の日が当たらないところに、水槽は置いてあったのですが、なんと最高温度か48.3℃を示していました。とても生き物が生きていることはできない温度ですが、ヒルの生命力は恐ろしや、というところです。
計器の狂いかと思って調べましたが、大丈夫でした。
部屋の中に置いていた飼育ビンのヒルは全滅して、とろけていきました。
こんなわけで、この夏休み最後のヒル研は、またもや偶然の発見から、大きな発見をしました。
暑い夏や寒い冬を越すには、砂や土の中に潜って、耐えていくということがはっきりしました。







