残酷実験ーーヒルを引き延ばしたら | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

本年度の計画していた子どもヤマビル研究会の最終会です。今回は、2泊3日の長丁場です。

最初の一日は、四日市市内の小学校をお借りして、理科の備品を使わせてもらいながら実験をさせてもらいました。


残酷実験なのですが、ヒルは大変強い体を持っています。簡単につぶれたり、引きちぎれたりしません。

それで、ヒルが引きちぎれるまで引っ張ると、その力は何kgくらいあるのかを調べようと昨年からの課題です。。


昨年度は、人間二人かがりで綱引きをしましたが、ちぎれませんでした。ですから、グラムの単位ではなくキログラムの単位だと想定しました。

学校の備品で2kgまで測れるばねばかりを借りたかったのですが、あいにく200gのものしかありません。仕方がないので、てこ実験器を借りて、力を10倍になるように支点の位置を変えました。

小学生はまだてこの学習が終わってないので、少しお勉強タイムとしました。



そのあと、いよいよヒルの体に紐をつけることになりました。後ろは吸盤があるので、縛ってしまえば抜けないのですが、前のほうは、いくら縛ってもするっと抜けていきます。

それで、頭の側は爪楊枝を縛っておいてその間に頭を挟み、手でしっかり締め上げて引っ張ることにしました。


ヒルの後ろをくくるのは、二人がかりでないとできません。じょうずにできるようになったのは、Y研究員とボランティアのペアーでした。それで、とりあえず5匹縛ってもらいました。






でも、今日の実験装置では、何kgで切れたというデータは取れません。それで、2kgでも切れないか切れたのかを判定基準にしました。


まず最初の犠牲ヒルが、装置にかかりました。



びょーーーんと伸びましたが、ちぎれません。2kgでは切れなかったという結論です。



次々調べましたが、ちぎれたのは1匹だけ。乾燥し始めたものだったので、弱くなったのかな。



どれも、写真のような感じでびょーーーんと延びました。当然死んでいます。

結局、10匹調べて9匹が2kgの引っ張る力に耐えたということが分かります。


実際やってみると、2kg以上の力を加えようとすると頭の側をしっかり固定する道具を作らないと、手で持っていただけでは、するっと最後は抜けてしまいます。


この分子構造を解析して、高分子化合物を作れば、強い繊維のものが出来上がるでしょう。ロープなども、しなやかさがあり引っ張りに強いものができると思います。I研究員が将来何とかしようと密かに狙っています。

簡単な実験ですが、込み入っていたので、冷房の効く部屋をお借りして約2時間半、10匹の実験を済ませました。

そのあとは、お弁当タイムとしました。

手術室で弁当が食べられるようになると、医者も本物に近づくそうだ、と言ってみんなを励ましていました。やがて、一人くらいは医者がこの中から生まれることでしょう。期待しています。