ヤマビルの交尾 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。



さて、第1日の最後のびっくりは、夜8時ころO研究員が別のイベントから戻ってきて、新しい瓶の中のヒルを見ていた。

「あっ、セックスしとる」

と、交尾シーンを見つけました。

凶器はカメラがいろいろあるので、さっそく動画撮影から開始した。


枯れ葉の上で、ねじれるように接している。


以前、チスイビルの解剖図を見た時、頭から1/3のあたりに交接器があり、オスの交接器とメスの交接器が縦方向に並んでいた。

この体位を見ていると、しっかりその部分をくっつけている。しかも、相当長い時間である。







10分以上たったころ、O研究員が口から泡を噴いていると言い出した。よく見ると確かにぷくぷくと泡を噴いている。



写真は、分厚い瓶の中のヒルなので、ピントが悪くはっきり見えないが、それを見たI研究員がもしかすると卵ではないか、と言い出した。

確かに、その出てきたものは卵塊のようにも見える。みんなが、大興奮。でも、なかなかそのまま大きくなっていかないので、不思議他の連発で終わっている。30分以上観察していたが、明日の朝卵を見つけたらそうだったのだということで納得することにした。


これが、本当に卵塊だとすると、この体からどうしてあのような大きな卵が産まれるのかは、説明がつく。卵は、口から噴き出しているのだ。それだとしたら、世界初の写真となる。

またまた大発見だ。


あまり、交尾に関心のない研究員は、食堂ではしゃいでいる。ちょっとくらい見に来い、と声をかけたが、ちらっと見てまた戻っていった。


アイスを食べながら、しばらく休んでいるとき、もし、あれが卵だとすると今までの説と合わないことがある、と言い出した。

交尾と同時に卵壊が出てくるとすると、メス化したものがその中に卵を産むのかな、今は、両方の口から泡が出ているので、巣作りかな、と言う。

でも、発想を変えてカタツムリのように、交尾したら両方が卵を産むと考えたら、以前から卵塊二つ生まれていることとが理解できる。もう、この中には卵もちゃんとはいっていると考えられるよ。

そうなると、いつメス化したかということになるが、どのヒルも血を吸っている。そして、産卵できる能力を蓄えている。交尾をきっかけに産卵すると考えた方が自然ではないか。

そうすると、今まで解剖した時によく体内に血を見ることがあったので、そうなると、みんなメス化しているはずだ。I研究員の推理はどんどん進んでいく。

だから、血を吸ってないのがオスで、血をすったらメス化すると思っていたがそうではない。雌雄同体というのは、オスの機能とメスの機能を併せ持っているはずで、そう考えたら説明がつく。

つまり血を吸ったらメス化するという本当らしい話は、間違いである。ということになる。




去年発表までしたことは、実は受け売りで話していたことで、今度はみんなで調べた。すごいことを見つけたのだぞ。