ヤマビルの飼育法は・・・ | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

第4回子どもヤマビル研究会が開催されました。

子どもたちの心掛けがいいのか、前日までは大雨、当日は曇りで蒸し暑い。翌日は、晴れでとても暑い日でした。ヒルを探すのには絶好のお天気でした。

集合して最初の研究は、各自が持ち帰って飼育したヒルについて、それぞれ発表をしました。

新人のNY研究員は、毎日水をかけて中を湿らせ、陽の当たらない涼しいところ(車庫)に置いた。全部元気である。

YY研究員は、玄関先に放っておいた。特に涼しいことはない。全滅した。

IY研究員は、何度も飼育して産卵もさせているベテランだが、戸外の木下の陽の当たらないところで涼しい場所選んでおいた。水は、最初底に入れておいて3週間放置したまま。全部生きている。昨日の雨が偶然入って、今は洪水状態。でも、元気である。

MO研究員は、玄関の陽の当たらないところにおいた。水は毎日やった。2匹生きているが、弱っているようだ。

YYボランティアは、YY研究員のお兄さんなので、同じ場所において世話はしてない。水も最初に入れただけで後は放っておいた。全部元気である。

Possumコーディネーターも、大きなノリのビンに入っているのを世話してきた。毎朝玄関内に入れて、夜は戸外に出して、霧吹きで水をかけた。全部元気である。


最初の予定は、これでみんなが共通の答えが出てくると思っていたのですが、一番不思議だったのは、YY兄弟が同じところで同じように置いて何もせわをしなかったのに、片方は全部生きていて、一方は全滅した。これは、どうしてか、という問題ができてしまった。


そこで、YY研究員の瓶の中をよく見ると、みんな黒くなってひからびている。O研究員の死んだヒルも同じようになっている。だから、まず、水分がないとヒルはスルメ状態になってしまう。まずは、たっぷり水分があって、それから表面が乾燥気味だと全部生きている。

ボランティアのYYのものは、たぶん最初たっぷり水を底に入れたので、その水分が適当に瓶の中を湿らせていたのだろう。O研究員の方は、最初から乾燥気味にしておいて、毎日水をやっていたが、乾燥の強い日には水が当たらなかったところは、極度に乾燥してするめ状態になったものもいると考えられる。


これで、ヒルの飼い方のマニュアルは作れそうです。まず、今年度の一つ目の成果となるか確認するために、再度家に持ち帰って飼うことにしました。

そんなもの飼うな、と叱られそうですが、飼育することは生物の研究の第一歩です。