研究員のノートから、今回は、スケッチする技術の向上を目指し、その一端をご紹介します。
科学で言うスケッチは、美術で言うスケッチとはちょっと違います。美的にいくら上手でも、科学のスケッチとしては、不合格もあるのです。
科学は、違いが分かるようにその特徴をありのままに描き写すのが大事です。
研究員には、見たままを見えた通りに描く。線があれば、何本あるかも数えて描いていく。どこかを基準ににしてその長さの何倍になるかを考えて、描いていきましょう。だから、全体を見て、こんな感じ、というのはだめです。
と言って、ヤマビルをピンで固定して、描いてみました。
Y.N研究員のノートを通して話してみましょう。
まず、第2回の時のスケッチは、
で、全体的にこんな感じかという表現です。第3回は、ここがこうなっているという風に意識させて描かせてみると、
スケッチも大きくなり、明らかに適当に縞模様を描いているのではなくなりました。
もう少し詳しく見てみます。上から見たものを大きくしてみます。
これを見ると、明らかに今回のは、細部に注意を払って描いているのがよくわかります。この図だと上が後ろで吸盤もしっかりとらえられています。下側の口の方も、上から見たら、まさにこのような形です。
また、前回はなかった、横じまも描かれていて、注意力が高まっていることを示しています。
スケッチで説明ができるように書いていくことができています。10歳の研究員のノートです。
13歳の中2の研究員は、さすがに経験を積んできているので、特徴をとらえようと口のあたりを中心に描いています。
前回の時は、解剖図で目の痕跡があることを知ったので、それを意識しているのがわかります。今回も、同様に特に先端部分に意識が言っているのでわかります。
そして、目の話をこのスケッチを使ってすることができます。
これから、ヒル研では何度もこのようにスケッチをしながら、ややもすると写真で全部済ませてしまう時代になったけれど、このようにスケッチも大事にしながら、研究を進めていきたいとコーディネーターはせつに願っています。