...スーパードライ... | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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前の記事について、一部訂正がありました。お詫び申し上げます。

事実⑧
過密なスケジュール
「13時~22時の公式稽古の前後に自主稽古、帰宅後や休日にかつらやアクセサリーの制作等の準備活動を行う」
「新人公演までは、ほぼ毎日、公式稽古後の夜に、新人公演の稽古がある」
「長の期として新公内をまとめる立場であり、上級生、劇団との調整等を行っていた」
新公内を指導する役割としての負担
「新公内の失敗について上級生から指導・叱責を受ける」
「下級生に組ルールの順守を指導する」
負担を増大させる事情
「長の期が娘役2人のみ」
「研6の男役と研8生がサポートしていた」
「令和5年6月で退団しようとしていたが、同期やPの引き留めに加え、彼女が退団すると長の期が1名になってしまうこともあり、退団出来なかった」
コロナ禍明けによる変更
「中止されていた上級生への挨拶や振り写しの復活」
「稽古場の閉館が22時から午前0時に変更」
公演内容の難しさ
「長の期が下級生に教えなければならないことが多々あった」
自主稽古による負担
「初日前から劇団員の寮で新人公演の稽古を行っていた」

事実推定⑦
この部分については、ご遺族側とに争点もなく、劇団員の実態を表しているところです。
今まで、具体的な「長の期」の負担については知る由もありませんでしたが、ある程度の宝塚ファンにとっては、「予想をはるかに超える」という点はなかった気がしますし、むしろ、やっぱりこんな感じだったのか...といった印象かもしれません。とはいえ、コロナ禍で中止されていたことって「つまるところ不要だった」わけで、復活させる必要があったのかと思うところはあります。
ただし、「公式稽古が13時~22時」で、その後「新人公演の稽古」とありましたので、新人公演までは、ほぼ毎日のように午前0時まで稽古しているという
「超長時間労働」
については、「ブラッ○企○」資格要件を十分に満たしているとは思いました。

事実推定⑧
もう一つ、これらの事実から浮かび上がってきたことがありました。それは、故人が
「責任感の強い真面目な方」
だったということです。
「マスコミにリークした者が誰なのか」は結局不明のままに終わると思われます。しかし、少なくとも彼女が行ったとは考え難い...。
彼女との人間関係自体が希薄であったのかもしれない宙P等ならともかく、その
「人となりを十分に知り得る機会があった」
はずの宙組生の中にも
「彼女がリークしたのではないか」
と本人を強く疑った者が複数いたとすれば...それは、(少なくとも私にとっては)
「とても悲しい真実」
ということになってしまいます...(そして、何度も問いただすようなことがあったとすれば、所謂パワハラ案件の一つとされてもおかしくありません)


事実⑨「長時間にわたる活動」については、上記の記載からでも、十分にわかることでし、劇団も責任を認めていますので、この稿で特記することはありません。


事実⑩
配役表事前開示・虚偽報告問題

2023.8.30「新人公演の配役を正式発表の1日前に新公内のLINEグループに送信した」
「故人への組長(松風輝氏)からの確認に対し、事実と反する回答をした」
2023.9.1「故人は、上記2件について組長・上級生から指導を受けた」
振り写し問題
「演出家(田渕大輔氏)よりコロナ禍で中止されていた振り写しの復活が指示された」
「長の期と新公担当の演出助手(どなたかは不明)との相談で振り写しはやらないことにしていたが、そのことを組長に伝えていなかった」
2023.9.22「振り写しについて、故人は実施しないことを希望したが、組長より実施するように指示された」
「故人と演出助手との相談の結果の代替案は組長に反対された」
「最終的には、2場面の振り写しが実施された」
「組長より個人に対し『やる気がない』という叱責があったという伝聞が複数あった」
衣装関係の問題
2023.9.27,9.29「最下級生を中心に下級生の衣装、早変わりの段取り等が十分にできておらず、大部屋の長(どなたか不明)と組長からの指導があった」
本役へのお声がけコミュニケーションが遅れた問題
「コロナ禍で中止されていた、直前の舞台稽古の1日目に、下級生から本役に声掛けするという決まりが再開された」
2023.9.29「故人は、本役(花菱りず氏)への声がけが出来ていなかったため、指導された」
「その際、下級生に確認しているのかとの問いに、故人はしていると答えたが、その後、確認していないと回答を替えたため、上級生から指導を受けた」
「その際、大声での叱責や嘘つき野郎との暴言があったとの伝聞があった」
「また、本当に嘘をついていないか何度か聞いた別の上級生がいた」
「この日、故人は帰宅せず、翌朝、自宅近くで発見された」

お詫びと訂正
前の記事で書いた「本当に嘘をついていないか何度も聞いた」というご発言は、こちらの項についてだったようです。お詫び申し上げます。また、前稿の当該部分は、とりあえず、消去線にて訂正させていただきました。


「本当に嘘をついていないか何度もきく」
ということが、
「当人を嘘つき扱いしている」
という意味であることに変わりはありませんが、上記のように、故人は虚偽の報告をしていたことが事実としてあったようです。
しかし、それでは、何故、責任感の強く真面目な彼女がそんなことをしてしまったのでしょうか...。

事実推定⑨
「配役表事前開示」「振り写し問題」「衣装関係の問題」そして「本役へのお声がけ」での事実関係からは、故人が
「すべきことが出来なくなっている」
様子が浮かび上がってくるように思われます。
しかし、前作では「長の期」の任をきちんとこなしているようです。確かに、前回よりは、負荷が多かったと思われますが、これだけミスが続くのはやや不可解...。
でも、それは、次項につながっているように思われます。
 

考察:本件事案が発生した原因
「本件事案が発生した直前期には、故人に対して、精神障害を発病させる恐れの強いほどの強い心理的負荷がかかっていた」

事実推定⑩
この場合の精神障害とは「うつ病圏」の疾患のことでしょう。そして、報告書には
親しいメンバーへ「上級生についていけない。叱られるのが嫌だ」と言っていた
ご家族へ泣きながら「悪いことはしていない信じて」「とにかくずっと怒られているから、何で怒られているのか分からない」と述べた
「なんで叱られているのか分からない」「叱られていることに何とも思わなくなってきた」と話していた
とありました。

うつ状態による心身の不調は、気分の落ち込みだけでなく、過度に悲観的な思考傾向、思考力自体や判断力の低下をもたらし、作業能率が著しく低下します。そして、これらの言葉は、その事実を強く示唆するものであるように思います。
また、報告書で示されている「長の期の業務」は、会見で劇団側が言っていたように、
「今まで、皆出来ていたことなのだから、出来るはず (と思っていた)
どころか、実際には、
「心身ともに健康である者が、周囲のサポートを得て、何とかこなしていける」
といったレベルの高負荷業務でしょう。事実推定⑧で述べた「本来すべきことが出来なくなっている」ことは、当時の彼女のコンディションを考えれば無理からぬことだと思います。
とっさに虚偽の申告をしてしまっていることも、精神的に全く余裕がなく、どうしていいのか分からなくなってしまっている...そう、「本当の自分」ではなくなってしまい
「心が壊れてしまった」
ように感じている様子を表しているように思われます。「叱られていることに何とも思わなくなってきた」という言葉も、それを強く示唆しているようです...(普通ならあり得ないことなだけに、これは相当に怖い言動だと思う...)

淡々と?
勿論、そういった疾病診断的なことが、劇団の方々に出来るわけはなく、その点についての法的瑕疵は全くありません。でも、専門家ではなくても、「いつもとは違う様子」には気付けると思うんですよね...。
「口数が少なく、活気に乏しい沈みこんだ様子」「体重が減ってやつれた姿」「今までにない精神的な不安定さ」「今まで出来ていたことが出来なくなっている」
見るからに憔悴しきった様子だったんじゃないかな...。しかしながら、淡々と
「業務は、通常通りに負荷」
され、淡々と
「出来ていなければ、通常通りに指導、叱責」
が行われている様子しか見えない。勿論、それは、何らかの法的責任を問われるべき事柄ではない。単なる「職場の人間関係」って考えれば、そんなものでも不思議じゃないかもしれないけれど...(皆が疲労困憊している○ラック企業等では、むしろ普通のことかもしれないけど)
「一つの舞台を皆で作り上げる」
といった側面があるはずの団体内にしては、
「相手を思いやる、労わる」
というような「仲間意識」といったものが感じられず
「あまりにドライな人間関係」
が浮かび上がってくる...(伝聞の中には、一種「○伐とした風景」さえ想定しうる記述さえある...)。最初に書いた「彼女を疑う方がいた」こととともに、何だか心の中に、スーッと冷たい風が吹き込んでくるような想いにとらわれました。
報告書を読む限り、辛そうにしていたはずの本人に対してのサポートって、新人公演内においての
「新研6の男役と研8生がサポートしていた」
という記載があるのみですものね...(その他にも何かサポート的なことがあったのなら、記載がありそうな傾向の報告書だけに、記載漏れでなく、哀しいことにそれが真実なのかもしれない...)


事実誤認?②
理事長さんは
「宙組に何ら問題はない」
っておっしゃっていたけれど、そうなると
「他の組も同じ状況」
って意味にもなりかねないので、この発言については、
「事実誤認」
であってほしいと思っています。


第3者委員会
このままでは裁判に向うことは避けられないでしょう。ご遺族の方の心中を少しでも慮れば、それは無理ないこととも思えます。
ただし、こういった悲痛な出来事があって、なお
「何も変わらなかった」
のでは、あまりに虚しすぎる...。
「過去は変えることが出来ませんが、未来は変えることが出来る」
かもしれません。実際に、今回の責任追及とは別に、音楽学校の生徒さんを含めて、全劇団員に広くヒアリングを行っていく方針が示されているようです。

未来へ
こういった方針に対して
「責任追及が先」
的な批判も上がっているようですが、私は、そういった考え方には賛同できません。今回の事象の法的責任については、ある意味、
「裁判で明らかにしていけばよい」
し、その過程で「道義的/倫理的責任の所在」も明らかになるかもしれない。しかし、裁判の決着には、とても時間がかかることでしょう。
このヒアリングには、
「今すぐにでも改善できることがあれば、改善していこう」
とする劇団の意志と危機感を感じます。次期理事長が音楽学校の校長を兼務することも、その流れの中で理解できそうです。
今さらで、こちらもお詫びが必要かもしれませんが (「前稿のお詫び」も含め、軽率で怠慢な言動をしがちなのは分かっているはずなのですが、何歳になっても、結局、同じ過ちを繰り返してしまいます...)、「一目瞭然」ではなく、むしろ、
「人は見かけによらない」
ってことかもしれません (会見時の頬がややこけて、視線が鋭く、やや強面に感じられたのは、むしろ、非常に強く責任を感じている姿だったのかもしれない...)。是非、そういった意味でのヒアリングを、積極的に進め、劇団員にとって、より良い歌劇団にしていただきたいと思います。


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