スカーレット ピンパーネル⑬ ‘17年・星組・東京 「歌ウマとは...」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

My Favorites:
①ちーずちゃん ②はばまいちゃん ③たけちゃん ④こっちゃん ⑤キキちゃん
①20世紀号 ②1789 ③ファントム ④王家に捧ぐ歌
①とうこさん ②あさこさん
①あすかさん ②おはなさま 

ミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』
Book and Lyrics by Nan Knighton  Music by Frank Wildhorn
潤色・演出/小池 修一郎  

平成29年6月3日 東京宝塚劇場 15時30分公演 1階17列センターやや上手側S席
6月4日 11時公演 2階7列 センターやや上手側A席

「これはコメディーだ」
最初にムラで観劇した時の感想で、そう書いたような気がします。そして、やはり、その通りだったのでしょうか? でも、それでいいのでしょうか?

(私の思う) 歌ウマのトップスター、トップ娘役
初心者で、あまり昔の舞台は知りませんが、映像で見た方を含めて、個人的に歌ウマ Top 5と思っているのは:
トップスターでは、とうこさん、まさおさん、みっちゃん、きりやん、あさこさん
トップ娘役では、ふうちゃん、あすかさん、まりもさん、おはなさま、みりおん
(ちなみに、歌ウマとしてよくお名前があがる「オサさん」の歌はちょっと苦手です)


○ 今回の星組再演の歌唱についての評価
私は、いつも通り、しっかりと肯定的に (?) 評価しているつもりですが、結構、厳しめの記事も少なくないみたい? うーん...どうしてかな?

○ 歌唱力の評価について
私自身の歌唱力の評価の仕方は
① 発声:声がきちんと出ているか? 声が割れたり、ひっくり返ったりしないか (ただし、正にプロの声楽家である一流オペラ歌手でも、声がひっくり返ることは皆無ではないので、ノーミスを求めているわけではありません)。あとは、宝塚の公演は非常に長丁場。一作品で100回もの舞台を安定してこなすだけのタフネスさも必要です。
② 声量:マイクでの音なので、音響調整のファクターも大きいでしょうが、実際にきくと、朗々と響く声と、響きが弱い声は、かなりはっきりと分かりますね。
③ 音程:音程がしっかりととれているか?
この3つがまず評価の基礎となっているでしょうか。所謂、歌唱技術的な評価、カラオケ点数的な評価ともいえるかな?

○ 本当の (?) 歌ウマ
歌ウマというと、↑に書いたような歌唱技術に秀でているというニュアンスになってしまいそうですが、それだけでは、歌で魅せるスターとは言えないと考えています。もう一つ、非常に大きな要素は
④  声質:歌う声自体の美しさ
これこそが、実は非常に大切なファクターとなるように思います。↑の3つと違って、点数化しにくく、個人的嗜好によっても左右されやすそうですが (例えば、私は、オサさんのノドを開き切らずに、声をコントロールしているかのような歌い方が苦手です)、これは、実際の舞台での歌の評価に、非常に大きなファクターになっているように思えます。


● 『スカーレット・ピンパーネル』星組初演の主役トリオ

① パーシー・ブレイクニー/安蘭 けい(77期・首席 「とうこ」)
発声 ☆☆☆☆☆ / 声量 ☆☆☆☆☆ / 音程 ☆☆☆☆☆ / 声質 ☆☆☆☆☆

(どんなにオチャラケていても) この人物の大きさ以外を感じさせない演技も含めて、文句のつけようがない。これからも、乗り越え難い (ひょっとして「登れない」かもしれない空前絶後の)、高き山であり続けるでしょう。

②  マルグリット=サン=ジュスト/遠野 あすか(84期・9番 「あすか」「ふくいちゃん」)
発声 ☆☆☆☆☆ / 声量 ☆☆☆☆☆ / 音程 ☆☆☆☆☆ / 声質 ☆☆☆☆☆

こちらも、同様の高き目標となり続けるはずです。フランス一の女優に相応しい確かな実力とその芯のしっかりとした凛とした美しさ。そして、大人の女性のしっとりとした声質の歌い手として、宝塚最高だと思っています。

③ ショーヴラン/柚希 礼音(85期・2番 「ちえ」)
発声 ☆☆☆☆☆ / 声量 ☆☆☆☆☆ / 音程 ☆☆☆☆ / 声質 ☆☆☆☆

声量が豊かで、発声も非常に力強く、歌声の迫力という点では (その芝居の迫力という点でも)、他を寄せ付けません (おそらく、これからも長き年月、乗り越えられられ...)


● 『スカーレット・ピンパーネル』星組再演の主役トリオ

④ パーシー・ブレイクニー/紅 ゆずる(88期・47番 「さゆみ」「さゆちゃん」「ゆずるん」「べに子」)
発声 ☆☆☆☆ / 声量 ☆☆☆☆ / 音程 ☆☆☆☆ / 声質 ☆☆☆

歌唱技術的には、非常に高レベルで安定したものです。特に、会場全体に響き渡る声量の豊かさ、サビをしっかりと十分に声を伸ばして歌い切り、曲の聞かせどころをキチンと作っているところ、そして、何より、そのパフォーマンスが、毎回同じように安定して出来ているところには、素直に感嘆しています。問題はむしろ...もう一つのファクターなのでしょう...。

⑤  マルグリット=サン=ジュスト/綺咲 愛里(96期・17番 「あーちゃん」)
発声 ☆☆☆ / 声量 ☆☆☆ / 音程 ☆☆☆ / 声質 ☆☆☆

たまに声が割れそうになり、時々音程が少しずれますが、私が聞いた9回の公演の中で、大きく破綻するような歌唱は一度も聞いたことがありません。さゆみさんほどの安定ぶりではありませんが、やはり事前予想を上回る大健闘だと思っています。

⑥ ショーヴラン/礼 真琴(95期・首席 「まこっつあん」「こと」)
発声 ☆☆☆☆☆ / 声量 ☆☆☆☆☆ / 音程 ☆☆☆☆☆ / 声質 ☆☆☆☆☆

歌声の迫力という点では、一歩ちえさんには及びませんが、音程のビシッと感、そして、何と言っても、歌声の美しさでは、現劇団でトップでしょう。息継ぎがやや目立つといった評も目にしましたが、それよりも、あの小柄な身体で、あの低音を、あれだけの声量で歌い切っている方を評価すべきだと思います。


● 初演と再演のトップコンビの歌唱
ミュージカル作品の最も大きな楽しみは、素晴らしい楽曲の数々を堪能するところにあるでしょう。この『スカーレット・ピンパーネル』も数多くの名曲に彩られています。
そして、トップコンビに与えられる名曲の歌唱の魅力という点において、この再演が、初演にかなり及ばないのは、(映像でしか知らない私にとっても) 歴然としています。ですから、相対評価だと、厳しい結果になってしまいそうですが...。でも、それは、初演の「とうあす」の歌唱があまりにもハイレベルであったためとも言えます (「きりまり」ですら一歩及ばないでしょう)

さゆみさんの歌は、歌唱技術的には見事なもので、公演終盤でも変わらない安定ぶりも加え、私の事前予想をも遥かに上回るものです。あーちゃんは、歌唱技術的にも、もう一つではありますが、決して破綻することなく (声が割れたりすることは、宝塚の舞台においては、決して稀なことではない)、ここまで歌い切っていて、宝塚歌劇団全体的な歌唱レベルを考えれば、まずまずの線には達していると言えそうです。つまり、2人とも発声/声量/音程といった歌唱技術的には、大きな瑕疵はない...。
でも、私自身も、お二人の歌唱に魅了されるというわけにはいきませんでした...それは...

とうこさんも、あすかさんも、歌唱技術の高さは勿論、声自体が非常に美しい...。豊かな響きで、耳に心地よく歌が聞こえてきます。さゆみさんも、あーちゃんも、決して悪い声ではないのですが、見事に歌いこなされていても、うっとりと聞き惚れるとまではいかない...。そこは、努力によって高めうる歌唱技術ではなく、もって生まれた声質によるものが大きい...。
それは、多分、実際に初演をベンとして体験し、新人公演ではパーシーを演じた、さゆみさんが、誰よりもご存知でしょう。今回、コメディー的な要素が色濃いのは、そういった自覚の上で、ご自分が、お客様にみせられるのは...といったお考えがあるような気がしています。


● 2人のショーヴランの歌唱
ちえさんは、初演にしてすでに、ショーヴランの一つの理想像を作り上げてしまった感があります。そのむっちりとした力強いプロポーション、大きな瞳での鋭いまなざし、そして、何と言っても、その強靭な声の響きと迫力満点の歌いあげ方、そして、ちょっと○けているところ。全てピッタリはまっています。映像でしか観ていない私でも強烈な印象が残るのですから、生の舞台を何度もご覧になった方々にとっては、ショーヴラン≒ちえさんみたいな呪縛が生まれても仕方ないようにさえ感じます。

しかし、我らが (?) こっちゃんも決して侮れません...。見た目のショーヴランらしさは、確かに完敗ですが...。いや、むしろあの体型から出てくるからこそ、あの凄い歌唱のインパクトが高まっていると言えるのかもしれない。新人公演終演後、目の前を通り過ぎて行った細くて華奢でcharmingな女性...が、あの難曲を歌い切っている...。私たちは出来るのを知っているけど、初めてこっちゃん/ショーヴランをみる方々は、本当にビックリされるのでは?
歌唱技術 (発声/声量/音程のいずれも) が完璧 (たまに音が少しずれることはあるけど)...だけではなく、何と言っても声が美しい...。もう、うっとりとするばかり...。あの低音美声は、現劇団で間違いなくNo.1でしょう。
(某○組の○ップスターのように) 声質が☆☆☆未満の場合、いくら音程があっていようと、声量が豊か過ぎると、はっきりいって○ルサイので、マ○クを絞ってほしくなるのですが、こっちゃんのような超美声は、どんなにヴォリュームが大きくても (そりゃ限度はあるでしょうけど (笑))、ウ○サイどころか、聞き惚れるばかり...。
(きちんと歌えてはいても) トップコンビからは得られない何かを、十分にたっぷりと、こっちゃんがもたらしてくれます。

何度か「ミュージカルの主役」といった感想を書いていますが、それは、この公演を、“単なるミュージカル風コメディー”ではなく、“ミュージカル作品”として鑑賞できているのは、ある意味、こっちゃん一人に依っているからです (無論、ぽんちょ君、いーちゃん、カトリーヌ、ほのかちゃん、ゆうほ君などの歌ウマさんが中心となるコーラス等の力も大きいのですが、それだけでは“ミュージカル作品”にはなりえない)

ムラで4回観て、東京でも、すでに5回観劇...。食○気味なところがないとは言えないけれど...、こっちゃんの歌を聞くと、「来てよかった」と思って (「もうすぐ終わってしまうのが切なく」なって) しまう自分がいます。

スカピン
(星組初演、月組再演...どちらも、凄いキャスト、真の実力者揃いでしたね...。
「登れない山 渡れない河 数多の障壁乗り越えて...」
お二人とも、大健闘だと思っています)



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村