前回に続き今回も Apple ワイヤレスキーボードのキーカスタマイズをお届けします。
今回行うカスタマイズは、このキーボードにあるデフォルトでは機能しない Fn キーや Eject キーなどの特殊キーを Windows 上で扱えるようにするものです。このカスタマイズを行うためにここでは『Apple Wireless Keyboard Helper for Windows』というツールを使います。
ツールのインストールは公式サイトから最新版の AppleWirelessKeyboardHelper-20071102.zip をダウンロードして任意の場所に解凍します。これでツールを使う準備は終わりです。ツールを実行するだけでかなりの特殊キーが使えるようになっています。デフォルトであらかじめセットされているキー(コマンド)の一部は以下の通りです。
- Fn+F3 VistaでAeroを利用している場合は3D Flip。それ以外はデスクトップを表示
- Fn+F4 PrintScreen キー
- Fn+F7 iTunesで前の曲へ
- Fn+F8 iTunesで再生・一時停止
- Fn+F9 iTunesで次の曲へ
- Fn+Del Del キー
- Fn+Up/Down PageUp/PageDown キー
- Fn+Left/Right Home/End キー
- 英数キー IMEの切り替え
- カナキー 変換
このツールはコマンドのカスタマイズに対応しており、変更する場合は設定ファイルに実行したい機能を記述(書式は IronPython スクリプト)して行います。設定ファイルはアプリケーションのファイルが含まれているフォルダにある Scripts フォルダの中に、拡張子を .py としたファイルが設定ファイルになります。ファイル名は拡張子が .py であればどのような名前でもいいようです(例えば my.py だったり tarou.py だったり)。
私はこのキーボードの delete キー(Backspace)の上にある Eject キーを通常の delete キーに設定したかったため以下の様な記述を設定ファイルに追加しました。
Util.SendInput(Keys.Delete)
IronPython スクリプトは初めてだったので詳しくは説明できませんが、"def OnDown_Eject():" で "Eject キーを押下したとき" というイベントを定義をして、その動作を "Util.SendInput()" を使って "delete キーのキーストロークを送信する"、というものだと思います。コーディングをしたことがある方であれば色々できそう、とワクワクするかと思います。
もしこのキーを本来の Eject キーとして使うのであれば
Util.Eject("Q");
と記述します。ここで言う "Q" は CD/DVD のドライブ名です。これで Q ドライブのトレイがオープンします。
と、ここまでで私の場合は十分使えるキー配列が完成しましたが、もしこれでも使いにくいようであれば自分でスクリプトを記述して使いやすいように調整してください。スクリプトの編集が苦手な方は編集済みのスクリプトをこちらに置いておきます。拡張子が"py"になる名前で保存して Scripts フォルダにコピーしてください。
・apple_keybord.py
ツールのダウンロードはこちらからできます。
Apple Wireless Keyboard Helper for Windows - misuzilla.org
マック用の Apple ワイヤレスキーボードでしたが Bluetooth で簡単に接続ができ、『Change Key』と『Apple Wireless Keyboard Helper for Windows』というツールを使ってカスタマイズすることで Windows Vista でも通常の Windows キーボードと同等の操作ができます。『Change Key』や『Apple Wireless Keyboard Helper for Windows』など便利なツールを無料で公開している作者のお二方にはホント感謝です。
肝心のキーを押した感じは見た目どおりノートパソコンのキーボードと同じような感覚で、通常のキーボードのように深く押し込むことはできませんが、しっかりしたクリック感がありキーが引っかかることもないのでストレス無くタイピングできます。またキーの大きさが極端に小さいということもないので(キー幅は約16mm)打ち間違えることもないと思います。
ワイヤレスということでバッテリー周りで一つ。使用後は本体右側にある電源ボタンを長押しすることで OFF になります。また使っていない時は、内蔵された電源管理機能が自動的に電源を切って電池を節約し、キーに触れると同時に電源が入るエコ仕様だそうです(公式サイトより)。