賞味期限の見直しで 「食品ロス」削減の動きが広がる

MONEYzine 2014年6月21日 14時00分 (2014年6月21日 15時45分 更新)



食べられてもゴミと化す「食品ロス」。そこで“もったいない”の国である日本では、対策のひとつとして賞味期限の見直しが始まった。

 飢餓に苦しむ現実がある反面、世界では毎年総生産の30%以上に相当する13億トンの食料が破棄されている。日本においても、その量は年間約1700万トン。このうち「食品ロス」と呼ばれ、まだ食べることが可能でも廃棄される量は、500から800万トンあるという。そして半分にあたる300~400万トンは事業系とされている。そこで捨てる量を、無駄を減らせと、昨年から農林水産省と食品業界では、食品ロス削減に向けての取り組みが動き出した。

 皮切りは、未開封で表示された保存方法に従えばおいしく食べられる「賞味期限」に関する見直しだ。

 現在の日本の商習慣では、賞味期限までの3分の2の期間を残して、3分の1となった商品は出荷されずに廃棄処分となることが多い。そこで農林水産省、食品製造、卸売り、小売りの企業などで構成される「食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム」が昨年8月から今年1月まで、飲料と菓子商品を対象に賞味期限を緩和して2分の1以上にした実証実験を行った。その結果、事業系の食品ロス全体の約1から1.4%となる飲料約4万トン、菓子約1200トンの合計4万トンを超える量が削減された。金額に換算すると飲料では71億円、菓子では16億円の計87億円に相当する。同実証実験は半年間で一部の商品に限られたが、効果はかなりのものがあった。今後、対象となる商品の拡大、ひいては新たなる商習慣の確立へと期待も大きい。

 一方、連携による効率化で地球環境の悪化防止を協議する「サスティナビリティプロジェクト(製造ほか全18社で構成)」では、賞味期限の表示方法を従来の「年月日」から「年月」に変更する動きが進んでいる。2013年5月からは「森の水だより(日本コカ・コーラ)」や「アサヒ おいしい水(アサヒ飲料)」ほか、2リットルペットボトル入り国産ミネラルウォーターが、さらに今年6月からは「ファイア(キリンビバレッジ)」「ボス(サントリー食品インターナショナル)」など缶コーヒーなども加わった。同変更で、製造、配送、販売の過程にある非効率な面が軽減され、食品ロス削減には効果が期待できるという。
インスタント食品や飲料など、加工食品の賞味期限を延長する動きが広がっている。まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らす効果が見込めるほか、災害用として家庭に備蓄しておける期間が長くなる利点もある。

 カップ麺は製造後5か月から6か月に、袋入り麺は6か月から8か月に――。日清食品や明星食品、東洋水産などの即席麺メーカーは、4月製造分からインスタントラーメンの賞味期限を延長した。店頭にも、期限が延長された商品が並び始めている。

 即席麺の業界団体は昨年、賞味期限設定の指針を見直した。加盟社の保存試験データを持ち寄るなどして検討し、少なくとも期限を1、2か月延ばせると結論づけた。各社の対応はこれを受けたものだ。

 同様の動きは他業界にも広がっている。

 キリンビバレッジは紙パック入りの紅茶や緑茶飲料(250ミリ・リットル)について、賞味期限を180日から270日に延長。カゴメも一部の缶入り野菜飲料(190グラム)を、2年から3年半に延ばした。いずれも、一定期間を経た商品を再検証するなどした結果、延長しても問題ないと判断した。

 中堅スーパー向けのプライベートブランド(PB、自主企画商品)開発を手がけるシジシージャパン(東京)も、PB商品の期限を見直した。サンマのかば焼きなど魚の缶詰は3年から4年に、パック入りご飯は8か月から10か月に、切り餅は1年半から2年に、それぞれ延長した。

 賞味期限の見直しの背景には、食品ロスが世界的な課題となってきた点がある。

 国内の食品業界は「なるべく新鮮な商品を手にしたいという消費者の要求に応える」(食品メーカー)などの理由から、海外よりも賞味期限を短めに設定する傾向がある。

 だが、世界で13億トンもの食料が毎年廃棄され、食品ロスが問題視されつつある。国民生活産業・消費者団体連合会が昨年行った消費者調査でも、食品ロスを「国民全体で優先して取り組むべき問題だ」とする回答が45%あった。

 また、東日本大震災を機に、家庭での食料備蓄が広まり、より長く保存できる食品を求める声も強まってきた。

 企業の意識も変わりつつある。流通経済研究所が昨年、食品メーカーにアンケートしたところ、過去5年以内に賞味期限を延長した企業は、回答した243社のうち28%。今後延長を予定している企業も同8%あった。

 もっとも、「むやみに延長すると消費者の不信を招きかねない」(別の食品メーカー)という考え方も根強い。企業個々の実際の動きには、ばらつきがあるのが現状だ。

 同研究所主任研究員の石川友博さんは「日本の容器包装技術や衛生管理は世界でもトップレベルで、賞味期限の延長は可能。消費者の『もったいない』という意識が高まれば、さらなる見直しが進むと思われる」とみている。(田中左千夫)

 賞味期限 おいしく食べられる期限のことで、主に日持ちする食品に表示される。食品衛生法や日本農林規格(JAS)法に基づき、各メーカーが設定している。総菜や弁当など傷みやすい食品に表示される「消費期限」とは異なり、期限が過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではない。

(2014年5月8日 読売新聞)

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「迷惑かけ申し訳ない」 阿部容疑者が混入認める供述
2014.1.29 16:36 [事件・トラブル] http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140129/crm14012916370009-n1.htm


食品大手マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬県大泉町)の農薬混入事件で、偽計業務妨害の疑いで逮捕された同工場の契約社員、阿部利樹容疑者(49)が、容疑を認める供述を始めたことが29日、分かった。群馬県警幹部が明らかにした。

 県警幹部によると、阿部容疑者は「(農薬を混入したのは)私です。お客さまや会社の従業員、家族に大変なご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳なかったと思っている」と反省の言葉を述べているという。ただ、県警幹部は動機や混入方法については、「コメントできない」としている。

 阿部容疑者は昨年10月3~7日、工場内で4回にわたり、4製品に農薬「マラチオン」を混入したとして今月25日に逮捕された。これまでの取り調べには「覚えていない」と容疑を否認していた。

 県警は、マラチオンを商品に混入させた方法や、詳しい動機などを追及する方針。また、マラチオンは逮捕容疑の4製品のほか、別の6製品からも検出されており、県警はこれらも阿部容疑者が混入させたとみて調べている。

 県警は同日、捜査員約50人を群馬工場に派遣。同社が全国の消費者から回収した商品の中に、マラチオンが混入した商品がないかなどを調べたとみられる。

ウナギ産地偽装:「指示書」で偽装依頼 吉田町の加工業者に /静岡

 台湾産ウナギを静岡産と偽り、吉田町の食品卸会社「大井川うなぎ販売」社長ら2人が不正競争防止法違反(誤認惹起(じゃっき))容疑で21日に逮捕された事件で、同社が食品加工「丸明」(同町)に偽装を依頼する「加工指示書」を送っていたことが、県警への取材で分かった。

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「腹立たしい」「判別仕組みを」 ワカメ産地偽装疑惑
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20140127-OYT8T01327.htm



◇県緊急対策会議 生産者ら怒り、要望
外国産ワカメを「鳴門産」と偽って販売した疑いがあるとして、県警が鳴門市のワカメ加工販売業者「小林商店」を日本農林規格(JAS)法違反などの疑いで捜索したことを受け、県は27日、生産者や加工業者ら関係者を集めた緊急の対策会議を開いた。「鳴門わかめ」については、これまでにも加工業者らによる偽装が明らかになったことがあるだけに、関係者らは信頼回復に向けた取り組みを改めて徹底していくことを確認した。(苅田円)

 鳴門わかめを巡っては、2008年に加工業者ら13社による大規模な産地偽装が発覚。この事件を受け、鳴門市の加工業者は「鳴門わかめブランド対策部会」を発足させ、生産者に依頼して産地証明書を発行してもらうなどの取り組みを進めている。

 会議には、熊谷幸三副知事や漁協、加工会社、消費者団体の代表ら15人が出席。県の担当者からは、13年1月に同社をJAS法違反の疑いで刑事告発するまでに、同社が産地がわかる伝票などを適切に保管していないとして、11年6月と12年11月にJAS法に基づく行政指導をしていたことなどが報告された。

 意見交換では、福池昌広・鳴門町漁協組合長が、加工業者が捜索を受けたことに対して「生産者にとっては本当に腹立たしい話だ」とし、同社が同部会に属していなかったことから「会員業者と、そうではない業者が一目でわかる仕組みを作ってほしい」と要望。同部会の八幡昭彦部会長は「部会員を集めた会議で検討する」と応じた上で、生産者が発行する証明書について「証明書は加工業者の依頼を受け、生産者が自主的に発行する。中には発行を依頼しない加工業者もいるので、徹底するよう部会員に改めて呼びかけたい」と述べた。

 県も産地偽装の疑いが強まり、改善がみられない場合は、業者を県警に告発するなどの強い姿勢で臨む方針を説明した。

 また、鳴門市は市職員らによる緊急の会議を開催。泉理彦市長は「市としても信頼回復に向け、できることはすべてしていく」と話した。

<「憤り禁じ得ない」知事、記者会見で>

 鳴門市のワカメ加工販売業者が県警の捜索を受けた問題に関連し、飯泉知事は27日の定例記者会見で「全国でも定着したブランドを傷つけ、取り返しのつかない行為。憤りを禁じ得ない」と述べた。
(2014年1月28日 読売新聞)