’71年型のオールドトライアンフを駆った2月の日曜日

第三京浜から横浜新道を経て、リスキーな合流を細心の注意を持って進み、横浜横須賀道路へ。
ペースはほぼ80km/h。

佐原ICで出口に進路を取る。インター正面のエネオスで給油だけしてすぐにまた横横へと折り返し、少しペースを上げた帰り道。

想像時速110キロ程に一度速度を上げ、水冷のモダンクラシカルトライアンフをパス、再び90キロ程で左車線を走行していると後方から大きめの連なる重低音が聞こえてきた。明らかに複数台の排気音。

これは…  ←前回ここまで(^_^;)

すぐに震える右ミラーで後方を確認すると腕を高めに構えて上体をほぼ直立させている姿が見える。 
この音、あの乗車姿勢
これはまず、あれだな(笑)

2023年の日本における海外バイクの新車販売シェアで36%以上を誇る外車のNo.1ブランド、ハーレーダビッドソン の7〜8台ほどの集団だ。

ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ〜

連なり重なり共鳴するハーレー独特の重低音を吐き出しながら、旧いトライアンフに乗る僕を多分時速10キロ程のスピード差で追い抜いて行った。
新旧入り混じったハーレーのチーム走行だ。

ちょうど前の車に詰まりそうだった僕はその最後尾を追いかけるように追い越し車線へ進路変更してスピードを増す。
100km/h  (…just my  imagination)


……うーん時速100キロでは少しづつ離される。。ハーレーは少し位古くったって何せ排気量が大きいから100km/hなんてエンジンは余裕しゃくしゃくなんだよねー。

僕はそのまま今日一番のペースを保ちながら基本 左車線、時に右車線で横浜新道と交わる新保土ケ谷を目指す。

行きはたかが80キロでも前回記事① で書いたように なかなか濃い走行だったけど

こちら↑


今はなんとそれよりも20キロほどアベレージを上げて疾走している。

しかもロングストロークの2気筒エンジンが
より快調に回っていて、ワチャワチャしていた濃さが、スピードと言う名の元にいい感じに集約されて、継続しても苦にならない濃い味わいとなっている。

横横は真っ平らな一直線ではなくアップダウンが適度にあって、緩いカーブもちょこちょこあるのでそれも楽しさの大きな要因だ。



快調な横浜横須賀道路
疾走する’71トライアンフ


小刻みに震えるタコメーターは4000rpmに届こうとしている。

車体、ハンドルはタコメーターの指針の位置に比例して震える速さを増しているが、振幅はある一定の所で落ち着きエンジンのバランスの良さを伝えてくる。

それでも遊びを多めに取ったクラッチレバーはカタカタと音を立てて震えようとする。レバーに軽く人差し指を当てて振動を押さえる。


 ズゥオオオーーーーー


鉄のリムの後輪が凄い勢いで回転しているのが僕の体の全背面でダイレクトに感じられる。ほぼブロックパターンと呼べるDUNLOP-K70が必死にアスファルトを蹴る。



前輪はあくまでも従輪だ。しかもK70の19インチの速度記号はPで最高速度はたったの150km/h。が必要にして充分。(かな?)

アクセルを捻る右手と同じ位の力を左手グリップにも加えて両腕のパワーバランスを取りながら緩やかにハンドルを保持する。
わずかでもバンクする度にダンロップK70がジャイロ効果を多めに伝えてくる。

 ズゥオオオーーーーー

両足は丸太のようなゴムをはめられたステップを軽く踏みつける。

ごっつい造りのL型ステップの根本がボルト留めされるフレーム位置の周辺はミッションケースを止めるプレートなどで補強が入り、どうやっても曲がったりしない造りになっている。


その高い剛性と丸太のようなゴムのためか、ステップには振動をあまり感じない。

 バッ
 ズバババババッ〜〜!

走行風のためにジェットヘルメットの後付シールドがわずかに震えている。 


快調な横浜横須賀道路
疾走する’71トライアンフ


厚手のライダースジャンパーを通して寒さがやや身体に侵入してきていたが、順調にオールドトライアンフにとってのハイペースを保ったまま帰路の距離を刻む。


アクの強いオールドトライアンフが僕を強くしてくれる。
心が気持ちよく鞭打たれてるような気分だ。


写真は以前に撮影したもの


このエンジンとこの車体ならではの野性的エネルギーが路上に展開される。それを集中を伴った緊張感を持って全身全霊で受け止める。
スピードを増すトライアンフの力走が容赦なく発するエネルギーとの交わりと言うか一種の格闘だ。
(トライアンフに乗る時くらい…真面目な日本人やってんじゃねーぞ、お前! 
バイクの本質分かってんだよな!?)
←トラの呟き


ズゥオオオーーーーー!
バッ!
ズバババババッ〜〜!


クゥッー!😆


あー!
バイクは本当に気持ちいい!
「最高」の称号がふさわしい乗り物だ


そう、僕は今
天上の乗り物に乗っているのだ。

天上の乗り物で、地を駆けている。


天上の乗り物で
地を駆けろ!

つかの間の放浪者たる
歓びを堪能するのだ



真顔



ハイペースを保ったまま右車線を進む。

別所インターが近づく頃、左前に重低音を発する7台程のバイクの集団が見えた。

さっき僕を抜いていったハーレー達だ。六ツ川料金所に備えて早目に左車線でぺースを落としてるのか。

フッ…またおあつらえ向きの標的が現れたぜ…←単に向こうがペースダウンしてるだけ😆

想像速度100キロ程で走っていた僕はシート上のお尻を更に後ろに引き前傾の度合いを高め…
旧いトライアンフのアクセルをさらに手前にクイッと捻る!ワイドオープンだ。

ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ、ドッドッドッ
と重奏低爆音を発しているHOG達を、彼らが僕を抜かしていった時の速度差以上で一気に追い抜いてやるぜ!←おい おっさん!w

わずか650ccのバーチカルツインエンジンはMAXトルクを得るパワーバンドに放り込まれ、そのやや甲高い官能の雄叫びはHOG達の重奏低爆音に、オーケストラの中のソリストのような彩りを放ちながら駆け抜ける!

DZuZzzzwwーー〜 !

(ん?何だ?)って感じの顔つきで、彼らの内の一人がちらりとこちらを見た。


真顔

抜き返すのって
チョ〜気持ちいい!(笑)
 ひねくれ者ではありません、よ。

モダントライアンフの時に続いて、再度
 (お兄ちゃん、あばよー!)←性格


※HOGとは雄豚の意味だがアメリカのスラングでは高級大型オートバイ、すなわちハーレーのことも指す。ハーレー社も認めていてオーナーズグループのことも頭文字を取ってH.O.Gと呼ぶ



さて、そんないいペースを保って北上走行を続け、第三京浜都筑PAにたどり着きスタバで軽く飲食してると
やっぱりと言うか、、あのハーレー集団もやって来ました(笑)
(まあ休んでくれたまえ)←どこから言ってんだ


てかそれより…おや、ベロセット(イギリスの黒い旧車)を送り出している男性がいる、よくよく見ると……
あれ〜超久しぶりの!………?


以降、また次の記事で!

では!