●結婚の障害。

 

 

 


恋人同士になり、あとは結婚。というのに、

 

 

結婚できないというカップルからの電話相談です。

 

 

 

 

 

 


事情を聞くと、

 

 

彼氏さんは30歳独身、彼女さんは26歳独身。

 

 

普通なら、何の問題も無い幸せカップルになるところですが、

 

 

 

 

最初の山は、二人が付き合う時にやってきました。

 

 

 

 

 

出会いは彼女が、彼の職場にアルバイトに来た時でした。

 

 

一目ぼれした彼は、その3ヵ月に彼女を食事に誘い、

 

 

彼女もまんざらでは無い様子。

 

 

その後も何回か食事などに誘い、

 

 

その半年後には、満をじして、彼から交際を申し込んだのでした。

 

 

 

 


ところが、

 

 

 


彼女の返事は、まさかのNO

 

 


理由を問い詰めると、

 

 


「貴方の事が、嫌いとかじゃないの。」と言う。

 

 

 


更に問い詰めると、

 

 


彼女は、以前病気になり、

 

 

子供が産めない体だと告白したのだった。

 

 

それに対して、彼氏さんのお父さんは地元にあるスーパーの社長さん。

 

 

つまり、長男の彼氏さんは、次期社長になるかもしれない存在。

 

 

当然跡継ぎ問題で、子供が産めない自分はふさわしく無いと思い身を引いたのでした。

 

 

 


彼女の告白に対して、彼は無言だった。

 

 

 

そして、1週間彼からの音沙汰も無くなった。

 

 

 

 

 

 

気まずいので、彼女は会社を辞めようと思った。

 

 

 

 

 

 


ところが、突然彼から再び告白されたのである。

 

 

「子供はいらない。君がいれば、それだけでいいから。」

 

 

こうして彼らは、最初の山を越えたのでした。

 

 

 

 

 

 

 


しかし、更なる大きな山が、彼らの前に立ち塞がります。

 

 

 

 


結婚したいという彼に、父親が猛反対したのです。

 

 

社長である父親の猛反対では、もう誰も意見する事も出来ません。

 

 

父親は彼女の履歴書から身の上調査を行った様でした。

 

 

父親を中学生の時に病気で亡くし、

 

 

その後、母親に育てられた彼女。

 

 

母親はスナックの雇われママで、短大時代、従業員が急に辞めた時など、

 

 

彼女もそのスナックで働いていた事もあったそうです。

 

 

つまり、片親で財産も無く、水商売の母親、

 

 

そして、子供が産めない体。

 

 

社長の父親が、彼女を拒む理由には事欠かせませんでした。

 

 

「あの女だけは、あきらめろ! いいな。」

 

 

 

 

もう、二人の将来は絶望的でした。

 

 

いつもの様に、彼は泣いている彼女の部屋に行って、彼女を慰めている時でした。

 

 


二人で、占いの電話相談をかけてきたのです。

 

 

 

 


さて、もし貴方の友人が、こんな相談をしてきたら、

 

 

貴方はなんと言ってあげますか?

 

少し考えてみてから、先をお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は彼らの話を聞いて、

 

 

二人の愛は、本物だと思いました。

 

 

彼の愛情も、彼女の愛情も。

 

 

付き合う前に、体の事情を告白した彼女も立派だし、

 

 

子供よりも彼女への愛をとった彼氏も立派です。

 

 

出来れば、二人を応援したいと思いました。

 

 

 

 

 

 

しかし、問題はそんな簡単なものではありません。

 

 

 

私は彼らに、

 

「難しい問題ですから、

 

 成功するかどうかは、分かりませんが、

 

 やるだけやってみますか?」と言うと、

 

 


彼らは藁をも掴みたい気持ちだったのでしょう。

 

 

「是非お願いします。」とすぐに返事が戻って来ました。

 

 

 

 

 


私が彼らにアドバイスしたのは、下記の事でした。

 

 

■彼氏にスーパーの事を聞くと、

 

そのスーパーは父親が一代で築き上げたものではありませんでした。

 

亡くなった祖父母が始めたスーパーを大きくして現在があるというものでした。

 

つまり、現在は父親が社長であり、お山のテッペンで絶対的な存在ですが、

 

そんな父親に対抗できるとしたら、その父親の親である祖父母しかいません。

 

そこで、これから1ヶ月、彼には家にある仏壇に時々水を供え、お線香を点し、

 

彼女との結婚を、祖父母とご先祖にお願いする。

 

そして、その後、彼女をお祖父さんとお祖母さんのお墓に連れていき、

 

二人で結婚をお願いする事。

 

ただし、いきなり二人でお墓に挨拶に行ってはいけません。

 

まず、彼氏が1ヶ月間、仏壇でお願いして、

 

1ヶ月後に二人でお墓に挨拶に行く旨を伝えます。

 

そして、お墓に着いたら、まず彼氏が挨拶してから、彼女を紹介します。

 

そしたら、初めて彼女はお墓の前に近づき、(それまでちょっと離れた位置に居る事

 

自己紹介をします。この儀式が大切です。

 

この時、彼女は、お墓では無く、そこに実際に彼の祖父母が居ると思って、

 

自己紹介してください。

 

それが終わったら、二人で墓前に、

 

「どうか結婚させてください。」とお願いします。

 

 

■これが終わったら、今度は彼氏を彼女のご先祖に紹介しに行きます。

 

この時は逆に、彼氏が彼女のご先祖の墓の前で、自己紹介します。

 

 

 

 

 

 

二人は言われた通りやったという。

 

 

1ヶ月間仏壇で供養とお願いを繰り返し、

 

 

それが終わると、二人で祖父母の墓地に挨拶とお願いに行った。

 

 

 

 

すると、それから3ヶ月後、

 

 

次男に待望の男の子が産まれたという。

 

 

初孫に大喜びの社長。

 

 

また、その頃スーパーの業績も順調で、

 

 

社長の父親はダブルの喜びで、初孫を祝ったという。

 

 

 

 


しかも意外な事に、お祝いの席に来た彼女を見ると、

 

 

「君も来てくれたのか。」と笑顔で話しかけて来てくれて、

 

 

その夜、二人の結婚を許してくれたのである。

 

 

 

 

 

 


その後、

 

 

二人は、祖父母の墓にお礼に行ったのは、言うまでもない。

 

 

「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、ありがとね。」

 

 

END

 

PS.

今日現在の世界と日本の新型コロナウイルス感染状況は、下記
https://ameblo.jp/hirosu/entry-12577799889.html