●患者が死ぬのが分かる看護婦。
占いの仕事をしていると、様々な方の相談を受ける事があります。
その看護婦の方も、その内の一人でした。
現在は、看護師という総称になっていますが、(2002年3月から)
当時はまだ看護婦さん、看護士さんという言い方でした。
電話相談なので、顔は分からないが、
口調やイントネーションから、とても優しそうな顔が思い浮ぶ。
そんな彼女の相談事を聞き終わった後だった。
最後に彼女からちょっと驚く話を聞かされた。
それは、患者さんが死ぬのが分かったというものだった。
まぁ、病院という所は日々沢山の重病人を看護し、手術しているのだから、
日々のバイタルや病状から、もう危ない患者というのは、
ある程度なら看護婦でも大よその検討がついても不思議では無い。
しかし、彼女の場合は、まったく違う角度から、
患者が死ぬのが分かったと言うのである。
彼女は勤続26年というベテラン看護婦だった。
そんな26年間の内、患者さんが亡くなるのが分かったのは4回あったと言う。
ちなみに、看護婦さんの平均勤続年数は11年と言われているので、
26年は長い。ベテラン中のベテランだ。
統計では、25年以上務める看護婦は全体の10%しかいないという。
では、彼女はどうやって患者の死が分かったのだろうか?
彼女が一番最初に患者が死ぬのが分かった時の事を話してくれた。
それは不整脈と左肺炎で入院していた50代の主婦だったという。
当時彼女は日勤で、その主婦の方の担当だった。
経過は順調で、もう少しすれば退院も出来るだろうという方だった。
昼食時間が終わり、患者さんの食器を片づけに病室に入った時です。
食器を見ると、ほとんど手をつけていません。
「あら、食欲ないの?」と聞くと、
その主婦の方は、寝ながら彼女に、こう言ったというのです。
「今日は、お父さんが来てくれたのよ。」
「いつ?」と聞くと、
「今までずっと、ここに居たのよ。」と言ったという
しかし、ナースステーションに戻って面会記録を調べても、
彼女のお父さんは勿論、誰も彼女に面会に来た記録がありません。
その後、食事時間に一緒になった婦長さんに、
患者がほとんど食べなかったを伝えると同時に、患者が言った、
「お父さんが来てくれた。」という不思議な言動も伝えました。
すると婦長さんが、
「たしか、彼女の父親は亡くなっているんじゃない?」と言うのです。
実は彼女の病院では、遺伝的な可能性から親族の病歴などのアンケートを取っていて、
そこに彼女の父親が肺ガンで亡くなっている事が記されていたのです。
しかも、調べて見ると、この病院で亡くなられていました。
同僚の一人は、「迎えに来たのかもね。」と不気味な事を言ったそうですが、
「彼女は退院が近いから、そんな事はないわよ。」と直ぐに打ち消しました。
ところが、それから3日後の事でした。
彼女が急性心筋梗塞で亡くなったのです。
2回目は、それから約1年後の事だったといいます。
40代の男性が、無菌室の個室に入院されていました。
無菌室なので、家族であっても面会は出来ない状況です。
ところが、彼女がバイタルを計りに行くと、その男性がこう言ったのです。
「すみません、母が入って来てしまって。
すぐに帰させますから・・・」
しかし、部屋を見回しても、誰もいません。
念の為に併設されていたトイレも見ましたが、誰もいませんでした。
その瞬間、「あっ!」と思ったといいます。
その4日後、男性は亡くなったのです。
その後も、そういう事があると、患者は3日か4日後の亡くなるのだそうです。
彼女は私に言いました。
「どうして、私は何回も、
こんな死の前兆を知ってしまう様な経験をしてしまうのでしょうか?」
勿論、私は霊能者では無いので真相は分かりません。
でも、私の経験上、感じる事を彼女に伝えました。
「そこには、愛があるんじゃないかな。」
普通、昨日まで元気だった人が、急死したりすると、
側に居た人は、つい自分を責めてしまいがちです。
もっと何か出来たんじゃないか?
こうしていれば、助かったんじゃないか?と、
看護を担当していた看護師ならなおさらの事です。
私も最近ですが、猫を亡くした時思いました。
(●猫は自分の死を予知できるのか https://ameblo.jp/hirosu/entry-12455904653.html)
もっと早く保護でもしていたら、長生きしていたんじゃないか。
あの時、もっと食べやすい食事を与えていたら、長生きしたんじゃないか。と。
でも、もしあの時、猫が人間の言葉を話せて、
「母さんが、迎えにきたの。」と言ったら、どうでしょう。
もしかしたら、私は覚悟が出来たかもしれません。
「もう逝くんだね。ありがとね。」って。寿命だったのだと。
私は、こう思うんですよ。
普通、病室に親が来ていても、見れば分かるのですから、
わざわざ入って来た看護婦さんに、親が来ているなんて言わないですよね。
では、なぜそう伝えたのでしょうか?
きっと貴方は、とても良い看護婦なんでしょう。
だから、迎えに来た霊が、患者に伝えたのです。
「看護婦さんが来たら、言ってあげて、
私が今、ここに来ている事を・・・・」
急死するのは、貴方のせいじゃないのですよ。
という愛のメッセージとして。
「今日は、お父さんが来てくれたのよ。」
END