●ボクの代わりに君を幸せに・・・・。
このお話は、昨日のブログ(●死んだ夫と子供が迎えに来る)の続きです。
従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12452719245.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
霊能者の方が、自殺未遂した女性を霊視した事がありました。
自宅で大量の睡眠薬を飲んだのですが、幸いご両親の発見が早く
病院での胃洗浄の処置が間に合ったという事でした。
キャサリンさんは、幼い頃から子供が大好きな子だったといいます。
一人っ子だったので、中学生の頃から近所の赤ちゃんのベビーシッターをしたり、
時間があると勉強よりも近所の子供達と遊んでいたといいます。
高校生になると、将来は学校の先生になって子供達に教えたいと思う様になり、
大学卒業と同時に念願の学校の先生になった女性でした。
当然自分の子供も欲しいと思っていて、
結婚後はご両親に3人は欲しいと言っていたそうです。
ところが、結婚1年目で出来た子供を流産。
その2年後にも緊急帝王切開したのにもかかわらず、死産でした。
しかもその後、左側の卵管と卵巣の摘出手術をしなければならなくなったのです。
もう自分は子供には縁が無いのではないか?と、よく母親に愚痴をこぼしていたそうです。
しかし、その後キャサリンを思わぬ不幸が追い打ちをかけました。
最愛の夫が、交通事故に遭い突然この世を去ったのです。
働く気力を失くし、小学校には休職届を出しました。
心配したご両親は、一人にしてはいけないとキャサリンを実家に呼び寄せました。
案の定、キャサリンの精神状態は不安定だったといいます。
悪い夢を見たのか、夜中にうなされている姿をよく見かけたそうです。
「キャッシーはよく夢に、亡くなった子供達や夫が出て来ると言っていました。
また、私もあの世に行きたいなぁ。と言う事もありました。」という。
そして、ご主人が亡くなってから1ヶ月後の事でした。
キャサリンが自殺未遂をはかったのです。
一命は取り留めましたが、亡くなった子供達や夫が、娘のキャサリンまでをも、
あの世に連れて行こうとしているじゃないか。と心配したお母さんが、
霊能者に助けを求めて来たのでした。
滅多に無い事らしいのですが、さっそく
霊能者の方が病院に出向いての霊視が始まりました。
病院での霊視となると、病院側に許可など必要なのかとか、
色々考えてしまいましたが、特にそんな気にする様な事は無く、
患者の両親のどちらかが同伴すれば、誰でも面会でき、
しかも、日本と違って面会時間は24時間いつでも良いという感じでした。
キャサリン担当の看護師さんにも会ったのですが、
とても感じが良い方で、時間をかけてご両親に現在の病状を説明してました。
日本の看護師さんも優秀なのですが、アメリカの看護師さんは、
なんか余裕があるという感じがしました。
多分それは、時間的な余裕がそうさせているのかもしれません。
アメリカの看護師さん達は2つシフトしか無いそうです。
それは日勤(7時~19時)と夜勤(19時~7時)の完全交代勤務です。
完全交代勤務とは、どんなに仕事が途中でも、後の者に説明して引き継ぐという事で、
これによって、看護師の残業は日勤も夜勤もほぼ0となっています。
また日勤と夜勤の人数もそんなに変わらないので仕事量に余り差がありません。
また日本の看護師さんと違って、完全分業制です。
どういう事かと言うと、毎日のバイタルなどの測定や、オムツの交換、
トイレの補助などは、全部看護助手がやるし、布団の取り換えや食事の用意も、
他の専門の担当者がやるのです。
だから看護師さんは、自分の担当(3人~5人位)を集中してケア出来るのです。
それに比べて日本の看護師は大変です。
毎朝のバイタルからトイレの補助、布団の取り換えや食事の用意と片づけまで、
全部やってますし、夜など2人で全員を見守るという昼間と違う勤務になります。
ホントに日本の看護師さん達は大変だと思いました。
話がちょっとずれたので、元に戻します。
担当看護師さんが部屋から出て行ってから、さっそく霊視が始まりました。
と言っても、霊能者の方は、看護師さんが部屋に居た時から、
既に霊視を始めていたそうで、看護師さんがいなくなった時には、
ほぼ全ての事情が分かっていたそうです。
私達の簡単な自己紹介はすでに終えていたので、
「もう体の方は大丈夫ですか?」と何気ない会話から始まりました。
しかし、1分もしない内に、霊能者の方は核心に迫る質問をします。
「あなた、
なぜ、助かったと思う?」
分からないという感じで霊能者を見つめるキャサリンに、
「亡くなった御主人がね。
こっちに来ちゃダメだって。
泣きながら言うの。
多分、ご主人と二人の子供達が貴方を助けたのね。」
「だから、亡くなった子供達や夫が、
貴方を、あの世に連れて行こうなんてする事は無いのよ。
でも、死にたいとか、もうダメと投げやりになっちゃダメ。
そういう気持ちが悪い霊を引き寄せてしまう事があるから。」
黙ってじっと霊能者の言葉を聞いているキャサリンに、
霊能者の方が、ここで驚くべき事を告げた。
「あなた、2度も流産・死産を経験したうえに、
卵巣摘出手術までして、大変だったわね。
でもね。
分かる?
あなた、今、妊娠しているのよ。 」
それを聞いた瞬間、キャサリンさんは信じられないという顔をして、
やがて、両手で顔を覆った。
側で聞いていた私にとっては、その言葉も驚きだったが、
それよりも、
霊能者が言った次の言葉の方が、私の心に刺さった。
「その赤ちゃんね、
ご主人が導いて来たのよ。
あなたには、赤ちゃんが必要だって。
男の子だって。
ボクはもう君を側で助けてあげられないけど、
きっとその子が、ボクの代わりに君を幸せにしてくれるよって。 」
それを聞いたキャサリンは、右手をお腹に当てながら、泣いていた。
その様子を見ながら、霊能者はなおもこう続けた。
「ご主人、こうも言ってるの。
その子を受け入れてくれる人がいたら、
ボクの事は気にせず、
結婚して幸せになるんだよ。 」
その後、キャサリンさんは本当に男の子を出産した。
END