●来なかったスーパーマン。
このお話は、昨日のブログ(●娘が助けを呼ぶ夢を見る夫婦)の続きです。
従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12448692638.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある時、一組の夫婦が霊能者の所に相談に来たそうです。
ご夫婦は、約2年前に娘さんを亡くしていました。
それもただ亡くしただけではなく、誘拐されて殺されていたのです。
娘さんの名前はミーガンと言って、まだ6歳だったそうです。
犯人は捕まっていたのですが、
2年経った今でも、ご夫婦の苦悩は終わっていませんでした。
今年に入って、亡き娘の夢をよく見ると言います。
それも、夢の中で娘が父親に助けを求めているというのです。
ご主人は、そんな夢を見ては、うなされて起きるといいます。
ただ、娘さんが助けを求める夢を見るのは、決まってご主人だけでした。
奥さんは見ないのです。奥さんはご主人からその話を聞くのですが、
自分はそんな夢は見ないし、そもそも夢の話ですから、
そんなに深刻には考えませんでした。ところが、先日の事です。
とうとう奥さんが、娘さんが助けを求める夢を見たのです。
それも、娘さんは赤いシャツとブルーのズボンというもので、
その日に同時にご主人も同じ夢を見たのです。
友人にその事を話すと、同時に同じ夢を見るのは、
その子の霊が実際に訴えているというものだと言われたそうです。
もしかしたら、娘は今もあの世に行けず、さ迷っているのではないか?
そう心配したご夫婦は、霊能者の所に相談に来たのでした。
さっそく霊視が始まりました。
ところが、5分経っても10分経っても、
娘さんの霊は現れてくれないといいます。
そこで霊能者は、奥さんから娘さんの写真を借りて、
写真をしばらく触っていました。
そして、こう言ったといいます。
娘さんの魂は、まだ殺された現場にいます。
旅立てないで、助けを呼んでいるようです。
そして、娘さんのその一途な思いが、ご両親に届き、
「助けを呼ぶ夢」を見させたんだと言うのです。
お父さんとお母さんにとっては、お辛いとは思いますが、
娘さんは、まだ殺された現場にたたずんでいます。
「現場に行く必要がありますが、それは大丈夫ですか?」とご両親に聞きました。
するとご両親は、
「娘が現場で助けを呼んでいるなら、行きたいと思います。」と答えたという。
とりあえず、本日の鑑定はここで一時中断となり、
翌日も翌々日も霊能者に予約が入っていたので出かけられず、
3日後の鑑定休養日に合わせて、ご両親と現場に行くことになった。
ただし出発は、翌々日の鑑定が終了した午後4時となった。
実はこういう突発的に出かけないと解決出来ない相談があるので、
霊能者は定期的に鑑定休養日を設けているのだと言う。
ご両親と霊能者と、もう一人、運転手兼ボディーガードでもある霊能者の御主人は、
途中の町で夕食を取り、
現場についたのは、すでに真夜中に近い午後11時になっていたといいます。
現場とは、約2年前に殺人が行われた犯人の家でした。
一応霊能者の提案で、前日、
ご両親が警察に現場に慰問に行くという旨の届け出を入れたそうです。
アメリカでは、殺人現場保護の為に警察が保護テープを張って、
立ち入りを制限している場合があるからです。
ただし、今回は2年も経っているからかもしれませんが、
立ち入り制限のテープは貼って無かったといいます。
それでも、ほぼ真夜中での行動だけに、近所から通報でもされたら厄介です。
その為にも、一応警察には連絡を入れておくのは良いのだといいます。
さっそく現場の家に着いた4人は、現在は無人となっている犯人の家の庭に入りました。
時刻は午後11時半、ほぼ街灯のみの暗闇で、懐中電灯だけでしたが、
霊能者いわく、この時間帯の方が娘さんの霊は動きやすいのだと言う。
4人は犯人の家には入らず、家の裏手にある地下室への扉の前に来ました。
実はアメリカでは、地下室を設けている家は多く、
またその地下室へ入るのに、庭などに入り口がある事が多いのです。
霊能者いわく、殺人が行われたのはこの家の地下室で、
娘さんの霊も、その地下室に居るのだと言う。
娘さんの霊を呼び出す前に、霊能者の指示で、
お父さんは、スーパーマンのTシャツを着た。
実は、最初の鑑定の時に、こんな話が出たのです。
霊能者は、ご両親に、
「娘さんは、必ずお父さんが助けに来てくれって信じてる。
お父さんはスーパーマンだって。
スーパーマンのお父さんが、必ず私を助けに来てくれるって言うの。
そういう様な事を言った覚えありますか?」
すると、お父さんは涙ぐんで、こう言ったといいます。
「はい、そう言った事はあります。」
お父さんは、昔消防士だったといいます。
火事の現場で、果敢に炎の中に飛び込んで人々を救出する、
それはまるでスーパーマンの様に、6歳のミーガンには思えたのでしょう。
パパの事を、スーパーマンと普段でも呼ぶようになっていました。
その後、事故で怪我をして、消防士を止めたのですが、
それからは、娘の専属のスーパーマンになってあげると約束したといいます。
娘の誕生日には、お父さんがスーパーマンの衣装を着て、
ミーガンを肩車で遊園地に連れてったりして喜ばしたといいます。
そして、もしミーガンに何か困った事があったら、
パパがスーパーマンになって、助けに行ってあげるからね。と約束していたのです。
その話を聞いた霊能者が、
「そうですか。そんな事があったのですね。
実は、娘さん、
今も、ずっとパパがスーパーマンになって助けに来てくれるって待ってるの。
6歳の子って、そういうの、信じるの。
亡くなるまでずっと信じてた。
パパがスーパーマンになって助けに来てくれるって。」
そして、亡くなった今も、そう信じて待っているのだと言う。
聞くと、その時のスーパーマンのTシャツがまだ家にあるというので、
霊能者は、現場に持ってきてもらい、お父さんに着てもらったのでした。
ただ、お父さんとしては、
娘が死んだ今、いまさらスーパーマンになっても、
助けに行けず、死なせてしまった今、意味が無いのでは無いかと渋ったという。
そんなお父さんに、霊能者は、
「いいの。
娘さんに言ってあげて。
ゴメンね、遅れちゃったけど、
父さん、今、ミーガンを助けに来たよって。 」
スーパーマンのTシャツを着たお父さんを、地下室の扉の前に立たさせると、
霊能者は娘さんの霊を呼び出しました。
「娘さんの霊が、来ました。
お父さん、言ってあげて。」
「ミーガン、
遅くなって、ゴメンね。
父さん、ミーガンを助けに来たよ。 」
「娘さん、喜んでる。
信じてたって。
父さんが、必ず助けに来てくれるって、信じていたって。
泣いてる。」
「ミーガン、ミーガン、
遅くなって、ゴメン、ホントにゴメン。
父さん、スーパーマンになって助けに来たから、もう大丈夫だよ。 」
こうして、ミーガンは光の中に旅立っていったという。
「パパ、
助けに来てくれて、ありがとう。 」
END
参考:画像は映画スーパーマン2より

