●その人、独自の引き金。
このお話は、昨日のブログ(●ウナギ恐怖症)の続きです。
従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12441172050.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある時、電話相談で、不思議な現象を訴えてきた女性がいました。
彼女は小さい頃から、見た夢にうなされて起きる事が多いと言います。
小さい頃から、夢の中にウナギ(鰻)が出て来ると、
恐怖のあまり汗をかいて、うなされて起きてしまうのだと言うのです。
ある時は、学校の給食の夢を見ていると、
おかずの中から生きているウナギが出て来て、恐怖のあまり飛び起きたり、
またある時は、海に行った夢を見ると、
海水の中に無数のウナギが泳いでいて、それらが一斉に海水から頭を出して、
彼女を見つめるのです。恐怖のあまりびっしょりと汗をかいて起きたと言います。
そしてある時は、家の中を歩いていると、床板が盛り上がったかと思うと、
床板が外れて、そこからウナギが次々と現れて、恐怖で座り込んで泣いているという夢。
彼女を夢の中で襲うのは、毎回ウナギなのです。
毎回、夢にウナギが出て来ると、彼女は恐怖のあまりうなされて起きるのだそうです。
まさにウナギ恐怖症なのですが、
不思議な事に、実生活では特にウナギが怖いと言う訳では無く、
たまに食べる鰻重(うなじゅう)は、とても美味しいと言います。
つまり、夢の中に出て来るウナギだけが怖いのです。彼女は私に言いました。
「これは何かウナギの霊に恨まれているのでしょうか?
何かウナギに悪い事をしたとか、ウナギに怨まれる様な事をしたとか。
それとも、何か前世に関係しているのでしょうか?
ウナギは何か別の物の生まれ変わりだったり、
ウナギに似ている人の顔が、ウナギとなって現われているとか、でしょうか?」
さて、普通、夢の中にウナギが出て来た場合、
健康面で良い事が起きたり、夢や目標が叶ったりと、
運気が上昇している時に見る事が多いのですが、
彼女の話を聞くと、毎回ウナギの夢を見る時は、良い印象ではありません。
恐怖のあまり飛び起きたり、恐怖で座り込んで泣いていたりしています。
どうやら通常の夢占いでは判断出来ない、
彼女独自のウナギの意味がある様です。
では、何度も何度も彼女の夢に現れるウナギにはどんな意味があるのでしょうか?
彼女は、何かウナギに怨まれる様な事をしたのでは? と、聞いてきましたが、
もしそうなら、その残虐行為が夢に現われていてもいいはずです。
例えば、貴方がある男を刺し殺したとします。
そうであれば、夢の中で貴方がその男を刺し殺す場面が出てくるのが普通です。
もしくは、ナイフが出て来たり、血がべっとりという夢を見たり、
男が床に倒れている様子が出て来たりしても不思議ではありません。
しかし、彼女の場合、特にウナギを殺している場面も無ければ、
ウナギをさばいていたり、ウナギに何かしているというシーンすら無いのです。
ただ夢にウナギが出て来ると、うなされて恐怖を感じて起きてしまうといいます。
つまり、ウナギが登場しただけで、彼女を苦しめていると言えましょう。
そう考えると、どうやらウナギに怨まれているから見るという訳では無さそうです。
さて、何度も何度も同じ夢を見る時の謎を解く手掛りが、もう1つあります。
それは、いつからその夢を見始めているかです。
彼女の場合、「小さい頃から」という事だったので、具体的に聞いて見ました。
すると、小学校4年生頃からだと言います。
つまり、それ以前にはウナギの夢を見てうなされる事は無かったので、
どうやら前世にも関係が無い感じがします。
前世に関係するなら、もっと小さい頃から見ていてもおかしくありません。
そこで彼女に、こんな質問をしてみました。
「小学4年生か、3年生の時、
何かとても悲しい出来事は、起きましたか?」
すると、彼女が小学4年生の時、
母親が亡くなったそうです。
これは偶然でしょうか?
小学4年生の時に亡くなった母親と、小学4年生頃から見るウナギの夢。
そこで更に、彼女に聞いてみました。
「何かお母さんとウナギって、関係する思い出ありますか?」
すると、生前、彼女のお母さんは、とてもウナギが好きだったそうです。
しかし、彼女のお母さんが突然死した時、
お母さんは妊娠初期で、お腹の中に赤ちゃんが居たため、
大好きだったウナギが食べれなかったそうで、
よく彼女に、「ウナギが食べたい。ウナギが食べたい。」と言っていたそうです。
ちなみに、妊娠初期とは、妊娠してから1~3ヶ月の事で、
この頃は、赤ちゃんの脳や心臓などの内臓、目や鼻口などの器官、
骨髄などが発達し、体全体が作られる大切な時期です。
この妊娠初期には、特に注意したい摂取物が3つあります。
■タバコ。
タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ、
これによって胎児に送られる血液量が減り、胎児に送られる栄養素が減ってしまう
ので、低体重児で生まれる可能性が高くなります。
1日に20本以上を喫煙する妊婦の出産では、
生まれて来る子供の3人に1人が低体重児だという統計があり、
流産する可能性も非喫煙者の約2倍にもなります。
■アルコール
お母さんがアルコールを飲むと、
母体を通じて胎児もアルコールを摂取することになります。
妊娠中に大量のアルコールを摂取すると、
生まれた子供が発育障害や知的障害になるリスクも高くなるのです。
■ビタミンA(ウナギ、レバー)
特に妊娠7週目までは、ビタミンAによる胎児への悪影響のリスクが高いの注意。
ビタミンAを4500μg以上摂取した妊婦さんは、1500μg未満の妊婦に比べ、
水頭症や口蓋裂などの奇形が発症するリスクが3.5倍になるという。
また、うなぎは脂肪分が多い為、お母さんの母乳が出にくくなったり、
乳腺炎になったり、赤ちゃんが下痢したり、
赤ちゃんにジンマシンが発症したりする事があります。
特にレバーは、たった1本で約4200μgもビタミンAがあり、
妊娠初期の適量650μgを遥かにオーバーしています。
つまり、妊婦さんはレバー1切れでも840μgなので適量オーバーです。
ただ、私達妊婦ではない成人でも適量は800μg位なので、
レバー2切れも食べると適量オーバーなのです。
ちなみに、ウナギのかば焼きはひと串約1500μg位なので、
妊婦さんの適量は、約3分の1で、私達は半分が1日の適量となります。
(ビタミンAは他の食材からも摂取されるので)
ちょっと話が脱線したので、元に戻します。
彼女のお母さんが突然死した時、お母さんは妊娠初期で、
大好きだったウナギが食べれなかったそうで、
よく彼女に、「ウナギが食べたい。ウナギが食べたい。」と言っていたそうです。
まだ小学4年生と幼かった彼女にとって、
愛する母親の死は受け入れがたいものだった事でしょう。
それ以来、夢にウナギが出て来ると、
自然と魂は、母の死の思い起こしてしまい、
母が死ぬという恐怖が蘇ってしまっていたのです。
つまり、ウナギ=母の死だったのです。
分かりやすい例で言うと、
例えば、ラジオで急にある曲が流れて来ると、
別れた恋人との思い出が、走馬灯の如く思い出してきて懐かしくなるとか、
受験の時の大変だった思い出がよみがえるという事があるでしょう。
そして、もっと想像力豊かな人になると、
ある曲が流れて来ると、なぜか自然と涙が出たりします。
つまり、思い出の場面を通り越して、体の反応だけが覚えていて涙を流すのです。
人それぞれ、独自の忘れがたい思い出があり、
その思い出を連想させてしまう引き金があるものです。
その引き金が、彼女にとっては、ウナギだったのである。
END
