●感謝と説明という浄霊法

 

 

 


このお話は、昨日のブログ(●ほぼ新築なのに幽霊が出る家)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12431635638.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 


ほぼ新築なのに幽霊が出たという相談が1軒だけありました。

 

その家は、家族が約半年だけ住んだだけの、ほぼ新築同然の家でした。

 

なので、まだその家で事件が起きたとか、誰か死んだという事はありませんでした。

 

それなのに、幽霊が出るというのです。

 

事の発端は、売りに出したその家を、担当していた不動産屋さんが、

 

下見に来たお客さんを連れて訪れた時だったといいます。

 

1階の窓を開けて、部屋の空気の入れ替えをしたそうです。

 

不動産屋さんがお客さんに、「この部屋は南向きですから、

 

日光もたっぷり入って来ますよ。」と説明した時でした。

 

突然、2階にあるどこかの部屋のドアが「バタン!」と閉まった音がしたのです。

 

空家のはずですから、2階に誰もいるはずはありません。

 

だから物件を見に来たお客さんも少し驚いて、「あれ? 誰か居ます?」

 

と言って2人の間に沈黙が流れました。不動産屋さんは、恐る恐る2階の

 

3つある部屋を1つ1つ空けて誰かいないか確認していきました。

 

押し入れの中まで確認しましたが、誰もいません。

 

そこで2階の窓も全開にして、2階も空気の入れ替えを行い、

 

お客にも一通り2階も見てもらいました。

 

全てを見せ終わると、再び窓を閉め、1階に降りると、1階の雨戸を閉め、

 

2人は玄関に向かいました。そして、靴を履こうとした瞬間でした。

 

また2階から「バタン!」と、ドアが閉まる音がしたのです。

 

今度は間違いなく、2階に誰か居るという訳でも無いのです。

 

お客さんは、「なんかこの家、気味が悪いね。」と言って、

 

当然ですが、このお客がこの家を買う事はありませんでした。

 

そんな事が次のお客を連れて行った時も、

 

その次のお客を連れて行った時も起きたそうです。

 

不動産屋さんの従業員の間では、幽霊がいる家と言っているらしく、

 

売主に「お客が気味悪がって、買う人がいないんですよ。」と報告したのである。

 

そんな時、この売主のお母さんが、娘が家が売れなくて困っている。

 

と相談を受けたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がこの相談を受けて、最初に思ったのは、

 

 

「幽霊、出て来て無いじゃん。」

 

 

不動産屋さんも、売り主のお母さんも幽霊、幽霊って言うけど、

 

 

まったく幽霊を見たという人が登場していません。

 

 

 


私から言わせると、それラップ音ですけど。と言いたい所ですが、

 

 

「でも、仕方ないのかな。

 

 普通の方から見たら、ラップ音も幽霊も一緒なんだろうな。

 

 まぁ、霊の仕業で、そこに霊が居るのには違い無いから。」 と、そんな心境でした。

 

 

 


ラップ音って、空家だと余計響いて聞こえるんですよね。

 

 

また、2階のドアが閉まる音とも言われてますが、

 

 

2階のドアが閉まる場面を見たという人もいません。

 

 

人間の耳は、騙されやすいものです。2階に動く物はドアしか無いと思えば、

 

 

あの音はドアだと思ってしまう。

 

 

実際は外の木が風で外壁にぶつかって鳴っていたというケースもありました。

 

 

また、壁の中の水道管の音が原因という事もありました。

 

 

 

 

 

ただ、私は今回は、霊によるラップ音だと思いました。

 

 

と言うのは、まず家がほぼ新築で、音が毎回2階から鳴っている事。

 

 

それも毎回家を買いに来たお客が来た時に鳴るというタイミング。

 

 

そして、ラップ音が鳴った事に余って、お客は家を買うのを止めています。

 

 

それはまるで、「この家を買わせない。」ようにしてるかの様です。

 

 

 


そうなると、一番気になるのは、

 

 

「この家を建てた人は誰? 」 という疑問でした。

 

 


そこで、お母さんに、その疑問をぶつけると、

 

 

「あの家を建てたのは、娘の夫です。」という。

 

 

「そのご主人は、今どうされていますか?」と聞くと、

 

 

もう亡くなっている。という。

 

 

 


どうやらその辺に、このラップ音の真相が絡んでいそうである。

 

 

そこで、お母さんが知っている限りの、この家が建った経緯を教えてもらいました。

 

 


事の発端は、2歳になる娘さんの喘息の発作が始まった事だったといいます。

 

 

当時、娘夫婦は東京の虎の門にあるマンションに住んで居ていたそうですが、

 

 

娘の為にもっと空気の良い所に引越した方がいいと夫婦で考えたそうです。

 

 

そこで、当時家賃が16万円だったマンションから夫の実家に引越し、

 

 

家を建てる為に貯金し始めたそうです。

 

 

ご主人のお小遣いも、月1万5千円にしたといいます。

 

 

ちなみに、世のサラリーマンの月のお小遣いは、

 

 

2017年の新生銀行の調査によると、平均が37,428 円だそうです。

 

 

そうみると、娘さん家族の月1万5千円の小遣いは少ない様に思えますが、

 

 

彼女らの場合、毎日お弁当をご主人に作ってあげていたというので、

 

 

サラリーマンの場合、お小遣いの大半は昼ごはん用ですから、

 

 

お弁当を作る事によって、月1万2千円の節約になると言われています。

 

 

そこで、1万5千円+1万2千円=2万7千円となり、

 

 

相場よりも1万円少ないだけとなります。

 

 

 

 

その他にも奥さんは土日だけアルバイトして、家計も節約に努めたそうです。

 

 

ご主人は家を建てるに関しては特に熱心で、

 

 

家に帰るとテレビも見ずに家の設計を勉強し、空気の良い土地を探し、

 

 

新しく立てる我が家を毎日図面に起こしていたそうです。

 

 

 


こうして3年がかりで、家を建てる頭金を作る事ができ、

 

 

親の援助もあり、念願の家を建てる計画を実行する事が出来たそうです。

 

 

娘さんは5歳になっていました。

 

 

ところが、あと1週間で家が完成する。という時になって、

 

 

ご主人が急性心筋梗塞で急死してしまったのです。

 

 


実家で葬式を行ない、随分と迷ったそうですが、

 

 

あれほど熱心に主人が建ててくれた家なので、奥さんと娘さんは、

 

 

その家に引越して行ったそうです。

 

 

 


ところが、いざ引っ越して見ると、

 

 

空気は良い所ですが、それだけに今まで住んでいた所よりも寂しい場所でした。

 

 

近くにスーパーも無ければ、コンビニもありません。

 

 

夫が居ない今、母子だけでは、寂しい環境でした。

 

 

歩いて行ける所にバス停はあるものの、

 

 

車が無い彼女にとってはとても不便だったといいます。

 

 

娘さんも急に友達がまったくいない所に行って寂しいと言います。

 

 


こうして娘さんは、実家の義父とも相談して、

 

 

せっかく新築した家だったのですが、

 

 

わずか半年住んだだけで売る事にしたのでした。

 

 

 


そんな隠れた事情があったのです。

 

 

 

 

 

 


私はこの話を聞いて、

 

 

亡きご主人、この家に地縛霊となっているんじゃないかと思いました。

 

 

地縛霊って言うと、その土地や建物で亡くなって、

 

 

そこから離れられない霊というのが通例ですが、

 

 

実は、今回の様に、その場所で亡くなった訳では無いけど、

 

 

その家に特に思い入れが強く、他人に渡したくないという場合、

 

 

その家で地縛霊となっているケースがたまにあるのです。

 

 

私が知っているケースでは、他にも、

 

 

自宅が騙し取られて、追い出されてその後亡くなった女性の霊が、

 

 

その騙し取られた家に出たという事がありました。

 

 

 

 


多分、亡くなったご主人も、

 

 

娘と妻の為にと、一生懸命設計し、節約し、やっとの事で建てた家を、

 

 

他人には渡したくなかったのでしょう。

 

 

 

 

しかし、そうは言っても、奥さんと娘さんの事情も良くわかります。

 

 

ご主人がいなくなった今、二人だけでは寂しいでしょうし不便でしょう。

 

 

 

 


でも、このままだと、

 

 

亡きご主人がずっと地縛霊のままという事にもなりかねません。

 

 

 

 

 

 

 

では、こういう場合、どうすればいいのでしょうか?

 

 

 

霊能者では無い私達は、こんな時、何が出来るのでしょうか?

 

 

 

 

こう言う場合、よく強く除霊すればいいと考える人がいますが、

 

 

「ここから出て行け!」という除霊方法では、可哀想です。

 

 

 

 

 


実は、アメリカで霊能者に似た様なケースで聞いた事があります。

 

 

すると、霊能者の方は、こう言いました。

 

 

「とにかく、誠意を持って、理由を説明する事です。声を出して。

 

 それも何度も何度も。少なくても3日間は。」

 

 

霊も元は人間、誠意を持って話せば分かってくれると言うのです。

 

 

 


今回の場合で言えば、

 

 

家を売らなければならない理由を、何度も何度も声をだして、

 

 

仏壇の前で、亡きご主人に説明する事です。仏壇が無い方は、

 

 

亡きご主人の写真の前か、お墓の前で声を出して説明します。

 

 

少なくとも3日間。

 

 

 

 

 


ちなみに、今回の場合、それをせずに引っ越してしまいました。

 

 

それでも、霊能者では無い私達に出来るのは、それしかありません。

 

 

とにかく今からでも、空家に戻って母子で亡き夫の写真の前で説明する事です。

 

 

 

 


その後、母子では不安だろうとお母さんと3人で空家に行ったそうです。

 

 

そして3日間、亡き夫に理由を説明して売る事を許して下さい。

 

 

と3人で声を出してお願いしたといいます。

 

 

 

 

すると、その後1ヵ月位で家は売れたそうです。

 

 

多分、ドアが閉まるラップ音はしなかったのでしょう。

 

 

分かってくれたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、

 

 6ヵ月しか住まなかったけど、

 

 綺麗な空気のおかげで、ミクの喘息も少し良くなったんですよ。

 

 あなたのお蔭ですよありがとう、あなた。 」


END