●料亭の女将からの相談
私はかつて六本木でアルバイトをしていた時代がありました。
父の友人と言うか、取引先の社長がそこに広告代理店を出していたからです。
ちなみに、当時の様子は一度ブログに書いて事があります。知りたい方は下記
(●居ても居なくてもいい社員 https://ameblo.jp/hirosu/entry-11966651548.html)
社長には、よくランチをおごってもらいました。
後から考えると、私は社長が父の会社から仕事をもらう為に人質みたいな物だったのでしょう。
大きな意味での、接待です。
そう、実は広告代理店って、接待の世界だったんです。
私が勤めていた広告代理店は、六本木の駅から徒歩10分位で、周りはアパートとか民家。
だから、ただここに店を開いていても、誰も広告なんか依頼に来ない。
それなのに、ウチの会社は大手不動産屋や大手一部上場会社や大手鉄道会社から、
広告の仕事を頂いていた。
それはひとえに社長の接待の賜物(たまもの)だったんです。
それで何故六本木に会社があったのかも納得しました。
六本木はまず、名前が通っていて誰もが知っていて、
「ああ、あそこか」って、良いイメージを持って考えてもらえるんです。
だから、私が当時友人に今六本木にある会社で働いてるんだ。って言ったら、
「いいなぁ、凄いなぁ。」って言ってくれましたが、
実際は、古ビルの一角で周りが民家のショボイ場所なんて誰も思わないのです。
次に六本木は、接待に都合の良い場所だったのです。
若い相手を接待する時は、六本木に連れて行きました。
女性を接待する時は、東京タワーが見える場所だったり、麻布だったりします。
そして、年配の男性を接待する時は、赤坂の料亭に連れて行ったりしたのです。
赤坂の料亭と言えば、日本の政治の接待のメッカです。
なにしろ、国会議事堂のすぐ目の前が赤坂ですから、
そこが政治の接待のメッカになるのは必然だったと言えましょう。
当時ほとんどの方は、赤坂の料亭に行く機会は無かったと思います。
なにしろ、ほとんどの料亭が「一見さんお断り」でしたらから。
現在は、ランチ時は食事が出来るけど、夜は「一見さんお断り」の料亭が出て来ています。
私も当時、一度だけしか社長に料亭に連れて行ってもらえませんでした。
社長から赤坂の料亭について色々を教えてもらいました。
例えば、なぜ「一見さんお断り」かと言うと、そこには色々な理由が見え隠れします。
例えば、誰でも入れたのでは、週刊文春の記者やカメラマンが紛れ込んで潜入しかねません。
皆さんは、料亭って言うと、どんなイメージを持たれますか?
多分、「高級日本料理店」ですよね。
正解です。
ランチ時なら5000円位で食べれますが、夜となると一人2万円位はします。
しかし、料亭には、皆さんの知らない世界があるのです。
ただ美味しい高級料理を食べたいなら、割烹(かっぽう)でもいいのですが、
料亭のメインは接待なのです。
実は、料亭とは、以前は「芸者が出入りする料理屋」という意味の隠語だった時代があります。
つまり、芸者遊び出来る料理屋です。
社長いわく、戦前はそんな料亭で売春も行われていたといいます。
しかし、昭和23年に風俗営業取締法が公布されてからは、売春は禁止され、
料亭という言葉は、正式に「芸者が出入りする料理屋」の名称となりました。
ちなみに、芸者さんを呼ぶと一人5万円位かかりますが、
呼ぶ時は、一人という事は無いので、大抵は3人位呼ぶ事になり、15万円位になります。
ちなみに、芸者さん遊びの中には、野球拳があって、
ジャンケンに負けると、負けた人が脱いでいくゲームです。
ほとんどのオジサン達は、ジャンケンに勝って芸者を脱がそうと思って始めるそうですが、
社長さんいわく、芸者遊びは、そんなに甘く無いと言います。
なぜなら、ジャンケンゲームに日頃から慣れている強者芸者さん達と、
酒で酔ったオジサンがジャンケンして、どちらの負けが多いか、火を見るより明らかだからです。
そんな料亭が普通の割烹料理店と違うのは、芸者が呼べるという意外に、
■ほとんどの部屋が個室である事。
■部屋から眺めの良い庭などが見える
■高級なお皿や茶碗を使っている。
■秘密厳守。
■ツケがきく
など、お客をもてなす事に赴きを置いている点です。
こうして、赤坂の料亭は国会議事堂にも近かった事もあり、
政治の接待の場となったのです。
こうして、日本の大臣達がよく利用する料亭は、
いつしか負のイメージよりも高級日本料理店としの風格を得るに至ったのです。
特に自民党の幹部達の料亭の接待は多く、
社長さんいわく、田中角栄さんは、料亭「千代新」を使い、
女優・北川景子さんと結婚したDAIGOさんの祖父・竹下昇元総理大臣は、
料亭「満ん賀ん」をよく利用し、小泉純一郎さんは、料亭「金龍」を使ったという。
当時自民党が使っていた料亭は、他にも
「香月」「岡田」「外松」「口悦」「浅田」「鶴よし」「若林」「川崎」などがある。
ちなみに、安倍晋三さんは、赤坂の料亭「古母里」を使っているらしい。
社長いわく、派閥の数だけ利用する料亭の数があると言ってもいいという。
なぜなら、他の派閥がヒイキにしている料亭に行けば、
当然そこには、その派閥に恩のある女将もいるわけで、
そこで秘密の会議を行なってりすれば、後日、相手の派閥に、
誰々さんは、A議員と会食してたわよ。と秘密をバラされる恐れがあるので、
他の派閥が利用していない料亭を探すそうである。
こうして派閥ごとに、ヒイキの料亭が存在するという状況になったりする訳だ。
さて、だいぶ前置きが長くなってしまったが、
今日のお話は、そんな料亭の女将から頂いた相談なのである。
実は、私が社長に連れて行ってもらった料亭の名前が上に挙げた12個の中にある。
社長はそこの女将と十何年来の友人で、食事の時にも度々挨拶に現われた。
すると、社長が女将に、私の方を指差しながら、
「この子、占いやってるんだよ。
この前の事、試しに相談してみたら?」と私を紹介したのである。
すると、女将さんは、笑いながら、
「あら、そうなの。まだお若いのに・・」と言って、
「じゃあ、相談してみようかしら、」と乗りで、ホントに相談して来たのである。
女将さんの相談事は、2つだった。
■1つは、もっと店を繁盛させるにはどうしたらいいか。
■もう1つは、娘さんの事だった。
娘さんは男の子を産んだ(女将さんにとっては孫)のだが、何かしらの障害があるという。
そして、最近また妊娠しているのが分かったそうなのだが、
また障害がある子が生れたらどうしようと、とても悩んでいるのだという。
後半は、明日のブログに続く。

