●自分自身を責め続ける霊の浄霊方法

 

 

 


このお話は、昨日のブログ(●未だに息子の幽霊が出る家)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12390790778.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 


私がアメリカに留学している時、

 

卒業まじかの時、一度だけマレーシアにいる両親の元に帰った事があった。

 

私が会社に立ち寄った時も、父の部下だった華僑の人が積極的に話しかけて来て、

 

その日の夕飯をその華僑の方の家に招待される事になった。

 

彼はタンさんと言って、父の会社では会計の仕事をしている人だった。

 

私が美術と占いを勉強していると答えると、やけに占いの話に食いついて来た。

 

どういう占いの勉強をしているのか、とか幽霊の事は分かるのかとか。など。

 

理由を聞くと、どうやら、タンさんのお兄さんの家に幽霊が出るらしい。

 

それもその幽霊は、亡くなった息子さんの幽霊だと言うのである。

 

こうして私は、否応なしに幽霊騒動に巻き込まれていったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンさんのお兄さんの家は、マレー半島の最南端のジョホール・バルにあるという。

 

 

ジョホール・バルシンガポールは約1kmのコーズウェイ橋で繋がっていて、

 

 

マレーシアから車でシンガポールに入国出来るのである。

 

 

私が今居るクアラルンプールからは汽車で約4時間半かかる場所だ。

 

 

さすがに遠いので、行って診てみようという訳にはいかないが、

 

 

とりあえず、話だけでも聞いてあげる事にした。

 

 

 

 

 

タンさんのお兄さんには、アンディという23歳になる長男がいた。

 

 

大学卒業とともに大企業に就職し、家族全員から将来を嘱望されていた子だったという。

 

 

ちなみに、アンディとは中国人らしからぬ名前と思われる方もいるだろうが、

 

 

華僑(本土以外に住む中国人)の方は、名前にビビアンとかテレサとか、アグネスなど、

 

 

欧米型の名前をつけて国際社会でも通用する様にと名づけるケースが多いのだ。

 

 

ところがある日、残業をした帰りに幹線道路を車で家路に向かっている時だった。

 

 

ちょっと車を飛ばし過ぎていたのもあったらしいが、

 

 

道路を横断中のお母さんとその娘さんを、車で轢いてしまったのである。

 

 

2人とも病院に運ばれたが亡くなったという。  しかも、お母さんのお腹の中には胎児もいたらしい。

 

 

実は、今は知らないが、当時のマレーシアの都心部以外の道路には余り横断歩道と言うものが無かった。

 

 

だから道路を横断する時は、車を止める信号が無いので、

 

 

自分で判断して、車の切れ目を狙って、まず右から来ないのを見計らって道路の真ん中まで進んで、

 

 

そして左から来ないのを見て道路を渡りきる人が多かった。

 

 

また酔っ払い運転を取り締るという事は、ほとんど無いので、

 

 

うちの父なんかも、しょっちゅうベロベロに酔っても自分で車を運転して帰宅する事が度々あったのだ。

 

 

だから悲惨な交通事故が多かったのを記憶している。

 

 

 

 

 

お母さんと娘さん、そしてお腹の子を含めると合計3人の命を奪ってしまったアンディは、

 

 

その後会社を退社せざるを得なくなり、家の2階の自分の部屋に引き籠る様になってしまったという。

 

 

それまで家族の星だっただけに、父親も彼がした行いを随分責めたそうで、

 

 

アンディ自身も3人の命を奪ってしまったあの場面を忘れる事が出来ず、自分自身を責め続けた。

 

 

目の前で子供が泣きながら死んでいく様を忘れる為に、酒に溺れていったという。

 

 

そしてある日、酒に酔って2階から階段を誤って踏み外して落ちて亡くなってしまったのである。

 

 


しかし、事はそれだけでは終わらなかった。

 

 

アンディの葬儀が終わってまだ間もない時、5歳になる次女が、

 

 

「お兄ちゃんが、2階からこっちを見てるよ。」と言うのである。

 

 

その日を境にして、今もそのままにしてある2階のアンディの部屋から、

 

 

夜中になると、ドスン!と生前アンディがベッドから飛び降りた時の音がしたり、

 

 

度々次女がアンディの幽霊を目撃するのだと言う。

 

 

地元の祈祷師にお祓いをしてもらった事もあったそうだが、効き目があったのは2週間だけで、

 

 

それからまた音が鳴り始め、幽霊も時々現れるという。

 

 

 


タンさんは私に、

 

 

アメリカで学んだ占いで、なんとか兄を助けてあげられないかと頼んできた。

 

 

 


現地に診に行けない以上、これはほぼ電話相談に等しかった。

 

 

そこで、電話相談でも除霊出来る方法を考えた。

 

 

それには、電話先のタンさんのお兄さん自身で除霊出来る方法を考えなければならない。

 

 

正確には除霊では無く、浄霊と言った方がいい。

 

 

除霊は霊を取り除く事だが、悪い霊ならともかく、今回は家族それも息子さんの霊である。

 

 

「立ち去れ!」といういう様な除霊では可哀想だ。

 

 

息子さんの霊を、あの世へ導いてあげる様な浄霊でなければならない。

 

 

 

 

問題はどうやるか。いや、どうやってもらうか。である。

 

 


こういう時、まず考えるのは、

 

 

亡くなったアンディは、なぜ今も成仏の道に進まず、幽霊として留まっているのかである。

 

 

一番良いのは、アンディの身になって考える事だ。

 

 

 

 

 

亡くなったアンディは、自分を責めていた。

 

 

何の罪も無い3人の命を奪ってしまった自分を責めていた。

 

 

そして、それを父親からも責められ、酒に溺れていってしまったのだ。

 

 

 

 

 


そういう事情を考えると、

 

 

 

私が思いつく浄霊方法は1つしか思い浮かばなかった。。

 

 

 


私はタンさんに、こうアドバイスした。

 

 

「お兄さんに電話して、以下の2つの事をしてもらって下さい。」

 


■まず、2階のアンディの部屋の一角に祭壇を作ります。

 

 そこにアンディの写真を置き、中国式の成仏を祈る場所を作って下さい。

 

 中国のお線香も焚ける様に。

 

 そして、お兄さんに息子さん(アンディ)に向って、こう言ってあげて下さい。

 

 

「息子アンディよ、貴方を許します。

 

 私達はみんな、貴方を許します。

 

 あれは事故だったのです。

 

 貴方が親子を意図して轢いた訳ではありません。

 

 だから、貴方を許します。

 

 光が見えたら、そっちの方に進みなさい。

 

 もう貴方は十分苦しみました。親子の為に十分苦しんだのです。

 

 だから、貴方を許します。

 

 成仏の道へ進んで、またいつか会いましょう。アンディ。」

 

 


アンディは、父親からの許しを必要としていた。

 

そして、みんなからの許しと、あの自分が殺してしまった親子からの許しを。

 

それを代表して、父親が許しを与えてあげるのだ。


これを100日間行う事。

 

 

■その間、段々とアンディの部屋を片付ける事。

 

 生前住んで居た自分の部屋がそのままだと、霊にとっては戻りやすい場所となってしまう。

 

 特に生前、その部屋に引き籠っていたのであれば、

 

 成仏出来ずにその部屋に残ってしまう可能性は高くなる。

 

 だから、段々とアンディの生前の部屋を片付けて、戻る部屋を無くし、

 

 退路を断つ訳である。

 

 

 

 

その後、私はアメリカに帰国したのだが、

 

 

何ヶ月か経った時、タンさんからお礼の手紙が来た。

 

 

アンディの霊が出なくなった様だという。


END