●写真で家相を診る時
このお話は、昨日のブログ（●毎年夏になると誰か死ぬ家）の続きです。
従って、昨日のブログ（https://ameblo.jp/hirosu/entry-12364272410.html）
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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［前回までのあらすじ］
これは今から１２年以上前のある夏の出来事である。
遠方からの電話依頼で「是非一度、家に来て診て欲しい。」という相談が飛び込んで来た。
場所を聞くと、栃木県の宇都宮市だと言う。
彼女は開口一番、今住んで居る家を「呪われた家」だと言った。
なにやら不気味な相談になりそうだなと思いつつ、まずは彼女の話を聞いてみる事にした。
今から約５年前に、彼女らの家族が今の中古の家を購入して住み始めたと言う。
当時購入した価格が、相場よりも少し安かったので気にはなったが、
特に事故物件と言う話も無かったので、購入を決めたという。
街からはやや離れた場所にあったが、自然環境は良かったので決めた所もあった。
ただ、全員賛成の中、彼女だけは何か気持ちが悪い土地だと感じていたという。
引越しは祖父母と、彼女と夫、それに子供が二人の合計６人。
みんなで協力して掃除などを行った。ただ、引っ越してから２ヵ月が経った頃、
近所の人の噂で「前に住んで居た人が、逃げる様に引っ越しして行った。」と聞いたという。
それを聞いて、嫌な予感がしたのだが、その後、特に問題らしき事件は起きなかった。
しかし、その家に住み始めてから２年が過ぎようとしていたある夏の日の事だった。
祖父が急に原因不明の病気になり、寝たきりになってしまったのである。
先週までは元気に庭いじり等をしていたのに、わずか一週間で寝たきりになったのだ。
しかも、よく寝言で「熱い。熱い。」とうなされるのだという。
ただ熱を計ると、そんなに高く無いし、部屋もクーラーがかかっていて熱く無いのだ。
結局お祖父さんは、「熱い。熱い。」とうなされながら亡くなったという。
この災難は、これで終わりでは無かった。むしろ、これが始まりだったのである。
翌年の夏、今度はお祖母さんが急に原因不明の病気になったのだ。
先週までは一人で買い物にも行く元気だったのに、それは突然だった。
そして、またお祖父さんの時の様に、寝言で「熱い。熱い。」とうなされる様に・・・
それはまるでお祖父さんの病気の再現だった。
結局お祖母さんも、寝たきりのまま、「熱い。熱い。」とうなされながら亡くなったという。
ここまでの話だけなら「熱い。熱い。」とうなされる原因不明の病気だという事を除けば、
偶然とも言えない事も無い出来事だろう。しかし、事は彼女にとって緊急かつ重大だった。
今年の夏、今度は彼女の息子さんが急に倒れたのである。
病院に連れて行くと、原因がよく分からないという。
しかも、二日前から、寝言で「熱い。熱い。」と言い始めたと言うのだ。
お母さんは、その寝言を聞いて、「ぞぞっ」としたという。 今年は、息子が・・・・と思うと怖くなった。
それはお祖父さん、お祖母さんが亡くなったのと同じ現象だったからだ。
「この家は、呪われている。」そう思ったという。
私も話を聞いて、嫌な予感がした。
栃木県には昔から不思議な話が多い。
宇都宮にも、こんな言い伝えがある。
「女性は林の中で用を足してはいけない。」
これはある時、女性がバスに乗っていた。
すると、急にトイレに行きたくなったという。
そこで、バスを降りて林の中でおしっこをしたという。
すると、そこへ蛇（へび）が来て、その女性の体の中に入り殺してしまったのだ。
皆さんは、トルコにある世界遺産のカッパドキアをご存じだろうか？
トルコの中央にあるこの岩石地帯には、多数の洞窟の家や洞窟ホテルまである。
実は東洋のカッパドキアというのが台湾（野柳地質公園）と、ここ日本にもある。
そして、それがあるのが宇都宮の「長岡百穴」なのだ。
名前からすると、昔は１００位の穴があったのだろうが、現在は５２の穴があるという。
これらの穴は、７世紀前期頃に作られた古墳群だとされる。
つまり、墓である。
言い伝えでは、宇都宮には百々目鬼（とどめき）という、
腕などに１００個の目がある女の妖怪（鬼）がいて、この「長岡百穴」に、
４００年間身を潜めていて、たびたび若い娘に化けて人々の血を吸っていたらしい。
ゲゲゲの鬼太郎より
ちなみに、その妖怪（鬼）が現存していた証拠として、
宇都宮の鶴田町にある本願寺に、百々目鬼を描いた掛け軸と、
百々目鬼の爪の現物が保管されていて、１０年に一度その鬼の爪が開帳されている。
つまり、宇都宮だけでも不思議な話が結構あるので、
今回の電話相談で彼女が話す不思議な出来事を聞いていて、
「宇都宮かぁ。」と少し納得して話を聞きいっていた所もあった。
電話相談の場合、現地に行けない分、依頼者が話してくれる事が全てなので、
どんな小さな出来事も、聞き逃さない様にしないといけない。
今回の相談の場合、やはり一番気になるのは、
亡くなる人が、決まって「熱い。熱い。」という寝言を言い残して死んでいる事である。
１人だけなら偶然そういう夢を見たのかもしれないが、
それが３人となると、偶然では無いと断言出来る。
多分、何らかの霊が関係しているだろうと思った。
では、どんな霊だろうか？
通常、こういう場合、占い師や霊能者はこう考える事が多い。
「熱い。熱い。」と言わせる時は、
焼け死んだ人や、熱い思いをしながら亡くなった人の霊が関係している場合が多い。
逆に、「寒い。寒い。」と言わせる時は、
凍死した人や、海水や川などで水死した人の霊が関係している場合が多い。
また、「心臓が痛い。」と言わせるなら心臓病や、心臓を損傷して亡くなった霊だ。
つまり、今回の場合、
何らかの原因で、焼け死んだ人が彼女の家族に関係しているのではないと予想した。
その上で、彼女が撮影した自宅の写真を拝見した。
こういう誰かが亡くなったという事案での家相を診る時、
私が重視するのは主に３つである。
まず１つは●亡くなった場所である。
２つ目は、●水回りである。
そして、最後は●家の周りの状況である。
普通、家の家相を診る時には、家の隅々まで拝見して、
机の向きや方角とか太陽の位置とか窓の有無など見る所は沢山ある。
しかし、机の向きが風水上悪いからどうのこうのというのは有るかもしれないが、
人が亡くなった原因を調べる時には、余り関係が無い。
なぜなら、机の向きが悪いからと言って、人が急死する事は無いのだ。
方角が悪いからと言って、人が急死する事は無いのだ。
家の周りの状況とは、例えば家の前に川があるとか、家の前に神社仏閣があるとか、
家の裏手に墓地があるとか、古墳があるとかである。
だから、彼女には、亡くなった祖父母の部屋と、今病気になっている息子さんの部屋。
それに水回り（気になる順番で言えば、井戸、水路、池、水槽、トイレ、風呂、台所）。
そして、家の周りの写真を重点的に写真に撮って見せてもらった。
まず、彼女の家の周りには気になる建物や川は写真でも地図上でも無かった。
また自宅には井戸も池も水槽も水路も無いと言う。
そこで残った亡くなった祖父母の部屋と息子さんの部屋、トイレ風呂台所の写真を診た。
しかし、特に気になる様な写真は無い。
ちなみに、普通の方が、部屋の写真を診る場合、
３つの事に気を付けて診る事をお勧めします。
１つ目は、●その写真を見て、気持ち悪いと思うかどうか。
つまり、その写真の部屋に寝泊まりしても平気だと思う部屋か。
２つ目は、●柱とか壁とか床とか天井とか畳に、顔に見える様な模様は無いかどうか。
３つ目は、その部屋にある●目のある物に違和感を感じないか。
例えば、その部屋の壁に貼ってあるポスターの顔、写真の顔、絵の顔、人形、ぬいぐるみである。
３つとも違和感無しなら、その部屋に問題は無いという確率は高いと思います。
さて、彼女の家の写真を全て見せてもらったのだが、
特に気になる様な写真は無かったのである。
この時点で、何の手がかりも発見出来ず、困ってしまった。
やはり電話相談では無理だったか。
さすがこれは現地に行くしか無いのかな。と思った。
普通の相談なら、「すみません、分かりません。」で済むかもしれないが。
今回は息子さんが死ぬかもしれないという状況である。
今度は、家の外観を何枚か撮ってもらう事にした。
これでダメなら、私が現地に赴くか、
これだけやってもらったのだから、謝って料金を無料にするしかないだろう。
しばらく経ってから、インターネット経由で、
彼女が撮った家の外観の写真が６枚拝見する事が出来た。
家を正面から横から後ろからと様々なアングルで撮られている。
しかし、どの写真も普通の家の写真とでしか感じられなかった。
残念だが、私の力もここまでだ。
何かあると思ったのだが、何も発見出来なかった。
通常こういう死人が出る家の場合、
土地が問題だったりする事は多いのだが、
土地に問題がある場合、その地に住んでから半年位には何かしらあるのが普通だ。
しかし、彼女の家の場合、住んでから２年間は特に何も無かったというのだ。
だから、土地の問題では無いのでは。と私は思っていた。
この時点で、もう諦めかけたのだが、
息子さんの事を考えると、どうしても電話を切れなかった。
そこで、視点を変えてみた。
今まで見た写真をもう一度見直して、
どこか変わっている部分、普通じゃない部分を探す事にした。
普通じゃない部分とは、例えば男の子の部屋なのに女の子の物があるとか、
台所には普通無い物が、台所に有るとか。
常識的に考えて、変わってるなと思う部分を探す作業である。
すると、後から撮ってもらった家の外観を撮った写真の中で、
１枚だけ家の裏手部分が写った写真があったのだが、
そこにちょっと気になる部分があったのである。
それは裏庭の奥の方に、大きなブルーシートが掛けられているのである。
ブルーシートとは、花見などで土の上に敷いてその上で飲み会をしたりする時に
使う青いビニールシートだ。
それはいかにも不自然で、庭の外観も損なうものだった。
それはまるで、庭の奥に何かがあり、
それをブルーシートで隠しているかの様に思えた。
やがて、そのブルーシートの向こうに、
今回の悲劇を起こしたと思われるものが姿を現すのである。
最終話は、明日のブログに続く。