●ウソでもいいから・・

 

 

 

 

このお話は、昨日のブログ(●怨念:二人が幸せになる事は許さない)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12347195005.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

彼女はある日、会社の取引先の社員と意気投合し、飲みに行った後、

 

酔いも手伝って、つい出来心で一晩一緒に過ごしてしまったといいます。

 

しかし、彼には子供こそいませんでしたが、奥さんがいる妻帯者でした。

 

一夜限りだと割り切っていた彼女でしたが、仕事で辛かった時や、

 

気持ちが落ち込んでいる時、彼から誘われると「もう一度だけ、最後にもう一度だけ」

 

と、自分に言い訳しながらズルズルと、2年も付き合ってしまったといいます。

 

やがて、なぜか奥さんに、二人の不倫がバレてしまったのです。

 

不倫がバレてしまったご主人は、その機会に反省するどころか、

 

奥さんに離婚を申し出たそうです。

 

その結果、奥さんが自殺という悲惨な結末をむかえてしまいました。

 

それも、二人を生涯怨んで許さない。

 

二人が幸せになる事は許さないという遺書を残して・・・

 

不思議なもので、二人が一緒になるのに障害だった奥さんが居なくなった訳ですが、

 

いざ奥さんが居なくなると、自然とお互いに興味が無くなったといいます。

 

結局、奥さんの死後、2ヶ月後には二人は別れたのでした。

 

しかし、彼女の身に不思議な出来事が・・・

 

それは彼と別れてから1ヵ月が経とうとしていた時だったといいます。

 

彼女が仕事から帰って、自宅の玄関にあと5mと近づいた時でした。

 

髪の長い女がスーッと彼女の家の玄関から家の中に入って行くのを見たと言うのです。

 

横顔だったので誰だか判別は出来ませんでしたが自殺した奥さんは髪が長かったといいます。

 

ただ、夜だったのと、彼女もかなり疲れていた上に、一杯飲んでいたので、

 

幻だったのかもしれませんが、と彼女は言います。

 

もしくは、幻であって欲しいという彼女の願いかもしれません。

 

しかし、その時から彼女の部屋で、ラップ音が鳴ったり、

 

物が落ちたり、買ったばかりの電気製品が壊れたする様になったといいます。

 

そして、度々自殺した奥さんが夢に出て来ると言うのです。

 

それ以来、会社や日常生活でも良い事が無く、

 

自分はもう幸せにはならないんだとまで思う時があるといいます。

 

また、別れた彼もその後仕事で大失態をするなど、悪い事が重なっているといいます。

 

実際に、彼女が本当に自殺した奥さんの霊を見たのか、

 

それとも自分が作り出した幻だったのか、それは私には分かりません。ただ、

 

1つだけ言える事は、彼女は完全に自殺した奥さんの遺書の言葉に飲み込まれていました。

 

確かに自殺した霊の怨霊というのは、あるかもしれません。

 

しかし、彼女は実際に奥さんを殺したという実行犯でも無く、

 

また、奥さんを殺そうと思った事もありませんでした。

 

この場合、怨まれるでしょうが、普通は命を取れらるという事はありません。

 

不倫は確かに、良い事ではありません。彼女が自分で招いた災難とも言えます。

 

しかし、わざわざお金を払って、私に相談してきてくれた彼女を見捨てる訳にもいきません。

 

しかし、呪っている相手がもう死んでいる人となると、ちと事は厄介です。

 

どうする? 占い師よ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


もし、私が霊能者なら、自殺した霊と話したりして解決出来るかもしれませんが、

 

 

私は霊能者ではありません。

 

 

もし、私が祈祷師や霊媒師や霊能力者で、現場に行って除霊出来るのであば、

 

 

問題解決出来かもしれませんが、電話相談ではそうもいきません。

 

 

要は、電話口の彼女自身で、

 

 

この災難を乗り越える事が出来る何かをアドバイスしなければならないのです。

 

 

 

 

 

 

彼女の話を聞く限り、彼女を怨んでいるのは、

 

 

自殺した彼氏の奥さんだけでした。

 

 

そして、実際彼氏と彼女は、現在不幸続きだといい、その上、

 

 

彼女は奥さんの亡霊が自分の家に入って行く所を見たと言うのです。

 

 

 


もしかしたら、彼女の言う様に、自殺した奥さんの怨霊が居るのかもしれません。

 

 

 

もし、本当に霊が居るなら、

 

 

どうやって、彼女から霊を離れさせるかであり、

 

 

もし、霊が居ないのであれば、

 

 

どうやって、彼女の頭の中から、霊の幻を取り除くかです。

 

 

 


どちらにしても、私のやる事は1つです。

 

 

そこに霊が居るとして対処します。

 

 

そうすれば、居る場合も、居ない場合にも有効的なケースが多いからです。

 

 

逆に居ないとして対処して、居た場合は最悪ですから。

 

 

 

 

 

 

こうして、彼女の周辺に自殺した奥さんの霊が居るとしての対処が始まりました。

 

 

 

 

 

はっきり言って、

 

 

この時点では、どうしたら良いのか、まったく見当もつきません。

 

 

 


普通、人は幽霊を怖がります。

 

 

なぜなら、幽霊は見えないし、分からないからです。

 

 

だから、幽霊が見える霊能者は、そんなに怖いものはいないと言います。

 

 


そんな霊能者の方に、一度聞いた事があります。

 

 

見えない私達は、どうしたら怖がらずに幽霊と対処出来るのでしょうか?

 

 

 


すると、霊能者の方はこうアドバイスしてくれました。

 

 

「そこに現われた霊を、生きている当時の人間だと思う事よ。

 

 2階の真ん中の部屋に、幽霊が出ると分かると怖いでしょ。

 

 でも、それが父親の霊だと分れば、むしろ会いたくなるという人もいるでしょう。」

 

 


「なるほど、そうですね。

 

 では、そこに現われるのが、見知らぬ霊の場合はどうでしょうか?」

 

 


「そうね。
 
 そうしたら、その見知らぬ霊の生前の様子をよく知る事ね。

 

 よく知る事で親しみも湧くし、その霊の気持ちまでもが分かるかもしれないでしょ。」

 

 

 


 
つまり、霊能者いわく、どんなに怖そうな霊も、

 

 

生前の様子をはっきり知る事が出来れば、怖さは半減するというのです。

 

 

 

今回の相談の例で言えば、私は自殺した奥さん事を全く知りません。

 

 

そこで、相談者の女性に、自殺した奥さんの生前の様子を聞くと、

 

 

彼女は、自殺した奥さんの事をほとんど知らないと言うのです。

 

 

 


不倫していた時も、どちらかと言うと、

 

 

辛い時や寂しい時に癒してくれる存在という感覚で、

 

 

奥さんと別れさせて、彼と結婚したいという略奪婚の気持ちは全く無かったそうです。

 

 

 

 

そこで、もう一度別れた彼に連絡をとってもらい、

 

 

自殺した奥さんの事を詳しく聞いてもらう事にしました。

 

 

特に●生前の性格。●クセ。●思い残した事。●やりたかった事。●いつも気にしていた事。

 

●生前心配していた事。●家族構成。●気になる遺品などあれば。

 

 


という事で、彼女にはそれらを調べてもらってから、

 

 

折り返し電話してもらう事になりました。

 

 

 

 

 

2日後に、また彼女から電話があったのですが、

 

 

意外と別れたご主人も、自殺した妻の事は、余りよく知らない様子だったといいます。

 

 

●亡き妻がやりたかった事、●クセ、●いつも気にしていた事。●思い残した事。

 

 

等は、ほとんど答えられなかったそうです。

 

 

 

 


ただ、分かった情報の中には、興味深い情報もありました。

 

 

 

 

それは、自殺した奥さんにも当然ご両親が居るのですが、

 

 

お母さんは、彼女が結婚後に離婚。

 

 

その後、認知症を患って、現在施設に居るというのです。

 

 

子供は彼女ひとりだけなので、それだけが気がかりだった様です。

 

 

実際彼女が自殺する直前、彼女は、何度も母親の元を訪れ、

 

 

お別れの挨拶に行っていて、有り金を全部預けて来たそうです。

 

 

 


私はその話を聞いて、

 

 

自殺した奥さんは、亡くなって霊になったとしても、

 

 

お母さんの事は、心配しているだろうな。と感じました。

 

 

 


そこで相談者の女性に2つアドバイスしました。

 

 

■まず、一日一回、窓辺に水を一杯置き、自殺した奥さんのお墓の方に手を合せて、

 

奥さんの名前を言いながら、謝る事。

 

 

■もう1つが、自殺した奥さんの代わりに、認知症のお母さんの所に、

 

1週間に一回でいいから、従姉妹か娘さんの知り合いという事で、

 

お見舞いに行ってあげる事。

 


ただし、お見舞いについては、こんな事を付け加えました。

 

もし会話の中で、自然と貴方の中から出る様な言葉があったら、

 

それが例えウソでもいいから、口に出して言っていいですから。と。

 

 


彼女は当初、この意味が分からなかった様ですが、

 

 

とりあえず、その2つをやってみますと言って電話を切られた。

 

 

 

 


それから彼女は何回か、認知症のお母さんの所にお見舞いに行ったという。

 

 

さすがに従姉妹とは言えず、娘さんの知人で娘さんが来れないので代わりに来ました。

 

 

とだけ伝えたと言う。

 

 

 


そんなある時、不思議な事が起きたという。

 

 

いつもの様に、認知症のお母さんの所にお見舞いに行くと、いつもと様子が違う。

 

 

部屋に入ると、お母さんがシクシク泣いているという。

 

 

 

どうやら誰かから、娘さんが死んだと教えられた様だった。

 

 

 

そんなお母さんに、彼女がそっと声をかけると、振り向いたお母さんが、

 

 

ああ、生きていたんだね。」と言って抱きついて来たのである。

 

 

すると、

 

 

彼女の口から、自然と、

 

 

 

愛しているよ。母さん。という言葉が出たという。

 

 


その言葉を聞いたお母さんは、まるで安心した赤子の様に眠りについたそうです。

 

 

 


私はその話を聞いて、

 

 

彼女は許された。と感じました。

 

 

だから、もう懺悔の謝りとお見舞いはしなくてもいいですよ。とも告げました。

 

 


しかし、彼女は、

 

 

「お母様へのお見舞いは、もう少し続けさせて下さい。」と言いました。

 

 

「それもいいでしょう。

 

 

 自分の跡を継いでくれている人を、破滅させる霊は居ませんからね。」

 

 

 

彼女も自殺した奥さんの為になる事をした事で、

 

 

やっと新しいスタートを切れる様な気がし始めたという。

 

END