●霊能者とは、違う道を。

 

 

 


このお話は、一昨日のブログ(●電気が点いたり消えたりするアパート)の続きです。

 

 

 

従って、一昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12324238687.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

田中さんのご実家は、昔から小平に多くの土地を持っていた地主さんだったという。

 

8年前、その実家に隣接した土地に建っていた建物を取り壊し、

 

駐車場とアパートを一棟建てた。ところが、いざそのアパートを運営し始めると、

 

一階の西側の2部屋だけに、異常な現象が起きるというのだ。

 

夜になると、その部屋の電気が点いたり消えたりするというのである。

 

そこで電気屋を呼んで調べてもらったのだが、異常は無かったという。

 

ところが、その夜の11時過ぎの事だった。田中さんの所に、今度は、

 

「今、点いたり消えたりしているので、見に来て欲しい。」と電話が来た。

 

行って見ると、確かに電気が点いたり消えたりしている。

 

変えたばかりの電球が点いたり消えたりし始めたのである。

 

その翌日、電気屋に来てもらったが、異常は見当たらなかったという。

 

結局、そこの住民は、「こんな気持ち悪い所には住めない。」と出ていたという。

 

それから1ヶ月後、その隣の部屋にも大学生の方が引っ越して来たのだが、

 

同じ様に、明かりが点いたり消えたりするという苦情が来たのである。

 

つまり、田中さんの新築のアパートは、1階の西側2部屋だけ、

 

借主を募集する事も出来ず、開店休業となってしまったのである。

 

新築なだけに、前の住人が原因の事故物件でも無く幽霊を見たという様な事も無かった。

 

困った田中さんは、家族と協議し、霊能者の方を呼ぶ事にしたのである。

 

なかなか現場に来てくれるという霊能者が見つからなかったのだが、

 

雑誌の広告でやっとアパートを診てあげましょうという霊能者に辿り着いた。

 

女性の霊能者で、落ち着いた感じの方だった。

 

さっそく田中さんは、彼女を車に乗せ問題のアパートへと案内した。

 

現場のアパートに着くと、しばらくアパート全体を外から眺めていたという。

 

「アパートの西側の空気が淀んでいる感じがします。」

 

いきなり当たっているので、驚いたという。

 

実際、アパートの一階の西側の2部屋だけに、異常な現象が起きているからだ。

 

実は田中さん、霊能者の方には、アパートで電気が消えたり点いたりする

 

現象が起きるという事は言っていたが、まだどの部屋で起きているのかは、

 

現地に案内してからと思っていたから、伝えていなかったのだという。

 

部屋に入ると、霊能者の方は、静かに全ての部屋を見て回り、

 

両方の部屋を見てから、霊能者の方は、こう言ったという。

 

「そんなに強くないけど、どちらの部屋も霊気を感じます。

 

 それも下の方から。 多分、土地に原因がある気がします。」

 

田中さん霊能者の方に、「ここには以前、先代の家が建っていまして、

 

 それを取り壊して、このアパートを建てました。 確か先代の家があったのが、

 

この2部屋辺りです。」その後、霊能者の方が、部屋のあちこちに九字を切ったり、

 

念仏の様な事を唱えながら、お祓いをしてくれたという。

 

また、先祖の霊の怒りを感じるので、

 

供養が足りないのも原因ではないかと指摘されたという。

 

確かに田中さんは、先祖の供養などは長男任せだったので、

 

ほとんどしていなかったという。そこで、その日から田中さんも、

 

さっそく墓参りや仏壇の掃除、供養を始め、毎日ご先祖供養をしたという。

 

そして、霊能者が来てくださってから、一週間が経った頃、

 

試しに1階の西側の2部屋に夜中に来て、

 

2時間ほど明かりを点けっぱなしにしてみたが、明かりはちゃんと点き、

 

点いたり消えたりという点滅現象はしなくなったという。さすがは、霊能者である。 

 

たった2時間足らずの時間で霊現象を解決してしまったのである。

 

こうして問題が解決した2部屋の内、一部屋だけを試しに貸し出してみる事にした。

 

募集すると、少し安くしたのも幸いしたのか、すぐに借り手が見つかったという。

 

その部屋を借りた大学生の女性からは、特に苦情らしき電話はかかってこなかった。

 

何事も無く、1ヵ月が過ぎ、2ヵ月が過ぎ・・・そろそろもう一部屋も

 

普通に貸し出そうかと、家族で話し合った。すると、その次の日だったという。

 

あの一階の西側の問題の部屋を借りていた女性から、電話があったのである。

 

「夜になると、部屋の明かりが点いたり消えたりして、

 

 電球を変えても直らないんですが、みてもらえますか?」

 

また、あの霊現象が始まったのである。

 

それは悪霊がまた、あの部屋に復活した合図だった。

 

霊能者の方がお祓いをしてくれた、約3ヶ月後の事だったという。

 

それから8年間の現在まで、あの二部屋だけ荷物置き場になっているという。

 

ただし、他の住民に怪しまれたり、悪い噂が立たない様に窓にはカーテンをかけ、

 

表札には適当な苗字を入れ、誰かが住んで居る様に見せているという。

 

こうして、ほぼあきらめ状態だった田中さんだったのだが、

 

ある時、占いで私に電話してきた時、なにげにアパートの事もついで聞いて来たのである。

 

「じゃあ、一度そのアパートを診てみましょう」こうして、私は霊能者の方でも

 

解決出来なかった問題に挑む事になった。いざ、問題のアパートへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電話を頂いた翌々日の朝10時、さっそく現地のアパートで落ち合う約束をした。

 

 

小平なら、住所を教えて頂ければ、大抵行ける自信があった。

 

 

また、翌々日の天気は晴れだというのは、天気予報を見て知っていた。

 

 

職業的に言って、出張もする占い師は、

 

 

1週間先ぐらいはの天気は大体把握しているものである。

 

 

私の場合、どんなにスケジュールが開いていても、

 

 

雨が降りそうな日は、出来るだけ出張鑑定はしなかった。

 

 

霊能者の方であれば、雨など関係なのだろうが、

 

 

私を含めて、普通の方は、鼻と耳と肌の感触が頼りな所がある。

 

 

それなのに、雨が降っていると、

 

 

微妙な寒さも、雨の湿度で感じにくくなるし、

 

 

微妙な部屋の臭いも、雨の日は違う臭いになってしまう事もある。

 

 

そして、小さいラップ音が鳴っても、それが雨音で消されてしまうのだ。

 

 

 


ちなみに、

 

むしろ雨が降っている時の方が好都合という場合もある。

 

 

例えば、土地や家を買う時や、駐車場を借りる時など、

 

 

むしろ悪条件の時の様子を見た方が、良い時がある。

 

 

また、運転免許を取る時に、皆さんはまず運転免許教習所に行くと思うが、

 

 

よく女性の方は、今日は雨だから教習所には行きたくないと言う人が多い。

 

 

しかし、私が運転免許教習所に行っていた頃は、雨の日に多く行った。

 

 

なぜなら、雨の日の方が見えづらく危険が多い。

 

 

でも、一旦免許を取ってしまうと、もう誰も教えてくれない

 

 

まだ教習所にいる時に雨の日に運転すれば、雨の日はどう運転すればいいのか、

 

 

雨の日の運転にあたり、どこが私の悪い所か、

 

 

雨の日にはどういう危険があるのか教えてくれるのだ。

 

 

雨の日に慣れた私にとって、晴れの日は楽勝だった。試験は一発で合格した。

 

 

 

 

 

ちょっと話が脱線してしまったので、元に戻しましょう。

 

 

 

 

 

 

待ち合わせよりも15分位早く着いた私は、

 

 

問題のアパートの周辺を歩いてみた。

 

 

アパート自体は、築8年相応のごく普通の2階だてのアパートである。

 

 

周りに(特に西側に)気になる様な川や池、墓地や神社仏閣などは無かった。

 

 

 

霊能者の方が感じられたという、アパートの西側の空気が淀んでいるという感じは、

 

 

私にはよく捉えられなかったが、アパートの西側の方が寂しい感じはあった。

 

 

勿論、西側の2部屋には誰も住んで居ないのだから、寂しいのは当たり前なのだが、

 

 

大家の田中さんが、誰か住んで居る様に見せる為に窓にはカーテン、

 

 

ベランダには雑巾が干してあったのだが、それでも東側よりも寂しさを感じる。

 

 

ただこの感覚は先入観に寄る幻かもしれない。

 

 

なにしろ、霊能者の方と違って、

 

 

私の場合、事前に西側の2部屋だけが空室だという事を知っていたからだ。

 

 

 

そんな事を考えていると、

 

やがて田中さんがやってきた。時間通りだ。

 

 

 

さっそく問題の部屋の内部を見せてもらう事になった。

 

 

ドアの鍵を開けてもらうと、最初に私が部屋に入らせてもらった。

 

 

と言うのは、

 

ドアを開けた最初の臭いが嗅ぎたかったのである。

 

 

ドアを開けてしばらく経ってしまうと、部屋の中の空気と外の空気が混ざり、

 

 

微妙な臭いの判別が出来なくなる事が多い。

 

 

また、人間の鼻は、すぐにその場に慣れてしまうので、

 

 

ドアを開けた瞬間に感じる臭いが勝負なのである。

 

 

部屋に入ると、大きく鼻から息を吸い、目をつぶった。

 

 

目をつぶると空気の臭いが、より分かりやすくなる。

 

 

目を開けていると、目からの情報が邪魔になるのだ。

 

 

丁度グルメの専門家が、美味しい料理を味わう時に、

 

 

目をつぶって、舌に神経を集中させ味を確認するのと似ている。

 

 

 

 


結果から言うと、特に異様な臭いはしなかった。

 

 

では異常がある部屋では、どんな臭いがする時があるかと言うと、

 

 

例えば、動物の臭いがするとか。

 

 

この部屋の場合、過去に借りた住人はペットを飼っていなかったという。

 

 

それなのに、もし動物の臭いがするのであれば、おかしいという事になる。

 

 

また、カビ臭い場合も、霊が好む環境である事がある。

 

 

焦げ臭い場合も、昔火事があったとか、火事で亡くなったという霊が居る事もある。

 

 

 

 

そう言えば、

 

昨日神奈川県の座間市のアパートで9人の遺体が発見されたというが、

 

 

周りの住人は、2ヵ月前から今まで嗅いだ事が無い様な臭いがしたという。

 

 

いわゆる死臭だ。

 

 

一般の人は、そんな死体の死臭など嗅いだ事は無いだろうから、

 

 

今まで嗅いだ事が無い臭いと表現したのだが、

 

 

もし、そのアパートに警察官が住んで居たら、死臭だと分かったはずだ。

 

 

というのは、警察官になると配属場所にもよるが、

 

 

上司の命令で、死臭を嗅ぐ体験をさせられる。

 

 

それによって、殺人犯と会った瞬間に、臭いでこいつは怪しいという感覚を養うのだ。

 

 

 

 

このアパートの部屋は、そんな死臭の様な怪しい臭いもしなかった。

 

 

部屋は、田中さんが電話で言っていた様に、荷物置き場になっていた。

 

 

段ボールの箱が沢山と、その脇には使わなくなったミシンが置いてあり、

 

 

玄関にはゴルフ道具が横倒しにして置いてあった。

 

 

 

 


私は「お邪魔しまーす。」と声を出して、靴を脱いだ。

 

 

ちなみに、「お邪魔しまーす。」という言葉は、田中さんに言ったのではない。

 

 

この部屋にいるかもしれない霊に対して言ったのである。

 

 

もし、貴方が付き合っている彼氏の実家にお邪魔したなら、

 

 

必ず「お邪魔しまーす。」と言った方が良い。

 

 

その言葉を聞いているのは、彼や彼の家族だけではなく、

 

 

彼のご先祖様も聞いていて、この子は嫁にふさわしいとかマナーが出来てないなどと、

 

 

評価の対象になっているはずである。

 

 

いずれにしても、他人の家に入る時は、「お邪魔しまーす。」は必須である。

 

 

言って損は無い。

 

 

また、今回の場合であれば、先に部屋にいるかもしれない霊に対して、

 

 

「お邪魔しまーす。」と礼儀を尽くして部屋に上がる事は、

 

 

これから勝手に部屋に上がって調べるにあたって、大切な一言である。

 

 

 


次に、靴を脱いだ足を一歩部屋に踏み入れる前に、

 

 

私は、「誰かいますかぁ?」と声をかけた。

 

 

そして、静かに耳を澄ませた。

 

 

 

 

 

 

何も聞こえない。

 

 

 

 

 

誰も住んで居ない部屋なので当たり前だ。

 

 

後ろに居る田中さんも、きっと何変な事を言っているのだろうと思った事だろう。

 

 

しかし、これにも理由がある。

 

 

実は、部屋に霊が居る時、

 

 

「誰かいますかぁ?」と聞くと、「いるよ。」とラップ音を鳴らす霊もいるのだ。

 

 

ややせっかちな霊だと、

 

 

「お邪魔しまーす。」と言った時に、ラップ音を鳴らす霊もいる。

 

 

だから、「お邪魔しまーす。」と、「誰かいますかぁ?」を言う時は、

 

 

静かに耳を澄ます事である。

 

 


霊能者では無い私達は、霊視の代わりに耳や鼻をフルに使う必要があるのである。

 

 

 

 

 

さて、いよいよ部屋の中を調べるのだが、

 

 

私は部屋を調べる時には、必ず方位磁石を持参して調べる事にしている。

 

 

まずは今居る玄関から、方位磁石がちゃんと北を差し、動かない事を確認する。

 

 

もし、方位磁石がいつまでも揺れ動くとか、ちゃんと北を差さないという場合、

 

 

その土地の磁場がおかしくなっているのだ。

 

 

磁場がおかしくなる事自体は、必ずしも危険では無いが、

 

 

磁場がおかしい場所には、悪い霊も集まりやすくなる。

 

 

そういう意味では、注意箇所の1つだと判断出来るのである。

 

 

 


さて、方位磁石片手に、全ての部屋を廻って調べる訳だが、

 

 

普通の家にお邪魔して、調べるのと、

 

 

今回の様に、空き部屋を調べるのでは、方法が若干違う。

 

 

 


基本的に、部屋を調べる時は、部屋の4隅から中央など気になる所を歩き回って、

 

 

嫌な臭いがする場所は無いか、そして急に寒くなる場所は無いか調べるのである。

 

 

臭いについては先に説明したから分かるだろうが、

 

 

寒くなる場所というのは、

 

 

例えば、その地縛霊が居る場所に行くと、急にヒヤッとした寒気を感じる時がある。

 

 

そういう場所が無いか調べるのである。

 

 

当然だが、夏の時期の方が見つけやすい。

 

 

なにしろ、冬の時期は寒いので、どこもヒヤッと感じてしまう時があるからだ。

 

 

 


では、今回の様に空き部屋を調べるのでは方法が若干違う。とはどういう意味かと言うと、

 

 

空き部屋の場合、人が住んで居ない。

 

 

という事は、台所の収納、床下収納なども開けて、中に手を入れたりして、

 

 

寒気を感じる事が出来る。

 

 

また、押し入れの中にも入って見て、寒気を感じるか体感する事が出来るのである。

 

 

これらは、住人が住んで居る時には荷物があるので、なかなか出来ない事である。

 

 

もし、押し入れに死体を入れていて地縛霊になっていれば、

 

 

その押し入れに入ると、寒気がするのである。

 

 


こうして、部屋中を同じように調べた。

 

 

風呂場では、水の無い空の風呂に入ってもみた。

 

 

もし、風呂場で自殺などして地縛霊になっている場合、

 

 

空の風呂に入った瞬間、寒気が襲って来る事があるのだ。

 

 

 

 

こうして、2部屋とも丹念に調べたが、特に異様に感じる場所は無かった。

 

 

 

 

ただ、ここまでは大体予想通りだった。

 

 

 

実は、田中さんから電話で色々なこれまでの経緯を聞いていて、

 

 

多分、建物の問題では無く、土地の問題だろうという予想はついていたのである。

 

 

勿論、霊能者が土地に問題があると言ったからというのも大きな支えでもあるのだが、

 

 

私の今までの経験から見ても、土地が問題だという感じがしていた。

 

 

その理由は、

 

 

■まず、アパートが建ってからその2部屋で亡くなった人は居ないし、

 

新築の8年前から霊現象が起きているという事は、

 

アパートが問題というよりも、土地と考えるべきだろう。

 


■そして、アパートの隣り合った2部屋同時に怪奇現象が起きるという点である。

 

同じ住人が住んで居るなら別だが、まったく関係の無い2つ部屋の住人が、

 

同じ様な現象に遭っているというのは、

 

その各2部屋に地縛霊が同じ様に影響するとは考えにくい。

 

死ぬならどちらか一方の部屋で。が普通である。

 

つまり、二つの部屋に影響するという事は、その土地が絡んでいる可能性があるのだ。

 

 

 

 

ただ、実際に自分の目でアパートの部屋を診て、裏付けが欲しかったのである。

 

 

 

 

しかし、問題が土地となると、少し事がやっかいである。

 

 

 

霊能者の様に、過去この土地で何があったのか感じる事は出来ない。

 

 

 

 

 

こういう場合、足で調べるしかないのだ。

 

 

 

 

 

 

 


そして、その一番良い方法は、

 

 

この土地の事をよく知っている人に話を聞く事である。

 

 

 


最悪、近所のお年寄りをつかまえて聞くとか、近くのお寺の住職に聞くとか、

 

 

図書館で調べるのだが・・・・・

 

 

 

 

それは最終手段である。

 

 

 


今回の場合、田中さんはご両親と暮らしていて、

 

 

このアパートの土地もご両親のものである。

 

 

そこで、田中さんのご両親にお話を伺う事にした。

 

 

 


この辺が、霊能者と占い師の違う所だろうか。

 

 

私は、ここから霊能者とは、違う道を歩んで行く事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


やがて、意外な真相に突き当たるのである。


最終話は、明日のブログに続く。