●白い服を着た幽霊が出る豪邸
私がアメリカのシアトル(Seattle)にあるワシントン大学に通っていた時、
寮から近くにあったワシントン湖(Lake Washington)が見えた。
ワシントン湖は、約1万年前に氷河によって作られた氷河湖である。
だから、最も深い所でも50m位だ。
ここシアトルは、緯度にすると、北海道よりもはるかに上で、
南樺太と同じ緯度にあるのだが、暖流や地形から比較的住みやすい気候になっていて、
アメリカの住みたい街100で、第7位になった。
このワシントン湖も、どんなに厳しい冬でも氷結することはない。
冬でも住みやすい街なのだ。
こうした住みやすい環境から、世界中の大企業が、このシアトルに拠点を置いている。
例えば、アマゾンドットコム、スターバックス、そしてマイクロソフト社などだ。
そしてお金持な役員や社員は、こぞってこのワシントン湖の湖畔に自宅や別荘を構えている。
有名な企業の中で、最も大きいのが、ボーイング社だ。
ワシントン湖の南端に位置するボーイング社レントン工場(Renton)では、
毎日、旅客機を作っている。その代表機がボーイング737である。
ただ、戦前は、ここでB-29爆撃機を作っていたという歴史がある。
そんなワシントン湖の湖畔にある1つの豪邸から、
白い服を着た幽霊が出るという相談が、霊能者の所に入った事がある。
上に挙げた4つの大企業の内の1つの役員邸からの依頼だった。
ただ、霊能者の方からは、
「もしかしたら、今回は少し危険かもしれないよ。」という事を言われた。
しかし、私は豪邸に出るという事にも興味があったし、
まだ大学生だったこの頃は、怖いもの知らずだったのもあり、
「是非、御伴させて下さい。」と、即座にお願いした。
当時は、今から考えると無茶な事をした事も結構あった。
例えば友人と二人きりで、幽霊が出るという深い森にも行った。
(その時の事は、以前ブログで書いています。興味がある方は下記もどうぞ。
●首の無い幽霊 https://ameblo.jp/hirosu/entry-11969095239.html)
その時の事を考えれば、今回は霊能者の方と一緒だし、豪邸だし、
私には断わる理由は無かった。
ただ、霊能者の方いわく、
地縛霊が出るかもしれない、高い所や水辺は危険が伴うのだと言う。
特に今回の依頼は、
依頼者の方いわく、白い服を着て出る幽霊に心当たりがあると言うのだ。
それは今から5年前、家の敷地内で、女性が銃で殺されたのである。
そして、幽霊はその女性ではないかというのだ。
なぜなら、幽霊が出始めたのが、その女性が殺されてからである事。
そして、幽霊が出るのが、その女性が殺された付近である事。
霊能者の方も、現地へ行く前から、白い服を着て出る幽霊は、
その銃で殺された女性で多分間違い無いだとうという事だった。
つまり、殺された女性の霊が、地縛霊となっていて、
何らかの怨みがあって出て来ていると推測されるのである。
地縛霊の中でも、人に怨みを持っている場合、中には、
他の人も自分と同じ目に遭わせてやろうという地縛霊もいるので、
危険があるかもしれないと、霊能者の方は私に忠告してくれたのである。
しかも、女性が射殺された場所が、水辺だったのだ。
状況的に言えば、私は行かない方が良かったのかもしれなかった。
しかし、当時の私は、好奇心の方が上回ってしまったのだ。
私達はいつもの様に、午前10時に待ち合わせて、
通訳の友人が運転する車で落ち合った。
そして、
無残にも銃で殺されたという
女性の幽霊が出る豪邸へと、私達は向かったのである。
、
後半は、明日のブログに続く。
