●首の無い幽霊

 

今日は何か、過去のクリスマスの思い出を書こうと、

考えていたら、なんとも不気味な話を思い出してしましまった。




当時、私はアメリカのシアトルという所に住んでいて、

ワシントン大学に通っていた。



私が、クリスマスは家に帰らないで一人だと言うと、

友人の一人、ケンが自宅に招いでくれた。



ケンとは、仕事仲間だった。

 

 

私は学費を稼ぐ為に、勉強をしながら働いていた。

もちろんビザはワーキングビザではないので、働いてはいけないのだが、

大学内での就労は許されていた。




そこで、私はキャンティーン(食堂)と図書館で働いていた。

キャンティーンでは、テーブルに置いてある食器を片づけて、テーブルを拭くという、

ごく簡単な仕事だった。


セルフサービスなので、お客に接する事は無い。

お客が食べ終わったと思われるテーブルが出るまで、ひたすら待ち続けるのだ。



図書館での仕事は、返却された本を本棚に戻す作業である。

それを私ともう1人が担当していた。

1日に返却される本の数はそんなに多くない。

だから、勤務してからすばくやれば15分で全ての本を棚に返し終えた。

しかし、もう1人の担当がそんな私に苦情を・・・

「そんなに早くやったらダメだ、もっとゆっくりやんないと仕事が無くなるだろ!」

そんな図書館で、ケンは別の係りをしていて知り合った。

彼は無口でクール。

彼も霊に興味あったようで、なんとなく気が合った。




ケンの自宅は、シアトル郊外のやや山間部に近い場所にあった。

アメリカの自宅はどこもクリスマスには、電飾などでとても綺麗だ。

彼の家の庭にも、電飾トナカイなどが装飾されていて、

いかにもアメリカの家庭に来たという感じだった。




彼の家で何を食べたのかは、忘れてしまったが、

クリスマスなのにそんなご馳走では無かったという記憶がある。

外の電飾の事もあるのかもしれないが、

家の中を真っ暗にして、ロウソクで食事をして、

真っ暗な中、みんなでテレビを見た。



 

そこでちょっとビックリしたのは、

ケンが、私にマリファナを勧めてきたのだ。

彼はテーブルの上にマリファナらしき乾燥した植物を出すと、

小さな紙切れにクルクルッと巻き、

あっという間に、マリファナタバコを作った。



タバコよりもずっと健康的だと言う。

(吸わないのが一番健康的だと思うが・・と言いたい所だが単語が難しくて言えない私)

それも両親がいる前で吸っているのだ。

両親も公認なのである。

ちょっとしたカルチャーショックだ。

もし、私もタバコを吸っていたら、断り切れなくて、いっぷくしていだだろう。

さすがに、No,Thank you.は難しくないので言えた。




 

やがて、食後1時間位してから、

ケンの部屋に案内してくれた。




ケンの家は、お父さんが自分で作ったというログハウスである。

アメリカでは、自分で家を作ったり、

トレーラーハウスを自宅にする人は多い様である。

だから、ケンの自室は周りが天然の木材だ。

でも何となく寒い。




そんな中、霊の本があるという事で、

2・3冊見せてもらった。

私は手に取って見せてもらったものの、

中身は全部英語だ。「ホーッ!凄い!!」と口をついたが、

実のところは、まったく分からない。

とりあえず、アメイジング! と言ったが、ほめ過ぎだったかもしれない。


 


しかもアメリカの書籍は、あまり写真や挿絵が無い。

字ばっかりである。

ほめるのにも難しい。限界がある。



 

というか、今、冷静に考えたら、

幽霊の本をほめるというのも、何かおかしい。



 


そのうち、幽霊のご近所情報になった。

彼は英語をまくし立てる。

私は紙に絵を書きながら、対応。

聞き取れない所は、ウーフン、ウーフン、とかオーケー、オーケーとか

適当に相づちをしていた。


 

 

すると、

いつの間にか、翌日一緒に、

幽霊が出るという森に行く事になっていた。




You want to go together?(一緒に行かないか?)

の所で、オーケーを連発したらしい。


 

どうも日本人は、一緒に?(Together)という単語に弱い。

断りずらいのである。

すぐに、オーケー言ってしまう。



 


まさか、幽霊の森だったとは・・・


 

 


詳しく聞くと、

首の無い幽霊が出ると言う。

トホホ・・・





 

彼がさかんに、ジェスチャーで首が無いと体で表現するので、分かったのだ。

もちろん、ゴーストは知っていた。


 

なんで好き好んでそんな所へ・・

 

好奇心でそんな所に行ったら、憑依されたり霊障にあったりするよ。



と、言いたかったが、

英語にするのが超難しい。私の頭では出てこない。

出てくる言葉は、

ダメだよ。ダメ。ぐらいだ。

それも良く考えたら日本語だ・・・通じてないリカちゃん7




 

 

結局、翌日、

その首の無い幽霊が出る森へ行くことになった。


後半は、明日のブログに続く。